著者の前作 『償い』 に次ぐ(幻冬舎文庫)として2冊目です。
アメリカに渡り生活苦のために自分の卵子を売った<朝倉木綿子>は、自分が癌に罹り子供の産めない体になったとき、16歳になろうかという子供を探偵により見つけ出します。
おりしも見つけ出した<柏木恵哉>は、一家4人殺害事件の容疑者として警察が出向いたときに窓から逃げ出し、マンションの屋上から飛び降り自殺をしてしまいます。
<木綿子>は<恵哉>が真犯人とは思えず、育ての親<絹恵>から交友関係の情報を聞きだし、同じく探偵を雇い自らも事件の真相を探り始めます。
現代医学のもたらす卵子や精子の提供者と、「氏より育ち」といわれる育ての親の問題を、ミステリー仕立てでの問題提議だと感じさせる一冊でした。
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