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主人公<ジェイミー>は、ニュージャージー州グロリアの小さな町の女性刑事で29歳です。
イタリア系の家系に育ち、30歳までには結婚をと上司の<ロッド>と婚約中ですが、なかなか式を挙げる決心が付きません。
クリスマスを目前に控え、高校時代の同級生<ベン>が火事により亡くなり、<ロッド>は事故死として扱うのですが、<ジェイミー>はそれが、高校生時代に仲間と結成した<殺人倶楽部>で書いていた数々の殺人事件を模倣した方法だと気づきます。
その後、各メンバーが思い付いた方法で殺されていく連続殺人事件が起こり、事故ではないと言い張る<ジェイミー>は一度捜査から外されてしまいますが、署長も<ロッド>も連続して起こる事件のつながりに気付き始めます。
住民みんなが顔見知りのような小さな町での殺人事件を、24ある各章は登場人物たちの名前のタイトルが付けられ、11年前の高校生活と複雑な人間関係を絡ませて描く手法は、面白く楽しめました。
帯に書かれていた<2004年度宝島社『このミステリーがすごい』(海外編)1位>煮間が止まり、少し前の作品ですが、最近は海外作品を読む機会が少ないと感じていましたので早速読みだしました。
「上下」2冊の構成で、各2部ずつに分かれて計4部構成ですが、各部ごとに物語はめまぐるしく替わり、1位となるのも「なるほど」とおもわせる内容でした。
19世紀のロンドンを舞台とする歴史ミステリーで、17歳になる<スー>は下町でスリを生業として暮らしています。
ある日通称<紳士>と呼ばれる詐欺師の<リチャード>が、<スー>と同い年の金持ちの令嬢<モード>と結婚してその財産をそっくり奪い取るために<スー>に侍女として、ロンドンから遠く離れた「ブライア(荊)城」に出向く計画を持ちかけ、<スー>は<紳士>と<モード>の仲を取り持ち始めるのですが・・・。
二転三転とどんでん返しが起こり、結末が見えないまま、読者を最後まで引き付ける力を持った内容で、ロンドンの街をうまく舞台として組み入れていると感心しながら読み終えました。
前回読みました 『飛蝗の農場』 は、小さな活字(創元推理文庫)で500ページを超す大作でしたので、息抜きに選んだのが本書です。
副題に「S力(エスりき)人情商店街2」とありますように、 『茶子と三人の男子たち』 につぐシリーズ2冊目にあたります。
塩力商店街を舞台に、それぞれのお店の二代目である中学1年生の4人は、塩力神社から与えられた超能力を使い、商店街の危機に乗りだしてゆく物語ですが、今回は商店街に「スーパー」ができる問題に対処しなければならなくなりました。
当初聞いていた内容では、既設の商店と競合しない商品を販売すると言う説明でしたが、開店してみるとなんと<壱百A>という名高い100均のお店でした。
布団店の<千原先輩>も4人組の「SSB(塩力商店街防衛隊)」に加わる中、今後の展開は(つづく)で終わり、第3巻目を読まなければいけないようです。
2002年3月刊行と、少しばかり古いのですが、昆虫好きとして「飛蝗(ハッタ)」というタイトルが気になり読んでみました。
ヨークシャの荒れ野で農場を営む<キャロル>のところへ、大雨の夜に一晩泊めてくれと乞う男<スティーヴン>が現れましたが、彼女は断ってしまいます。
翌朝納屋で勝手に一晩過ごした彼を見つけた<キャロル>は、思わず散弾銃で彼を撃ってしまいますが、もと看護師としての経験を生かし、回復まで彼の面倒を見ることになります。
<スティーブン>は過去の記憶がないと<キャロル>にいい、嘘か真実かと心の揺れ動く中、次第に彼に愛情を感じ始めます。
この農場での出来事と並行して、田舎町で平穏な暮らしをしている<ナイジェル>、車の修理工<ポール>、「汚水溝の渉猟者」と名乗る人物からの匿名の手紙などが、二人の生活の各場面に挿入され、読者は最後にその伏線がわかり、一気にクライマックスへと引きずり込まれ、異常心理としての<サイコロジカル・スリラー>のだいご味が味わえました。
主人公は、『週刊時代』の敏腕編集長の<カワバタ>41歳です。
芸能界とのつながりもあり、若いタレントの<リコ>や、同僚の妻との情事を楽しみながら、妻<ミオ>は東大の教授、郊外の一戸建てに娘<ナオ>と一緒に住んでいますが、過去に生後3か月の息子を亡くした心の傷を抱えています。
2年前に胃がんの手術を受け、マスコミという情報社会の中に身を置くが故、息子への責任感と共に、人生に対する考察が複雑に頭の中をかけ廻り始めます。
上下に冊の文庫本ですが、(上)の段階では、導入される、おそらくは仕事柄<カワバタ>が読んでいるであろう書物の引用などが続き、どのような方向に進むのかの疑問を持ちましたが、複雑な人間関係が清算されるラスト一行は、さすが第22回山本周五郎賞受賞作品だと感じさせる終わり方でした。
宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』をもじったタイトルに目が行き、手に取りますと元々の刊行は1993(平成5)年ですが、2010(平成22)年に文庫本化されているのに驚きました。
著者のことは全く知りませんでしたが、「因果者」・「電波系」・「ゴミ屋敷」などといったキーワードを作りだし、悪趣味系のサブカルチャーへ与えた影響は大きい人物のようで、漫画家・エッセイストとして活躍されているようです。
目次を眺めていますと 「奥崎謙三先生」 とのタイトルも見られ、面白そうで読んでみました。
いやぁ~、著者を取り巻く交友関係・仕事関係を絡めて、下品・野卑・自分勝手・暴力的・策略等がうごめく内容で、ここまで暴露するかという内容が満載なのですが、赤裸々に綴られた究極の半自叙伝で笑えました。
埼玉県警本庄中央署を舞台とし、東京にも群馬にも近い地域の特性を生かした物語でした。
主人公は捜査一課に所属している警部補<須貝>、41歳で建売住宅に妻と子供がいるごく平凡な男ですが、交通課に勤務する27歳の<沙和子>と不倫関係を持ち、また身内意識の強い警察組織の一員としての行動も忘れてはいません。
ある日後輩から「結婚したい女ができた」と持ちかけられたあと、自宅で首を吊っているのが発見され、その二日後河原で風俗ライターの死体が見つかるところから、<須貝>は二つの不審死に疑問を持ち、<女A>まで辿りつくのですが・・・。
反面寂れた焼き肉屋「竹林(トリム)」に勤める<良男>の日常が<須貝>の捜査と交互に描きこまれ、やがて二つの舞台が交差するところに、タイトル『刑事さん、さよなら』の意味が分かり、読者に驚愕の印象を残す美しくも悲しき愛の物語でした。
前作 『プラ・バロック』 で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作品に次ぐ2作目で、機動捜査隊所属の女性刑事<黒葉祐(クロハユウ)>が主人公です。
今回は動画投稿サイトに「回線状の死」とのタイトルで、4人の男女がそれぞれ残酷な方法で殺される場面が映し出され、本物かいたずらかを調べるために<クロハ>は、3日という期限での捜査を命じられます。
序盤から犯人との追撃戦が繰り広げられる中、並行して相棒の刑事との確執、亡くなった姉の子供の親権を義兄と争う心の逃走などの伏線が絡み合い、<クロハ>の心境を読者は感じ取りながら物語が進んでいきます。
心の癒しとしてのネットの「バーチャルゲーム」の存在も、<クロハ>にとっては前作と同様に重要な位置を占め、現代性を持たせた意味合いが大きな存在として絡んでいます。
(前作と同様に表紙に「アゲハ」が飛んでいますが、<クロハ>のハンドルネームです)
この一冊には、4編の作品が収められていますが、一話ごとにも楽しめる内容ですが、順次内容がリンクしていく構成で、楽しめました。
第一話の『「死亡フラグが立ちましたずっと前』は、高校生時代の<陣内>と<本宮>を中心とする人類滅亡物語で、第二話は<狩猟者>がどこまでも追いかけてくる表題の『死亡フラグが立つ前に』、そして『キルキルカンパニー』 ・<陣内>が雑誌記者として勤めている会社を舞台とする 『ドS編集長のただならぬ婚活』が最終章です。
小気味良いテンポの文章で、奇想天外な物語を読ませる構成は正にエンターティナメントです。
前作の 『殺戮ガール』 を読み終えたときには中途半端さが残りましたが、この一冊の中に前作の伏線が生かされており、「なるほど」と感心してしまいました。
本書は、昨年の12月14日、松竹・北國新聞社共同制作として公開された映画『武士の献立』のノベライズ作品です。
6代目の加賀藩主<前田吉徳>の側室<お貞の方>に使える女中の<春>は、江戸の有名な料亭の娘で、料理の手ほどきを小さい頃から仕込まれていました。
一度は商家に嫁いだ<春>ですが、気の強さが災いして一年ばかりで出戻ってきます。
そんな折、加賀藩江戸屋敷の料理方<舟木伝内>に料理の腕を見込まれ、ぜひ息子<安信>の嫁にと懇願されてしまいます。
熱心な<伝内>の口説きに負け、<春>は江戸から金沢へと嫁入りするのですが、4歳年下の<安信>は、「包丁侍」という立場に満足せず、料理には目もくれることなく剣術に励み、これには何かの裏事情あるのではと感じ始めます。
加賀藩のお家騒動を背景に、料理を通して家族や男と女のヒューマンドラマが楽しめる一冊でした。
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