今年の読書(78)『どこから行っても遠い町』川上弘美(新潮文庫)
Jun
23
主な舞台となるのは、平蔵さんと源二さんが営んでいる魚屋「魚春」と、67歳の高野あけみが雇われている「ロマン」というお店です。
11篇の短篇が、この商店街の人間関係を中心として話しが進みますが、すべてどこかで登場人物が関連してゆき、人生の綾を感じさせながら、「なるほど」という最終章に引きこまれました。
どんでん返しや、大きな山場があるわけでもありません。市井のなにげない家庭や男と女の機微が、たんたんと描かれてゆく文章に吸いこまれ、まさに川上ワールドの虜になること間違いなしの一冊だと思います。
Posted at 2012-06-23 13:33
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Posted at 2012-06-24 01:15
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