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2015.8.10 3刷
単行本が図書館にないので、最近は、文庫本を借りています。
文庫本は、読み難い。
それでも、面白い作品でした。
日曜日の宵から月曜日の朝にかけて、
物語は夜の闇の中をスリリングに展開して行きます。
私も同じ夜を駆けるように読み進みました。
◇内容◇
その夜―。
関沼慶子は散弾銃を抱え、かつて恋人だった男の披露宴会場に向かっていた。
すべてを終わらせるために。
一方、釣具店勤務の織口邦男は、客の慶子が銃を持っていることを知り、
今晩中に銃を奪い「人に言えぬ目的」を果たすために。
それを阻止しようと佐倉修治は追いかけていく。
いくつもの運命が、一夜の高速道路を疾走する。
読後は、しっくりこない。
↓
文中より…「我々は、被害者同士で殺し合い、傷つけあったような気がしますね」
味わいのある単行本
本は、単行本でなくては読んだ気がしません
1992/9
検索していたら、未だ読んでいない本が見つかりました。
図書館では、閉架になっていたので、本自体に味わいがあります。
作品自体は、『模倣犯』に似ていて、こう着地したのかと感じました。
事件に絡む人々の財布が事件を語るおはなしでした。
それぞれの財布たちが愛おしい作品です。
◇内容◇
轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。
被害者は森元隆一。
事情聴取を始めた刑事は、森元の妻・法子に不審を持つ。
隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。
しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが…。
刑事の財布、強請屋の財布、少年の財布、探偵の財布、目撃者の財布、
死者の財布、旧友の財布、証人の財布、部下の財布、犯人の財布、
エピローグ 再び、刑事の財布。
“十の財布”が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が。
【本】
2020/9/30
今回も愉しめた作品です。
7つのお誕生会のおはなし。
それぞれの日常が繋がっていきます。
自身のお誕生会の時代が蘇りました。
万華鏡・お誕生会が禁止された小学校
サプライズパーティ・姪っ子にサプライズで企画したお誕生会
月の石・母が台無しにしたお誕生会
ビジネスライク・お誕生会好きの会社の上司
ドールハウス・クラスメイトの中国人のお誕生会
あの日から、この日から3.11に祝うお誕生会
刻の花びら・認知症の母が祝ってくれた誕生日
どれも切なくて、それでいて心温まるおはなし。
本の表紙も好きです。
【本】
(2021/4/25)
マカン・マランの作者の新しい本があったので、
題名にも魅かれて借りました。
2020年2月に友人とお茶して以来、長い間外食(外茶)していません。
まだまだカフェへの道も遠そうです。
◇内容◇
老舗の桜山ホテルで働く涼音は、念願叶って
憧れのマーケティング部サービス課アフタヌーンティーチームに配属された。
喜び勇んで、クリスマスアフタヌーンティーの新企画を出したものの、
パティシエ・達也に「目新しければいいってもんでもないから」と
冷たく却下されてしまう。
「最高のアフタヌーンティーって、一体、なんだろう」?
マカン・マランに登場するクリスタさんがソロアフタヌーンティーの鉄人として登場していました。
本文より・・・
◎どれだけ努力をしたところで、結局のところ、人は自分の物差しでしか物事を量れない。
しかし言い換えるなら、この世の中のすべての事物をどう捉えるかは、すべて本人次第ということになる。
◎お菓子はご褒美。
だらしない気持ちで食べてはいけない。
人が生きていくのは苦いもんだ。
だからこそ、甘いものが必要なんだ。
ーーー戦時中の少年時代、上野の地下道で寝起きしていた涼音の祖父の言。
アフタヌーンティーといえば、左京区の紅茶専門店を思い出します。
当分行けそうにないけれど。
早くコロナが終息して、アフタヌーンティーをゆったりと愉しみたいものです。
【本】
2017/2/10
『きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび』に登場した縁飾り(オヤ)。
気になったので図書館で借りました。
眺めているだけで幸せな本です。
どれも可愛らしくて、繊細で、微笑ましい。
作りたいけれど、手先が不器用な私には無理っぽい。
眺めて幸せに浸ります。
【本】
2012/9/12
『マカン・マラン』が面白かったので、同じ作者の本を借りました。
はじめは、なんだかなぁと思いつつ、読み進んでいくと、面白い展開になってきました。
8月に読んだ福澤くんの『そのひと皿にめぐりあうとき』と重なりました。
◇内容◇
全く会ったこともない大伯母(祖母の姉)から、高級住宅街にある古い洋館を遺された雄哉。
しかし蓋を開けてみるとそこは、シェアハウスで、ドロップアウトした人間たちの巣窟だった!?
本文より・・・
「そりゃあ、世間は光の当たっているものや、勢いのあるものしか認めない傾向はあるけどさ。
満ち欠けがあるのが自然なのよ。
人も国も社会も仕事も、恋愛もね。
完璧な状態だけ追い続けてたら、おかしくなっちゃうよ」
【本】
ソフトカバーなのに1600円するのには驚き。
2015.11.25
新聞で目にしたのか? ネットで目にしたのか? 忘れましたが、
面白そうなので図書館で借りました。
それにしても、どこで目にしたのかを忘れるということは
脳に黄色信号が点滅している気がします。
頭の中に薄いベールがかかったような・・・。
商店街を入った路地裏に、深夜にだけひっそりと営業しているカフェがある。
店主は、元超エリートのイケメン、今はドラッグクイーンのシャールさん。
ここには、さまざまな悩みをもつ人が集まってくる。
◎MENU◎
◇「春のキャセロール」
早期退職者候補になった、仕事一筋の40代キャリア女性塔子へ
◇「金のお米パン」
手料理を食べなくなった中学生男子璃久に
◇「世界で一番女王なサラダ」
仕事に夢を見られない、20代のライターさくらへ
◇「大晦日のアドベントスープ」
病を抱え、倒れてしまったシャールへ
彼女に助けられた人々が、素材を持ち込み想いを煮込めた極上スープ
夜食も人々も優しい雰囲気の流れる本でした。
◇本文より◇
心を遊ばせるのがドレスやアクセサリー等の装飾なら、心を育てるのが栄養と愛情がたっぷりつまった美味しい料理だ。
つづきを読みたくなりました。
【本】
1998.6.20
先日、思い出した作家さんの本を久しぶりに借りました。
表紙の装丁がとても好みですが、現在、この表紙では流通されていないようです。
出版社も変わって、幻の装丁になっていました。
◇内容◇
二十二歳のその日まで双子であることを知らずに育ったフローラとローズ。
出会うはずのない二人が偶然、ロンドンのイタリア料理店で出会う。
そして、フローラは知らず知らずのうちにローズの人生に巻き込まれてスコットランドへ
久しぶりに読むイギリス物語に、はじめは、退屈してしまいましたが、
双子が出会う頃から物語が頭に入ってきました。
なるほど、こういう展開になったのか?という、さらっとした物語でした。
現在の私の胸に引っかかったのは・・・ここでした。
「アンガスはすっかり老いこんでいるんだよ、
弱って、わけもよくわからなくなっているんだ。
その年取った彼をぼくらは、彼が生まれ育った土地から根こそぎ引き抜いた。
どんな人間にたいしてにせよ、それは限りなくむごいことだ。
アンガスはボトゥリックで生まれた。彼の父親も祖父もそこの土地を営々と耕してきた。
妻をそこに伴い帰った。彼らの子どもたちもそこで生まれた。
ところが今、彼の生涯の終わり近く、彼がわれわれの役に立たなくなると、
われわれは彼を自分たちの見えないところに、
彼を見てわれわれの胸が痛まないところに送りこんだ。
見知らぬ人々の介護を受けるに任せて」
【本】
2020.10.30
未発表の作品が見つかったとテレビで見て、本を借りました。
久しぶりに読む作品は、なんだか古典のようでした。
読み終わって感じたことは・・・
本人が発表しなかった作品なので、発表しなくてもよかったような気もします。
清書して、発表せず、それでも手元に残していた心境は・・・。
◇内容◇
完成して清書しながらも発表されず、手許に残された「影に対して」。
「理由が何であれ、母を裏切り見棄てた事実には変りはない」
しかし『沈黙』『深い河』などの登場人物が、ついにキリストを棄てられなかったように、
真に母を棄て、母と別れられる者などいない―。
かつて暮した街を訪ね「六日間の旅行」「初恋」
破戒した神父を思い「影法師」
かくれキリシタンの里を歩きながら「母なるもの」
失われた“母”と還るべき場所を求め、長い歳月をかけて執筆されて全七篇。
「人生」を燃焼させようとする烈しい母、「生活」を大事にする父。
二人が離婚した時、幼い息子が強いられた選択は、やがて……。
2020年発見された未発表の中篇小説「影に対して」をはじめ、母を描いた名作を集成。
関連はないのですが、随分以前に読んだ『シェルシーカーズ』を思い出しました。
母が亡くなった後に遺品を整理していたら、古い流行遅れの服が見つかります。
子どもたちは、なぜこんなセンスのない母らしくない服を仕舞っていたのか?
疑問に思いつつ、さっさと処分してしまいます。
母にとってその服は、最愛の人と会ったときに着ていた思い出の服だったのです。
その人の気持ちは、誰にも推し量れないものですね。
【本】
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