今年度の第146回下半期の芥川龍之介賞を、受賞した『共喰い』です。
受賞インタビューで話題を提供した著者のようですが、特段作品を読みたいとは思いませんでした。
「どこがいいのか、よくわからん」という知人の声に押されて、本を拝借しました。
家々の汚水が流れ込むドロドロとした川辺を中心に、主人公が父と愛人の琴子と住む家があり、別れた母の仁子の魚屋があり、売春婦が住むアパートがあります。
17歳の主人公遠馬は、女とあれば見境なく性欲の対象とみなし、性交時には相手に暴力を振るう父を毛嫌いながら、自分も父と同じサディスティクな性欲があるのではと感じつつ、一つ年上の千種と関係を持ち続けます。
この千種を、父は祭りの日に犯してしまい、それをきっかけに別れた母の仁子が、父親を殺してしまうという荒筋です。
読み終えて、わたしも「どこがいいのか、わからん」と感じました。
権威ある作家さん達の選考ですので、私の読解力が足りないと思いますが、ギリシャ神話の焼き直しを感じさせる筋立てに魅力は感じませんでした。
また、主人公が千種と行う性交描写も意味があるように思えず、父に犯されたあとあっけらかんと主人公と向き合う千種の態度が、これまた納得がいきません。
残念ながら、受賞するほどの力量を感じさせる作品だとは、思えませんでした。
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Posted at 2012-03-23 05:34
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Posted at 2012-03-24 01:07
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Posted at 2012-03-28 16:50
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Posted at 2012-03-29 02:00
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