「1ドル=143円73銭
Aug
25
26日早朝の東京外国為替市場で、円相場が大きく上昇しています。8時30分時点は「1ドル=143円74〜76銭」と前週末17時時点と比べて2円07銭の円高・ドル安でした。8時半前に円は一時「1ドル=143円56銭」近辺まで買われ、金融・資本市場の混乱で141円台に急伸した5日以来3週ぶりの高値をつけています。日米での金融政策の方向性の違いに着目した円買い・ドル売りが活発となっています。
23日、米連邦準備理事会(FRB)の<パウエル議長>は、米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し「政策を調整すべき時が来た」と述べ、9月利下げを事実上示唆しました。雇用情勢の悪化にも配慮する姿勢を示したことで(FRB)による大幅利下げ観測も根強く残り、前週末に米長期金利が低下しています。
23日、日銀の<植田和男総裁>は、衆参両院の閉会中審査に出席し「経済・物価の見通しがおおむね実現していく姿になれば、金融緩和の度合いをだんだん調整していくという基本的な姿勢に変わりはない」と語っています。日米で株価が戻りを試すなど市場の混乱が収束に向かうなか、日銀が改めて追加利上げに意欲を示したのもあって日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが入っています。
中東情勢が緊迫しているのも「低リスク通貨」とされる円の買いを誘っているようです。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは25日、7月の司令官殺害の報復としてイスラエルをロケット弾や無人機(ドローン)で攻撃しました。イスラエルの<ネタニヤフ首相>は「自衛のためにあらゆる手段をとる決意がある」と述べるなど再び報復に動く可能性があり、地政学リスクの高まりが意識されています。