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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『片想い』東野圭吾

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『片想い』東野圭吾
年に一度開かれる元帝都大アメリカンフットボールの飲み会に参加していた<西脇哲郎>は、その飲み会のあとで、<日浦美月>と十年ぶりに再会します。<美月>は、<西脇>の妻<理沙子>と一緒の帝都大アメリカンフットボール部の女子マネジャーでした。<美月>は理沙子の親友でもありました。

<哲郎>は、<美月>を自宅に誘ったが、そこで衝撃の事実を知らされることになる。ひとつは、<美月>は性同一性障害であり、現在は男として生活していること。もうひとつは、ある人物を殺してしまったという事実でした。

<美月>は、警察に自首することを考えていましたが、<哲郎>と<理沙子>は彼女を引き止め、そして彼女を匿うことにします。やがて、同じアメリカンフットボール仲間で<美月>の元恋人でもあった<中尾功輔>も協力することになるのですが。

しかしある日、<美月>は忽然と<哲郎>と<理沙子>の前から姿を消してしまいます。そして、それに呼応するかのように<中尾功輔>も姿を消します。<哲郎>たちは、消えた<美月>と、中尾>を探し出そうとしますが、その過程で、次々と驚くべき真実を知ることになります。

大学時代のアメリカンフットボール時代の青春を絡めながら、仲間たちの友情と、性同一障害者の心理を描き、思わぬ事件の真相に、驚愕の結末を迎える筋書きの構成の巧みさに感心しながら、622ページの長編を読み終えました。

当サイトの管理人より
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『Θ(シータ)は遊んでくれたよ』森博嗣(講談社文庫)

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『Θ(シータ)は遊んでくれたよ...
前作 『φ(ファイ)は崩れたね』 に次ぐ<Gシリーズ>の第2作目です。

25歳のフリーター<早川聡史>が、自宅マンションから飛び降り自殺、額には「Θ」のマークが口紅で書かれていました。
相次ぐように23歳の看護師<木村ちあき>、現場監督の<高島健之>が飛び降り自殺でなくなりますが、いずれも体のどこかに「Θ」の印が残されていました。

口紅の分析を依頼されたN大学の研修医<反町愛>は、一連の分析結果を旧友の<西之園萌絵>に伝えますが、話しはC大学の<加部谷恵美>・<海月及介>・<山吹早月>達を巻き込んでいきます。

前作と同様、助教授の<犀川創平>や探偵の<赤柳>たちといった登場人物たちの思考を通して、自殺事件の<海月>の推理が展開されていきます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『夏の名残りの薔薇』恩田陸(文春文庫)

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『夏の名残りの薔薇』恩田陸(文...
父親の残した山奥のホテルで、沢渡三姉妹が毎年秋に豪華なパーティーを開催、関係者が一堂に集まります。

参加者は長女<伊茅子>の甥<隆介>の嫁<桃子>とその弟<時光>、次女<丹伽子>の娘で舞台女優の<瑞穂>とそのマネージャー<早紀>などで、華やかながらなにかと問題のある人物たちです。

全六章から成り立っており、各篇がそれぞれの登場人物たちの目線で語られ、三姉妹に対して怨憎の含んだ感情を中心に物語が語られ、心の中で相手を殺す場面が展開していきます。

先代の会計士を父とする大学教授の<天知>が、探偵役として登場、三姉妹のパーティーも終わりとする宣言を行いながらも、一年後関係者だけが集まり、再度昨年ホテル内で起こった出来事を振り返るのですが・・・。

三人称多視点で語られ、そのあいまに映画の描写場面が挟み込まれる展開で、なんとも複雑な時間軸で構成された作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『懐郷』熊谷達也(新潮文庫)

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『懐郷』熊谷達也(新潮文庫)
本書には7つの短篇が納められており、タイトルの『懐郷』は、ノスタルジーを感じさせる言葉ですが、時代に翻弄されながらも、力強く生き抜いている7人の女性たちの人世が反映されています。

各短篇の背景は1960年代、昭和30年代後半を背景に、東京オリンピックを迎えるべく日本全体が右肩上がりの世相の中で、東北を中心とする社会背景が見事に描かれていました。

島で海女として生きる<妙子>は、連れ子の娘<啓子>と共に再婚相手の<聡介>の元に嫁ぎますが、仕事中に命綱が絡む事故に遭遇しますが亡くなった先妻<琴子>の力なのか、海で生きる女の連帯感とたくましさを描き、三宅島経由で物販が運ばれてくる御蔵島にたくましく住む<オヨネン婆>75歳、都会から田舎に引っ越した<小夜子>の野狐を通じての心の変化、膝を炒めている<敦子>は、再起をかけて出羽三山の登山に挑戦、仙台市のX橋でアメリカ兵を相手に春を売る<淑子>、集団就職をさせた中学生の教え子<聡>を心配して、岩手県から東京に出てくる教師の<貴子>等、ひたむきに生きる彼女たちの生き様が心に響く一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『カツ丼の道 素人包丁記2』嵐山光三郎(ランダムハウス講談社)

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『カツ丼の道 素人包丁記2』嵐...
16の章からなる料理のエッセイ集ですが、みずからの料理を通して「料理は暴力である」といわしめ、あくなき探究と好奇心と、どうしようもない飢餓心でもって書かれているのに、驚かされます。

単行本としての刊行は1992年(講談社文庫)ですが、料理全般の知識と 歴史を知る上では何の弊害も感じませんでした。

著者自身が出版関係の会社に勤めており、その関係でかかわってきた人間関係も理解でき、B級グルメとしての雑学としても楽しめる一冊でした。

ちなみに表紙のデザインはイラストレターの<安西水丸>で、著者が『太陽』の編集長を務めていたときに、デザイナーからイラストレターへの転身を進めた経緯があります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ナラタージュ』島本理生(角川文庫)

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『ナラタージュ』島本理生(角川...
結婚を決めた<工藤泉>は結婚相手のかたわらで昔の恋人のことを思い出し回想していた。高校卒業式の日、演劇部顧問の<葉山貴司>先生とのある出来事が起きて以来、<泉>の気持ちはずっと同じ場所にあった。大学二年生の春、泉は母校の演劇部の練習にOBとして参加することになり、<葉山>先生と久々に再会する。

高校生だった<泉>は、<葉山>先生のことが好きで、少しでも力になりたいと思っていた。また、<葉山>先生は<泉>を必要としていた。再会した二人が、互いに惹かれ合う気持ちを再認識すると、静かに抑制していたはずの感情が、再び熱くうずき始める。

「お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある」「無理だ、僕にはできない」

<葉山>先生はある事情を抱えていて、どれだけ互いに求め合っても、決して結ばれることはない。それでも、一度蘇った情熱は、許される限り近くにいたい、力になりたい、触れたい、愛したい、と二人を突き動かすのだが。

「ナラタージュ」とは、映画の回想シーンで多く用いられる、語りによって物語が展開していく手法のことをいみします。登場人物のキャラクターや心情、情景が丁寧に描写されていて、本書の世界に深くはまり、自分の中にある熱いものが呼び覚まされていきます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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地下の古書店街@メトロこうべ中間通路

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地下の古書店街@メトロこうべ中...
高速神戸駅と新開地駅は、地下街でつながっています。歩いて500メートルばかりでしょうか、その地下街の通りに面して、古書店が3軒ならんで営業されています。

神戸に出ました時には、必ず寄る場所です。
一般書籍をはじめとして、漫画本やアダルトビデオなんかも多くありますが、なんといっても100円均一、200円均一といった低価格なのがありがたいです。

新開地・福原と大衆娯楽が背景にある場所柄ですので、何千円もする専門書が100円均一に入っていたりするので、わたしなどは嬉々として購入させて頂いております。

反面、司馬遼太郎や山本周五郎、柴田錬三郎といった歴史物の文庫本が200円均一といった具合で、売れ筋は高価格(それでも安い?)です。
書籍自身の定価とは関係なく、売れるものは高く、売れないものは安くという法則が生きているのがうれしいですね。

店を構えて販売している多くの古書店は、売れなくても定価を基準とした値段設定が多いように思えますから。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『届かぬ想い』蘇部健一(講談社文庫)

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『届かぬ想い』蘇部健一(講談社...
製薬会社に勤める30歳<小早川嗣利>は、運命の赤い糸を感じて4歳年上の<広子>と結婚しましたが、9歳の娘<美香>が誘拐され、悲観した<広子>は自殺してしまいます。

心の傷が癒されたころ会社の飲み会で、大卒入社の<安永百合子>と知り合い、再婚しますが、産まれた娘<利恵>は難病で余命半年と医者に言われてしまいます。

<百合子>は、タイムマシンを発明した<霧島博士>を呼び、<小早川>を30年後の世界に行かせて、開発されているだろう難病の薬を入手してきます。
その際<小早川>は、足の悪い女性を助けたことがきっかけとなり、彼女に心を寄せ始めます。

「タイム・パラドックス」の問題に触れながら、一途な純愛が導く親子の血の関係が交錯、複雑なタイムミステリーが楽しめる一冊です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『写楽・考』北森鴻(新潮社文庫)

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『写楽・考』北森鴻(新潮社文庫...
東敬大学助教授として民俗学を教える美人の<蓮丈那智>を主人公とする<蓮丈那智フィールドファイル>シリーズの三冊目が本書です。

彼女は異端の民俗学者と呼ばれ、フィールドワークの先々でトラブルに巻き込まれますがが、見事な推理で事件を解決していきます。

研究室助手の<内藤三國>の目線で書かれ、同じ助手の<佐江由美子>共々<蓮丈>の調査先である日本各地へメールで呼び出されては、過去の民俗学の現象とつながる現在の事件にかかわっていきます。

本書には表題作を含めて4篇が収録されていますが、『写楽・考』では著者の作品でお馴染みの「旗師」の <宇佐美陶子> が登場、美術界と絡めて面白くまとめていました。

どの作品も、現在の日本における民俗学の位置づけの目線がしっかりとしていて、あらたに登場した狐目の教務主任<高杉康文>が、いい脇役として登場していました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『隠蔽捜査』今野敏(新潮文庫)

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『隠蔽捜査』今野敏(新潮文庫)
著者には、台場をはじめとする海岸地域を管轄する警視庁東京湾臨海警察署を舞台とする、安積警部補率いる刑事強行犯係の活躍を描く<安積斑シリーズ>がありますが、今回新しく<竜崎伸也>を主人公に据えてのシリーズが始まりました。

<竜崎伸也>は独特の信念とキャリアとしての矜持を持つ警察庁の官僚。ある時、暴力団員の殺人事件が発生。10年前の少年犯罪が関わっていたことを知った<竜崎>はその対応の遅さに怒り、同じくキャリア官僚で小学校からの同級生である警視庁刑事部長で本事案の捜査本部長を務めている<伊丹俊太郎>や刑事局に詰め寄るが、暴力団の抗争が原因だからそんなに慌てることはないと取り合ってくれません。

しかし次々と起こる殺人事件に方針を変更、捜査のやり直しの過程で警察官が殺人に関わっているのではないかという疑念を抱きはじめます。そんな中、息子の<邦彦>が薬物を使用していることを知り、仕事と家庭の問題の中、捜査に携わっていきます。

本書で、第27回吉川英治文学新人賞を受賞しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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