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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『時そば』~料理人季蔵捕物控~和田はつ子(ハルキ文庫)

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『時そば』~料理人季蔵捕物控~...
旗本の家臣であった<季蔵>は、許婚の<瑠璃>に横恋慕した主家の長男の策略にはまり武士の身分を捨て、一膳飯屋『塩梅屋』の主人になっています。

廻船問屋長崎屋の<長崎五平>は、<松岡亭玉輔>と呼ばれる元噺家でしたが、これから毎月「噺の会」を行うので、その題目に合わせて客に出す料理を作ってほしいと頼まれます。

本書は古典落語として有名な『目黒のさんんま』・『まんじゅう怖い』・『蛸芝居』・『時そば』の4話をタイトルトして、それぞれ江戸時代の料理の解説がなされ、グルメ書としてもおおいに楽しめますが、町娘<お恵>の結婚話を巡る、祈祷師<黄泉山日之助>と<西村屋>のあくどい陰謀をあばく捕り物語が並行して語られていきます。

市井に生きる町人の日々の食生活を中心に、義理と人情が味わえる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『夜を急ぐ者よ』佐々木譲(ポプラ文庫)

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『夜を急ぐ者よ』佐々木譲(ポプ...
26歳の<原口泰三>は、若い頃に犯した過激テロ行為で裁判所の判決が出る前に出向いた演劇場で偶然、アメリカ留学前の23歳の<岩崎順子>と出会い、一週間日本での想い出作りに行動を共にします。
留学に旅立つ時間は、裁判所の判決が言い渡される後で、無罪なら間に合いましたが、6年の判決が言い渡され、すぐに収監されてしまい空港まで見送りに出向くことはできませんでした。

刑期を終え、社会復帰をした<原口>は就職をはたしますが、すぐに公安が様子見にと顔を出し、次々と職場を首になっていきます。困り果てた彼は、刑務所時代の知人である金融業の社長<中村>を頼り、ボディーガード的な仕事でしのいでいましたが、ある日社長と随行した取引でトラブルが起こり、逃げる立場に追われてしまいます。

逃げ延びてきた沖縄でも追跡者らしき人物と遭遇、台風の影響で身動きが取れず、偶然泊まったホテルにて10年ぶりに<東恩納順子>と名を変えた彼女と再会することになります。

海外逃亡を図る<泰三>の力になろうとする<順子>ですが、運命のいたずらは悲しい結末へと導かれ、またしても二人の交わした約束は叶うことができませんでした
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『虚ろな感覚』北川歩実(創元推理文庫)

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『虚ろな感覚』北川歩実(創元推...
本書には、7篇のサスペンス(ミステリー)が納められていますが、どれも巧妙な語り口の中で、最後に「うっ」とさせられる機微にとんだ内容でした。

著者の長篇の場合、どんでん返しがこれでもかと出てきますが、短篇だとそうもいかずに、読み手として「アア~」というところで納まりますので、安心して読めます。

副題に「コミュニケーション感覚」・「現実感覚」・「肉体感覚」等、七つの「・・・感覚」が付いていますが、どの短篇も著者の感性がコンパクトな形にまとめられ、粒ぞろいの短篇集の一冊だと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『エンブリオ』帚木蓬生(集英社)

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『エンブリオ』帚木蓬生(集英社...
昨日25日、長野県のクリニックで代理出産により我が子を得た女性が記者会見を開いていました。
医学の進歩がどこまで行くのか、あるいはどこまで求めるのか、重い話題を含んでいます。

この会見を見ながら、帚木蓬生氏の『エンブリオ』(2002/7)という小説を思い出しました。

「エンブリオ」というのは、受精後8週までの胚の事です。

主人公は産婦人科医ですが、学会にも所属しておりませんので、医学的な規制を受けることなく、豪華ホテルと見間違いえる病院で、不妊治療に実績をあげている医師です。

彼は、最終的には男性のお腹の中で胎児を育てる実験に手を染めてゆくのです。

新しい命を歓迎すべきなのか、神への冒涜なのか、今後の議論に注目です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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取材中です『神戸ぶらり下町グルメ決定版』

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取材中です『神戸ぶらり下町グル...
本日、私の好きな和食堂【まるさ】にて、このブログの「立ち呑み日々雑感」でお馴染みのMSHIBATAさんに対して、神戸新聞の取材がありました。

今月末には書店に並ぶと思いますが、今回出版の『神戸ぶらり下町グルメ決定版』に関しての取材です。

MSHIBATAさん、昨年度は『神戸立ち呑み八十八カ所巡礼』を出版されていて、私も紹介文をこのブログにコメントしました。

ミシュランも京都・大阪の高級料理店は網羅されているみたいですが、庶民の琴線に触れるいいお店には縁遠い存在だと思います。

人情味あふれるそれぞれのお店、今回の掲載は厳選された199店だそうですが、ぜひ足を運んで皆さんに確かめていただきたいものですね。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『最後の封印』今野敏(徳間文庫)

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『最後の封印』今野敏(徳間文庫...
レトロウイルスに感染した<HIV-4感染第二世代>の「ミュウ」を狩る「ミュウ・ハンター」の元傭兵の<シド・アキヤマ>を主人公として、物語は進みます。

時代設定は近未来でしょうか、人間ではなく悪魔の移り変わりの生物だとされた「ミュウ」を隔離しようとする内閣情報調査室は厚生省を中心に自衛隊メンバーで構成する「特別免疫部隊」を作り、「ミュウ・ハンター」と激突、どちらも「ミュウ」の真意がわからないまま敵意を持って戦う羽目に陥ります。

「ミュウ」は悪魔なのか、特殊な能力を持った新しい人類の姿なのかを舞台として、遺伝学者の<飛田靖子>や、興味を持って取材活動するフリージャーナリスト<デニス・ハワード>達を巻き込み、結末がどうなるのかの興味を持たせながらの構成は、アクションものとして楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『ハヅキさんのこと』川上弘美(講談社文庫)

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『ハヅキさんのこと』川上弘美(...
エッセイ集かと思えるほどの掌篇小説として、218ページで26篇が納められています。

タイトルの『ハヅキさんのこと』は、女性教師二人の物語です。
教師の性格を反映してか<ハヅキ>さんの学級は「明るい真面目なクラス」であり、<わたし>の学級は「そこはかとなくだらしない」と、対照的な性格の二人ですが、管理教育に反発し合うところでは一致、なぜか酒呑み友達として意気投合しています。

著者自身4年間私立の中・高校で生物の教員を経験していますので、自伝的要素もあるのか、面白くそして切ない短篇として心に残りました。

どこにでもある日常生活の中の男と女の心のふれ合いやすれ違いが、「そうだよな」とじんわりと心に広がる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『馬琴の嫁』群ようこ(講談社文庫)

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『馬琴の嫁』群ようこ(講談社文...
「馬琴」とは江戸の人気戯作者<曲亭馬琴>(明和4年6月9日~嘉永元年11月6日)のことであり、本名<瀧澤興那>です。

本書は、一人息子<宗伯>に嫁いできた<土岐村てつ>の女性一代記が語られています。

結婚早々に<テツ>は<馬琴>により<路(みち)>と改名させられ、医者でありながら病弱な夫<宗伯>の看病と、義母の<百>の癇性持ちの性格、<馬琴>の何事にも関しても細かい性格に振り回されながらも、持ち前の明るい性格と芯の強さで瀧澤家を切り盛りしていきます。

<馬琴>は晩年目が見えなくなり、<みち>は字を覚えながら『南総里見八犬伝』の第177話からの代筆を行い、<馬琴>は28年間にわたる連載を完成させたあと、82歳で亡くなっています。
文政10年の春、21歳で嫁いできた<みち>は、安政5年8月14日、当時江戸で流行していた「コロリ」で51歳の生涯を閉じています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『夢見る黄金地球儀』海堂尊(創元推理文庫)

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『夢見る黄金地球儀』海堂尊(創...
バブル景気の1988年、ふるさと創生の名目で各自治体に1億円が支給されましたが、桜宮市は直径70センチの黄金の地球儀を作り、アクアリウム別館の深海館に設置していました。

主人公の<平沼平介>は、大学院で物理学専攻を途中で諦め、父親が経営する町工場で営業マンとして平凡な日々を過ごしていましたが、8年ぶりに桜宮市に戻ってきた「ガラスのジョー」こと<久光穣治>が、この「黄金の地球儀」を強奪しようとの計画を持ちかけてきます。

そんな折、桜宮市役所管財課の<小西輝一郎>が知らない間に父親と結んだ契約書を持ち込み、「黄金の地球儀」の警備業務を追行するようにと現れ、警備がないと知った<平介>は、工場の設備を使って偽の地球儀と一時的に取り換える作戦をおもいつき、<ジョー>と怪力の持ち主<アイ>と深海館に忍び込むのですが、すでに金塊は取り出されていました。

二転三転と急展開する強奪事件が、個性ある脇役陣に囲まれて、見事な着地点を目指して物語は進み、最後までハラハラさせられるコンゲームとして楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書
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『鎧月之介殺法帖 手鎖行』和久田正明(双葉文庫)

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『鎧月之介殺法帖 手鎖行』和久...
<鎧月之介殺法帖>シリーズとして、本書が 『女刺客』 に次ぐ第6作目です。

石和(いわさ)代官所の代官<川治軍兵衛>の悪行を奉行所に訴えようとした<小平次>が、江戸にて何者かに切られますが、死に際に村の助けを岡っ引きの<お鶴>に言い残して亡くなります。

<鎧>は<お鶴>から事件のあらましを聞き、すぐにでも甲州に出向こうとするのですが、太鼓持ちの<猫千代>が賭場で揉め事を起こし、それは<お銀>という悪婆の原因だとわかりますが、彼女は押し込んだ生薬屋で老女を刺殺して江戸から逃げていました。

<鎧>・<お鶴>・<猫千代>が出向いた甲州は無残に焼き尽くされ、<鎧>は無頼者を囲っている悪代官<川治>と対峙していきますが、またそこで江戸から逃れて来ていた<お銀>と遭遇することになります。

奇妙な女主人<由良>の住む屋敷での出来事や、百姓上がりで代官所勤めの正義感の強い<小助>や<彦六>の活躍もあり、娯楽小説としてのツボを押さえているのは、テレビドラマの脚本を多く手掛けている著者ならではの構成でした。
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