今年の読書(31)『密売人』佐々木譲(ハルキ文庫)
Mar
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10月中旬の北海道において、函館で病院の屋上からの転落死、釧路港での溺死体、小樽での自動車の爆発による焼死体という事件が起こります。
また、小学校では少女の誘拐事件とおもわれる事件が発生、親子共々姿を消す事件が起こり、偶然とは思えない不審死と誘拐事件が絡んでいると直感した<佐伯宏一>は、ひとり裏捜査を始めます。
捜査を進めるうちに、不審死のメンバーは刑事の情報提供者(=エス)だとわかり、暴力団組織のお礼参りに合っていると判断、警察内部の情報漏れをも追及せざるをえなくなります。
<佐伯>の本来の捜査である乗用車の荷物を狙う路上荒しの事件とも絡め、道警の顔なじみのメンバーである<津久井卓>・<小島百合>・<新宮昌樹>・<長生寺武史>の警官としての人間性も十分に表現されており、シリーズを読んでいなくてもこの一冊だけで十分に楽しめる内容でした。