「なんで学校にいかなきゃなんないの?」
すべての人が何度も考えたことがあると思います。
きっと何度も何度も。
「義務教育だから行きなさい」
「勉強しなきゃいい大学に入れないよ」
「子供は学校に行くものよ」
大人は何か答えてくれるけど、ああそうか、って、すんなり納得できる答えには、なかなかめぐりあえません。
自分でも振り返ってみると、学校で習ったことがそのまま役に立っていることは少なくて、役に立っているのは、簡単な算数、比例計算、速度・距離・時間の計算ぐらいです。
あとは英語。これはもっと勉強しておいたらよかったと思います。
星占いためにうお座からの星の配列。
高気圧と低気圧の風の向き。
家庭科で習った裁縫。
これぐらいです。
漢文、地理・歴史、関数、インテグラル、フレミングの法則、倫理、政経、、、
全く使っていません。たぶんこれからもいりません。
だけど、何十年か生きてきて、「ああ、そうか」ってわかったことがあります。もちろん、人によって答えは違うだろうけど、自分はすんなり受け入れることができた答えです。
「なんで学校にいかなきゃなんないの?」
それは、
自分が「オーディションの審査員になるため」です。
「見本市に行くため」、です。
大人になると、働かなければなりません。お金を手に入れるためです。
食べ物を買うのも、洋服を買うのも、おうちに住むのも、お金が必要です。
お金をくれる人なんていません。自分で働いて手に入れなければなりません。
自分で働く、ということは、何か仕事をする、ということです。
じゃあ、「明日から工場で働いて」とか、「魚を取ってきて」とか、「おうちを作って」とか、「お医者さんになって」とか、急に言われても困ると思います。好き嫌いもあるし、向き不向きだってあります。
だから、
「自分が興味ある事の延長には、こういった仕事があるよ」、とか、
「こういった仕事がしたいんだったら、こんな知識や感が方がいるんだよ」
「へえ、こういった考え方があるんだ」っていうことを
気づき、知っておく必要があります。
それらを知るためには時間がいります。1年や2年では無理です。何年間も必要です。だって、いろいろあって、多いので。
それと、その知識や考え方を知っている人、経験したことがある人たちから教えてもらう必要があります。
そこで、学校の出番です。
学校は、学問を分類して、いろいろなことを教えてくれます。
初歩の初歩のところから、だんだん複雑なことを教えてくれます。
そのうち、自分は「この内容に興味があるな」、とか、「この学問は面白いな」、とかいうことがわかってきます。いつわかるかは、人によって違います。2,3年もすれば気づく人もいるし、9年10年かかっても、気づかない人もいます。
それは人それぞれ。いつ気づくのかは、まったく気にしなくてもいいと思います。
それがわかってきたら、自分の将来の職業を決める手掛かりにすればいいと思います。
ここでひとつポイント。
先生の印象で、その教科が好きになったり嫌いになったりすることが、ものすごく多くあります。算数の先生の人柄が、算数そのものの印象になったりします。口うるさい先生が理科を教えているので、理科そのものがきらいだ、なんて思ったりします。
ここはちょっと、がまん。
どんな先生にあたるのかは、運、です。あなたは先生を選ぶことはできません。くじ引きと思ってください。
先生が嫌いでも、その教科を同じように嫌いにならないようにしましょう。
先生は、その教科や分野に、自分自身を入れるための「門番」や「審査員」ではありません。先生は、あくまでもその教科や分野を、あなたに紹介するためにいます。いわば「司会の人」です。
または、イベント会場やショッピングモールの入り口にいる、「呼び込みの人」。
あるいは、メーカーが商品を紹介するための、「キャンペーンガール」「キャンペーンボーイ」。
先生はそんな役割の人です。
先生のほとんどは、その分野で就職したことはありません。
理科の先生がみんな科学者だったわけではありません。
だけど、その分野の勉強をして知識と情報を持っています。
これをあなたのために活用しましょう。
先生は、あなたを、この分野に入れるかどうか、〇×をつける人ではありません。
だから、先生の人柄は無視して、その教科や分野に注目しましょう。
授業がつまらないとか、先生の話がたいくつ、眠たい、叱られそうでびくびく。
そんなことは、先生の授業の演出がうまいか下手か、っというだけにしかすぎません。
そういった、「雰囲気」のようなことに騙されずに、教科の内容そのものをしっかり注目してみましょう。
たくさんの教科を経験していくうちに、なんとなく、自分が興味ある事がわかったり、
このことを生かした仕事ができたらいいな、っていうことが見えてきます。その中から、自分の将来を決めたらいいのです。見えてこなかったら、まだ、わからない、っていうことです。ただそれだけのことなのです。
そう、つまり、あなたは、あなたの人生を決めるために、学校で習ういろいろなことを審査して、オーディションにかけているのです。
学校はそのためにあります。
社会生活の経験、ということもあるかも。友達を作るため、っていうこともあるかも。それも大事かもしれません。
でもそれは、あまり気にしなくてもいいです。これにこだわりすぎたり期待しすぎたりすると、楽しいことばかりじゃないので、つらくなりますし、あなたの審査、オーディションの場所で起きる「ついでのできごと」なので、メインのことではありません。
自分が将来お金を稼ぐために、あなたが審査員として行くところが学校ってもんだ、って考えておくといいと思います。
将来結婚して家庭に入るのだとしても、人によっては働く年数があるでしょうし、結婚した相手の仕事を理解するためにもいいかもって思います。
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こどもたちへ、若い人たちへ。