今年の読書(29)『廃墟に乞う』佐々木譲(文春文庫)
Feb
22
本書の主人公は、誘拐監禁事件で不注意から女性を助けることができず、逃亡した犯人が自殺するという幕引きになり、心身的に衰弱、休職扱いを受けながら自宅療養している北海道警<仙道孝司>警部補です。
休職中ということで警察手帳は持っていませんが、逆に道警の管轄以外に行動ができるという利点を生かし、知人からの依頼に対して探偵役的に調査をすすめ、決してでしゃばることなく事件の手柄は所轄の刑事に譲るという立場を貫き通しています。
著者は夕張市生まれ、現在は中標津在住という立場から北海道の地理に精通しており、納められた6話の短篇はどれもそれぞれの地域特性を生かした登場人物を絡めさせる構成は見事です。
Posted at 2015-02-22 16:36
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Posted at 2015-02-22 16:40
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