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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『ユニット』佐々木譲(文春文庫)

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『ユニット』佐々木譲(文春文庫...
32歳の<真鍋篤>は7年前、17歳の<川尻武夫>に妻と1歳の娘を殺された過去を持ち、成人だったら死刑相当の事件にもかかわらず少年法により無期懲役に留まってことに納得が出来ず、一流会社を辞めて酒浸りの生活を送っていました。

31歳の<門脇裕子>は、刑事である夫の暴力に苦しんでいましたが、 意を決して5歳の息子<晴也>を連れて官舎を飛び出します。

55歳の配管設備工事の社長<波多野正明>は、妻に逃げられ従業員も辞めて手薄になった会社のためにハローワークに出向いた際に二人と知り合い、従業員として雇い入れることになります。

<真鍋>は依然の会社の同僚から<川尻>が7年で仮釈放されたことを知り、法で裁けぬなら自らの手で復讐をと考え、興信所に彼の身辺調査を依頼、一度は殺そうと試みるのですが、失敗に終わり精神的に復讐は吹っ切れてしまいますが、逆に<川尻>は反逆にでて<真鍋>を殺そうと考えます。
平行して<裕子>の夫<門脇>は、警察の力を利用して、彼女の居所を突き止めるために行動を起こします。

<真鍋>と<裕子>の二人が<川尻>と<門脇>に追い詰められてゆくスリルを味わいながら、最後は二人の未来に希望を託せる終わり方で、一気に読み進んでしまう519ページの長篇でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『前線 捜査官ガラーノ』パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)

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『前線 捜査官ガラーノ』パトリ...
マサチューセッツ州の警察捜査官<ウィンストン(ウィン)・ガラーノ>を主人公とするシリーズ 『捜査官ガラーノ』 に次ぐシリーズ2冊目が本書です。

美人で政治権力と自己愛が強い地区検事<モニーク・ラモント>の命令で、<ウィン>は45年前に発生して未解決である盲目のイギリス人被害者<ジェニー>の絞殺事件を再調査するように命令されます。

<ウィン>はとまどいながらも、事件の発生したウォータータウンの女性刑事<スタンプ>の協力のもと捜査を始めますが、<スタンプ>は連続して発生している銀行強盗の捜査で忙しく、また<ウィン>は祖母の家に置いていたバッグを盗まれ、<ラモント>が不思議な行動で入り込んだ屋敷の中でそのバッグを発見します。

秀でた容姿と頭脳明晰な推理力でもって緻密な捜査を積み重ねていく過程で、<ラモント>と<スタンプ>の関係や、ロンドン警視庁とFBIとの関連が交錯し、最後はなぜか自分の上司の身の保全を計る<ウィン>の機転の良さに驚きながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ジウ Ⅰ』誉田哲也(中公文庫)

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『ジウ Ⅰ』誉田哲也(中公文庫...
副題に「警視庁特殊犯捜査係」とあり、所属する27歳の<門倉美咲>巡査と25歳の<伊崎基子>巡査を主人公として、物語は構成されています。

都内の住宅地で発生した人質籠城事件に、所轄や機動隊とともに特殊犯捜査係も出勤、犯罪心理に長ける<門倉>は籠城犯人への差し入れ役として住宅の中に入り込みますが、犯人の要求で下着姿のままの写真をスクープされ、所轄へと左遷、一方<伊崎>は女性初の「SAT」隊員として転属していきます。

この籠城犯人<岡村>が、かって8歳の<田辺利憲>を誘拐して5千万円を奪った5人グループの一人だと判明、所轄で地道に捜査を続けている<東弘樹>警部補は<岡村>から、主犯は<ジウ>という20歳前後の中国人の男だと聞き出し、廃墟を塒とすることを聞き出し、都内の廃墟ホテルの捜査中、<ジウ>グループと思われる10歳女の子<本木沙耶華>の誘拐事件と遭遇、<伊崎>の活躍で誘拐事件は解決しますが、そのグループの中には主犯の<ジウ>はいませんでした。

身代金の強奪が出来なかった<ジウ>は、手玉に取られた<伊崎>に対して復讐心を燃やす場面で、『ジウ Ⅰ』は終わります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『日暮らし』(下)宮部みゆき(講談社文庫)

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『日暮らし』(下)宮部みゆき(...
本書が刊行されたとき(2004年12月)は、上下二巻の単行本でしたが、文庫本化に際して、(上)(中) 、そして本書の(下) と三分冊になっています。

『日暮らし』(中)では<湊屋総兵衛門>の妾であり、<佐吉>の母<葵>が何者かに首を絞められて殺されてしまい、下手人が分からずじまいで終わっていました。

本書(下)では、関わりのある「湊屋」の人間関係があらわになり、また煮物屋の<お徳>を手助けする料理人の<彦一>、夜逃げした<おせん>などの人間関係が絡み合い、下手人探しは難航しながらも利発な<弓之助>の推理で事件は思わぬ方向に向かい、無事事件は解決していきます。

市井の生活を機微に描きながら、<平四郎>が、「一日一日積み上げるように。てめえで進んでいかないと。おまんまをいただいてさ。みんなそうやって日暮らしだ。それはとても易しいことのはずなのに、ときどき、間違いが起こるのは何故だろう」とつぶやく場面がありますが、平々凡々の日々の生活の中に幸せが隠れていることに誰も気づかないことを知らしめようとする、著者のメッセージが込められた物語でした。
#本 #読書

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『日暮らし』(中)宮部みゆき(講談社文庫)

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『日暮らし』(中)宮部みゆき(...
一巻目の 『日暮らし』(上) に次いで、第二巻目になる『日暮らし』(中)です。

「鉄瓶長屋」から「幸兵衛長屋」に家移りしてきた煮物屋の<お徳>ですが、同じ長屋で安値でおかずを売る<おみね>が突然消え、残された奉公人の<おさん>と<おもん>の二人に、いつものごとくおせっかいを焼いてしまいます。

そんな折、植木職人の<佐吉>が母親であり<湊屋総兵衛門>の妾である<葵>殺しの下手人として掴まり、自身番に身柄を拘束されてしまいます。

同心の<筒井平四郎>は18年前の<湊屋>の本妻<おふじ>と<葵>の間に起こった事件が絡んでいるのえはなかと、自身番が管轄外にも関わらず、<弓之助>共々出向き、事件を調べ始めます。

下手人として捕えられた<佐吉>は、<湊屋>の根回しの金策で無事に解放されますが、<平四郎>自身は<佐吉>の無実を信じ、<湊屋>が身内の誰かを庇っているのではないかと訝りながら、<湊屋>との面談を実行していきます。
#本 #読書

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『日暮らし』(上)宮部みゆき(講談社文庫)

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『日暮らし』(上)宮部みゆき(...
一応主人公は、前作 『ぼんくら』 でも登場した怠け者の同心<井筒平四郎>ですが、彼が関わった「鉄瓶長屋」の<お徳>や植木職人の<佐吉>など、懐かしい面々が再登場、江戸の長屋で力強く生きる人々の生活をとして、夫婦の機微や母親としての心の想いが描かれている人情時代小説です。

本書には4話が納められていますが、冒頭の『おまんま』では、扇子に似顔絵を描く人気絵師<秀明>が殺され、<平四郎>は米寿になる「回向院の親分」こと<茂七>から、関わった昔の事件を教えられ、すべて記憶している13歳の<三太郎>こと<おでこ>の昔の話から、事件を解決していきます。

<平四郎>が養子縁組を考えている藍玉問屋の13歳の美形の甥っ子<弓太郎>は利発で、彼と共に市井に生きる人々の事件にかかわっていきます。
母親の愛情の深さがよく出ていた『子盗り鬼』、<お徳>が「鉄瓶長屋」から「幸兵衛長屋」に転居したことで起こる、女の弱さがよく出ていた『なけなし三昧』、どれも秀逸な作品で面白く読み終えれました。
#本 #読書

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『雨にもまけず粗茶一服』(下)松村栄子(ピュアフル文庫)

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『雨にもまけず粗茶一服』(下)...
一般的に(上・下)本の場合は同時発売されるのが多いと思いますが、本書は2か月おいて(下)が出版され、待ち遠しい一冊でした。

(上) の後半は、「武家茶道坂東巴流」の<友衛家>から<宮本武蔵>作の茶杓がなくなっていたところで終わりましたが、(下)で主人公<友衛遊馬>の祖父の老いらくの恋が原因であることが判明します。

(下)では、京都の宗家巴流の長女<奈彌子>の恋、内弟子<カンナ>と<今出川幸麿>の結婚話し、そして<遊梅>の恋物語が語られ、家元を継ぐべく心機一転嫌、比叡山の修業にと足を向けて物語は終わります。

<遊馬>の茶道家元に目覚める成長物語を骨格として、茶道の所作に留まらず、書画・骨董・茶器・和歌・花・お菓子・茶室といったモノが絡み合う総合芸術としての知識が身に付きました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『悪刑事(わるでこ)』森巣博(徳間文庫)

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『悪刑事(わるでこ)』森巣博(...
刑事を主人公に据えた小説は、地道な捜査と推理で犯人を追いつめていくタイプと、悪徳刑事とに分かれますが、本書は完璧なまでに後者です。

主人公は赤坂署捜査課強行班に所属する<名和平太>44歳、三流大学出ながら28歳で警部補試験に通りノン・キャリアの道を快進していましたが、いまはさぼりまくる中年刑事に落ちぶれています。

迷宮入りになりそうな「違法カジノ連続強盗事件」の捜査を与えられ捜査中、17歳の女子高生の殺人事件の担当も任せられます。
赤坂署きってのギャンブル好きの<速水遊>と組み捜査に乗り出しますが、援助交際が絡んでいるのを掴み、自分が関係を持っている15歳の<麗>を囮捜査に使い、久々に捜査に燃える<名和>でした。

刑事でありながら、タカリ・強請なんでもアリの悪刑事が、「へいか~っ、申し訳ございません」の台詞が随時に飛び出す愛国心もある二面性が面白く、著者自らがギャンブラーだった知識も豊富に散りばめられ、下品な下半身の話題も多く、笑える一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『北京炎上』水木楊(文春文庫)

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『北京炎上』水木楊(文春文庫)
民主化運動の大きな変節として、1989年6月4日に起こった「第二次天安門事件」は記憶に新しいところです。
本書は2008年8月8日に開催された「北京オリンンピック」以降、役人の腐敗、農村の貧困等の人民の不満が噴き出す2014年から2015年を舞台にした近未来小説です。

東西新聞社の<田波慶介>は北京支局に詰める特派員ですが、妻<荘鳴風>は北京大学時代に「天安門事件」に参加した人物であり、25年後の現在でも反政府運動を陰で支え、学生時代の許婚<劉>と行動を共にしています。

中国民主化の夢に走る活動家や、愛国心に燃える軍将校や老獪な中国首脳部の政治的な思惑を縦糸に、刻々と状況が変わる中国の様子を横糸に、<田波>や<鳴風>にかかわる人物たちの人間ドラマが展開されていきます。

著者は日本経済新聞社のロンドン特派員、ワシントン支局長を経てきただけに、経験を生かした構成は、フィクションとは思えぬ説得力のある内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『神戸立ち呑み八十八ヵ所巡礼』出版

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『神戸立ち呑み八十八ヵ所巡礼』...
このブログルの仲間「立ち呑み日々雑感」のMSHIBATA(芝田真督)さんが、タイトルの本を出版されました。神戸のお店を中心に明石までマメに巡礼されておられます。

帯には、「おしゃれ、スマートだけが神戸じゃない。
神戸は、灘の酒に育まれてきた”立ち呑みの街”。
そこには酒を愛する人が集まる、味わい深い店の数々がある」と書かれています。

MSHIBATAさんは、「神戸立ち呑み文化研究会」の会長でもありますので、多くの情報の中で、お店の選択で苦労されたと思います。
長年の経験を生かされ、どの店も「さすが」という評価が出来るお店ばかりで、これまた「さすが」です。

一度本を片手に、神戸で味わい深い文化を経験してみてください。
そうそう、お客さんとして私の横顔も<ちょこっと>どこかのページに載っています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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