「お召し列車」を牽引した「C51形239号」特別公開@京都鉄道博物館
May
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「C51形」は、大正8(1919)年から計289両が製造された戦前の主力機関車。なかでも239号は運転士が扱いやすく、乗り心地も良いとされ、お召し列車の専用指定機となりました。昭和3年に京都で行われた昭和天皇の即位式で、東京-沼津間の牽引機として活躍したのを皮切りに、28年の引退までに、歴代最多となる104回にわたって牽引したといいます。
北陸や信越地方などで通常の機関車として運用された後、梅小路機関区で保管されていましたが、改元を記念して同博物館が今年2月から整備を進めていました。黒の塗装を塗り直したほか、お召し列車を牽引している証しの菊花紋章を車体の先頭に、皇室を象徴する金色の鳳凰を側面の除煙板にあしらうなど、装いを新たにして公開。菊花紋章の中心には小さな梅の花をほどこしたり、鳳凰も梅小路機関区のデザインを採用したりして、現役当時の再現ではなく、同機関区所属機の「お召し仕様」に仕上げられています。
また、特徴的なのは車体の左右に取り付けられた金色の柵。定時運行が求められる機関車にトラブルが生じた際も、車庫に戻す必要なく、最寄り駅で車体が点検できるように備えられていたそうです。