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今年の読書(34)『彼女の倖せを祈れない』浦賀和宏(幻冬舎文庫)

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今年の読書(34)『彼女の倖せ...
『彼女の血が溶けてゆく』 ・ 『彼女のため生まれた』 に次ぐ第3巻目として、ルポライター<桑原銀次郎>を主人公とするシリーズです。

『週刊標榜』の取材記者<銀次郎>は、ルポライター仲間の<青葉>が日比谷公園で刺殺死体で発見されたのを知り、彼の住居に来てみますと「東都新聞」の政治記者が取材に来ているのに驚き、どうやら<青葉>は政治がらみの特ダネを追っていたことをつかみます。

<青葉>の残されたデジカメの最後の写真が、アメリカコミックの女スパイのコスプレ写真であることを手掛かりに、<銀次郎>は写っている”女”を探すべく秋葉原やコスプレに詳しい高校の同級生<阿部>の協力を得て、ようやくアダルトショップで購入者の目星を付けるのですが、<阿部>のマンションの部屋で突然<銀次郎>は彼に腹を刺されてしまいます。

主人公が物語の途中で突然死んでしまうのかという驚きの場面から、本書は保守党の二代目議員の兄<天野兼人>を中心に、親のすねかじりの生活のなか自由奔放に”女”遊びをする<兼人>の行状が展開、思わぬ事件の真相に読者を引きずり込みます。

一応ミステリーの範疇の小説ゆえ、ネタばれになりますので肝心の面白い部分が書けないのが歯がゆいのですが、読み終りますとタイトルの意味合いが納得できる内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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