今年の読書(40)『満つる月の如し』澤田瞳子(徳間文庫)
Mar
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治安2(1022)年法成寺金堂・五大堂の造仏の功績により、仏師として初めて「法橋」になった<定朝>の伝記小説ですが、<藤原道長>の時代を背景に、<定朝>16歳から天喜5年8月1日に52歳で没するまでが描かれています。
タイトルの『満つる月の如し』は、天喜2(1054)年に造仏した京都西院の丈六阿弥陀如来坐像が当時の公家たちを魅了し、「尊容満月の如し」と称賛されたことに由来しています。
平安時代の殺伐とした都を舞台に、<藤原道長>一族の権力争いを中心に据え、<定朝>の御仏に対する心の変化を機微に描き、また<定朝>の後見人として登場する比叡山内供奉の僧侶<隆範>もいい脇役として描かれていました。
Posted at 2015-03-19 22:19
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Posted at 2015-03-20 04:32
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