スウェーデンのミステリー大賞を1998年に受賞した作品ですが、一般の謎解き小説とはまったく趣きが違う作品の構成で、集英社文庫から昨年の7月に刊行されています。
俗に言うフラッシュバックの手法で話しが進みますが、過去と現在という分かりやすい構成ではなく、数多い出来事が時系列関係なく展開されてゆきますので、読み手はどこに話が落ち着くのかと不安になりながら、それでも小気味のよい描写が続きますので、ついつい読み進めてしまう内容でした。
ストックホルム郊外に、少女時代に継母や同級生にいじめられた<ジュスティーヌ>は、過去を閉じ込めたかのようにひっそりとペットの鳥と一人住まいをしており、ホテルマンとの恋が進行しています。
ミステリーですので、細かい内容が書けないのが残念ですが、虐待を受けてきた少女から大人への過程で、悪意と復讐が哀しいほど怖いサスペンスです。
副題には(悪女ジュスティーヌⅠ)とあり、また作品名の『グッドナイト マイ・ダーリン』も文中に出てくるのですが、スウェーデン作家のインゲル・フリマンソンがあえて英語表記をしているのは、これまた哀しい意味合いが含まれています。
<ジュスティーヌ>が主役の二作目、『シャドー・イン・ザ・ウォーター』(悪女ジュスティーヌⅡ)も、スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀長編賞を2005年に受賞しており、女性作家で二度の受賞は今のところ彼女だけだそうです。
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Posted at 2012-09-27 17:21
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Posted at 2012-09-28 02:32
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Posted at 2012-09-29 23:37
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Posted at 2012-09-30 08:56
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