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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『探偵ザンティピーの休暇』小路幸也(幻冬舎文庫)

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『探偵ザンティピーの休暇』小路...
主人公の<ザンティピー>は38歳、ニューヨークのマンハッタンで探偵稼業をしている元警官で、語学が堪能という特技を持っています。

ある日13歳離れた妹<サンディー>から、日本人の<笠島隆一>と結婚して北海道留萌小平にある温泉旅館「ゆーらっくの湯」に嫁いでいる旨の手紙を受け取り、休暇を兼ねて遊びに出向きます。

小平の町には、海岸近くに「オンジョ岩」があり、浜辺は「「御浜(おんはま)」と呼ばれていますが、どちらも足を踏み入れてはいけないという風習がありました。
愛犬<タロー>がこの「御浜」に紛れ込み、追いかけた<サンディー>は<タロー>が人骨を掘り出したのを見てしまいます。

<ザンティピー>は<サンディー>から骨の話を相談され、ひとり捜査を始めていきます。

北海道の片田舎にある伝説的な風習に絡むミステリーですが、<ザンピティー>の<ふうてんの寅さん>口調の台詞が爽快で、楽しめながら読み終えました。
いいキャラクターの<ザンティピー>ですので、続編を望みたいところです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『米朝よもやま噺』桂米朝・語り/市川寿憲・聞き手(朝日文庫)

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『米朝よもやま噺』桂米朝・語り...
本書は、朝日放送(ABCラジオ)で放送されたラジオ番組『米朝よもやま噺』をもとに、編集されており、懐かしい写真も多数挿入されていました。

上方落語界の大御所として、2007年には芸能生活60年を超える三代目<桂米朝>は、1996(平成8)年、落語界から<五代目柳家小さん>に次いで2人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。

長い芸歴を通して、番組の中で自由気ままに語られた芸談集として、懐かしい芸人たちの名前とともに、一門の弟子である<枝雀>や<ざこば>、長男である<小米朝>などの裏話、自ら<八十八>の俳号を持つ俳句の話題など、幅広い分野での味わい深い話が楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『目線』天野節子(幻冬舎文庫)

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『目線』天野節子(幻冬舎文庫)
多くの人物が登場する長編ミステリーですので、それぞれの「目線」から見た物語が展開するのかなと予見を持って読み始めましたが、小説を読み終えて犯人がわかる段階で、ようやく『目線』のタイトルの意味が理解できました。

堂島建設の社長<堂島新之助>が、65歳の誕生日会を自宅で家族揃ってお祝いをするために晩餐の準備が進められているときに、なぜか2階のベランダから転落、警察は自殺として処理します。

初七日を迎えた日、またもや集団就職で山形から一緒に東京に出てきた同郷の<宮本茂>が撲殺され、また同時に次女の<貴和子>も絞殺死体で発見され、<新之助>の運転手<松浦>が謎めいた書置きを残して自殺してしまいます。

当初から<新之助>の事故の状況から他殺ではないかと疑っていた刑事係長<津由木>は部下共々再調査に乗り出しますが、事件は昔の出来事を発端とする堂島家の愛憎劇として悲しい結末を迎えます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『聯愁殺』西澤保彦(中公文庫)

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『聯愁殺』西澤保彦(中公文庫)
28歳のOL<一礼比梢絵>が、自宅マンションの扉を開けたとき、後から暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負いますが、運よく相手の武器である鉄アレイで反撃、一命を取り留めます。

その際<梢絵>は、相手のポケットから中学校の生徒手帳を掴み出していました。

その生徒手帳には、同じ手口で殺されていた3人の名前と<梢絵>の名前が記入されていて、連続無差別殺人事件の犯人として高校1年生の<口羽公彦>が浮かび上がりますが、行方を掴むことはできません。

事件の捜査を担当した<双侶澄樹>は、事件が起こった4年後の大晦日の日に、ミステリー作家や元刑事などのメンバーが集まる<恋謎会(れんめいかい)>のメンバー5名とともに、<梢絵>を招待して事件の推理ゲームを始めます。

メンバー5名がそれぞれ自分の推理を展開していきますが、結論は出ません。
この5人の推理場面は、わたしとしてはダラダラとした展開で読むのに疲れました。
確かに事件の真相は意外な方向でしたが、登場人物は限られてきますので、当然読者としては犯人が誰かとの予測ができてしまい、ダークな終わり方は好き嫌いがありそうです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『今朝の春』<みをつくし料理帖>髙田郁(ハルキ文庫)

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『今朝の春』<みをつくし料理帖...
女料理人<澪>を主人公とする<みをつくし料理帖>シリーズも、 『想い雲』 に次いで第四巻目になりました。

どのシリーズも4話の話で構成されており、四季の移ろいと共に<澪>の旬の料理が楽しめます。

店の常連客の戯作者<清右衛門>が、吉原遊郭の<あさひ太夫>の題材にした戯作を書くということで、隠密に翁屋に出向きますが、<あさひ太夫(野江)>と幼馴染の<澪>は、店内で行われる版元の「坂村堂」との会話が気が気でありません。

両替商伊勢屋の娘<美緒>の大奥への奉公の噺、<おりょう>の大工の亭主<伊佐三>の浮気話、料亭「登龍桜」との料理対決、身分違いの武士<小松原>への淡い恋心等、本書も神無月から節分までの季節を通し、<澪>の料理人としての成長が見事に描かれていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『京都紫野菓匠の殺人』柏木圭一郎(小学館文庫)

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『京都紫野菓匠の殺人』柏木圭一...
前作の 『京都「龍馬逍遥」憂愁の殺人』 に次ぐ、<名探偵・星井裕の事件簿>シリーズとして本書が第9作目です。

今回写真家の<星井裕>は、雑誌『ラ・ポンテ』の和菓子特集で、京都の老舗和菓子屋「若狭屋源月」を訪問、先代の<島尾源衛門>が亡くなったばかりで息子の<源太>が跡を継ぎ、その嫁<加代>が「和スイーツコンテスト」に優勝、新しいビルを建て変換を計りつつありました。

そんな矢先、<源衛門>と兄弟弟子の「五条梅林堂」の主人<柳裕之>が境内で首つり状態の不審な死を遂げ、その後<加代>までが新築ビルの3階から転落死で亡くなります。

京都の和菓子の老舗を舞台に、元妻の京都府警の刑事<安西美雪>とのコンビで、今回もグルメな話題が楽しめ、<星井裕>の名推理が冴えておりました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『トラや』南木佳士(文春文庫)

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『トラや』南木佳士(文春文庫)
1990年、著者38歳の時に発病した「パニック障害」で総合病院の病棟責任者の職を解かれ、その後「うつ病」と診断された内科医の自伝的小説が『トラや』です。
主人公は「わたし」や「僕」といった主語を使うことなく、切々とした文章で心の動きを表現するという文体が印象的でした。

病院の近くの社宅に住んでいた時に、野良猫が5匹の子猫と共に庭に訪問、その後母猫は消え、残された2匹を<トラ>と<シロ>として、息子たちが小学校3年生と1年生のときに飼いはじめ、<シロ>は途中でいなくなってしまいます。

「うつ病」のため診察業務は午前中だけ、昼からは自ら精神科の受診を続けていく生活のなかで、主人公はいつまで病院勤務ができるかわからず、社宅を出て一戸建を建設、<トラ>のために猫の玄関まで作りつけました。

父親や親せきが亡くなるなか、著者自身も「老い」というものを肌で感じながら、<トラ>と共の15年間の生活が、愛情をこめて見事に描かれていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『三面記事』角田光代(文春文庫)

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『三面記事』角田光代(文春文庫...
冒頭には、<この小説は実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる>と書かれています。

本書には6編の短篇が収められていますが、タイトル通り身近な事件や出来事が掲載されている新聞の三面記事をもとに、著者は自分の事件として大胆な想像力でそれぞれのストーリーを独自の目線で組み立てています。

同僚の教師を殺して自宅に埋めていた男は、区画整理のため26年ぶりに警察に自首する話し、メールで交際相手の妻へ嫌がらせを依頼する依頼人、自分の息子と同じ16歳の高校生に溺れる38歳の主婦、妹に嫉妬して最後は刺殺してしまう姉、年老いたアルツハイマーの母を絞殺してしまう息子の苦悩等、日常的に起こり得る人間社会の縮図が、詰め込まれた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『逸脱』堂場瞬一(角川書店)

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『逸脱』堂場瞬一(角川書店)
10年前の未解決の事件に使われた同じナイフで、殺す手段は絞殺・刺殺・銃殺と違えども、最終的に首に刺す形の3人目の死体が公園で発見されます。

捜査一課の<沢村慶司>は、事件の所轄の中出署の生活安全課の<長沢初美>と組みながら、事件の捜査を進めていきますが、自分の意見を持たない風見鶏的な<西浦>管理官と反りが合わず、一人で事件の捜査を続けていく過程で、元刑事の<鬼塚周平>が犯人ではないかと目星を付けます。
彼は、ずば抜けた能力で刑事の仕事をこなしていましたが、自分の捜査方針と違うことで上司とやり合い、7ヶ月前に警察を首になっていました。

<沢村>は<鬼塚>の思考過程を情報統計官<橋詰真之>の力を借り、最終的に警察の上司を狙うのではと予測、前本部長や署長の狙撃を阻止しますが、反対に<沢村>自身が狙われえる羽目に陥ってしまいます。

自分の判断ミスで過去の事件で少女を死なせてしまった経験を持つ<沢村>ですが、この事件を契機に「最高の刑事になる」ことを目標に猪突猛進に突き進んでゆく姿は、危なくもありまた骨太な警察小説に仕上がっています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『死相鳥とキッチンガーデン』岩井志麻子(光文社文庫)

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『死相鳥とキッチンガーデン』岩...
子供の頃から「始祖鳥」をなぜか嫌っている主人公<ナオミ>は33歳です。
一度結婚していますがすぐに離婚、風俗業やキャバクラの水商売で生計を立て、ここ最近は貯えていた貯金で世捨て人の生活をしています。

<ナオミ>は霊感が強いのか幽霊が付きまとい、「始祖鳥」ならぬ「死相鳥」に恐怖を覚え、「キッチンガーデン」は幸せの家庭の象徴と考えています。

ある日入店したタイ料理のお店に飾られていた半身が人間の形をした「ガルーダ」という鳥に興味を持ち、バンコクに旅立ちます。

<ナオミ>の目線で人生が語られ、「東京・バンコク・タイ・故郷」と壮絶な経験を通しての投げやり的な生き方が、妙に納得できる内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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