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私立探偵<スペンサー>シリーズとして、 『冷たい銃声』 に次ぐ作品が本書です。
ボストン郊外の私立のハイスクール「ダウリング校」で、二人組による銃の乱射事件があり7人が死亡、逮捕されたのは生徒の<ジェレド>と<ウェンデル>でした。
<スペンサー>は<ジェレド>の祖母からの依頼で、孫の事件の濡れ衣を晴らしてほしとの依頼に調査を始めていきます。
現地に赴き聞き取りを始めますが、警察を始め学校関係者、両親までもが事件に幕を下ろしたがっている印象を感じながら、持ち前の粘り強さで事件の真相を探り出していきます。
恋人の<スーザン>は学会の講演で不在のなか、愛犬<パール>との寂しげな会話が印象に残る一冊でした。
主人公の<北原十和子>は33歳、8年前に別れた<黒崎俊一>が忘れられず、15歳年上の<佐野陣冶>ともう6年も一緒に暮らしていますが、彼は犬食いで不潔、下品で卑屈な性格で、地位もお金もない工務店勤めをしています。
ことあるごとに<十和子>は彼を罵り足蹴にしていますが、そんな折、壊れた腕時計の修理のトラブルでデパートに勤める<水島真>と関係を持ち、男の甘い言葉になおさら<陣冶>を疎ましく思い始めます。
前後して<黒崎>が3年前から行方不明になっているのを刑事の訪問で知り、<十和子>は、<陣冶>が彼を殺したのではないかと疑い始めます。
最後に待っているのは、読者の予想を覆す事件の真相で、<陣冶>が見せる<十和子>への「愛」の形に驚愕せざるを得ません。
大学病院の屋上から身元不明の女性が墜落死をした事件から、物語は展開していきます。
自殺か他殺かが不明のまま捜査は進みますが、科学捜査研究所顧問医<上月>が司法解剖を行ったところ、彼女は機能を果たす男性器と女性器を持つ体を持ち自家受精で妊娠、内臓は上下反対という驚くべき体内構造を持っていました。
彼女が呑みこんでいた紙片から、28年間閉鎖された病室に隔離された<西夢苑好子>との関連が浮かび上がり、今では地図上から名前の消えた「八火村」の存在が事件に絡んでいると考えた<上月>は、温泉旅行を兼ねて現地に出向いていきます。
解剖医としての<上月>は、村自体に遺伝子の異常もしくは化学物質での異常があるのではと、大学病院の遺伝学者<白神>に協力を求めて再度現地に足を向けるのですが・・・。
歴史ある閉ざされた村を舞台に繰り広げられる異形な人間の存在と、現代医学の遺伝分野を平行に描きながら、捜査する刑事が主役ではなく、解剖医<上月>の推理で事件の解決をみる、戦慄の医学ミステリーが楽しめる一冊でした。
失業中の身で、路面電車が二両で走る町に越してきた<青年>は、アパートの窓から教会の十字架が眺められる部屋に住み、大家さんは<大屋>で<青年>にとっては<マダム>です。
商店街の町はずれにあるサンドイッチ店「トロワ」に通ううちに、店主の<安藤>とその息子<リツ>と仲良くなり、<青年>はサンドイッチ店で働き始めます。
<青年>の唯一の楽しみは、定休日の水曜日に隣町「月船町」にある<月船シネマ>に、憧れの女優である<松原あゆみ>の古い映画を観ることでしたが、いつも映画館で出会う緑の帽子の年配の女性が気になり始めます。
著者の 『つむじ風食堂の夜』 の舞台である「月船町」絡みで、連作短篇として14編納められていますが、数少ない登場人物たちの過ぎし人生を行間に埋め込みながら、あたたかい心の交流が見事に描かれている一冊でした。
外資系クレジット・カード会社に勤めている<藤崎翔>は27歳、突然会社のリストラ計画で信頼する上司<早坂圭一郎>や派遣社員の<関美知子>が会社を去り、2歳年上のガールフレンド<富永りり花>の忠告を無視して、彼も退社してしまいます。
暫くして<早坂>から呼び出され、そこには昔の同僚であるメンバー5人が集まり、既存のカード会社にはない新しい企画でカード会社を立ち上げます。
「エキノックス(EQUNOX」と社名を決め、社長には一番若い<藤崎>が選ばれ、無名の会社として大手自動車メーカーをバックに付けようと模索中、ベンチャーの卵と個人投資家を結びつける事業へと舵取りが変わり、会社は大きな利益を得ていくのですが、設立当初のカード事業は見過ごされていきます。
若い<藤崎>を後押しするように見守っていた<早坂>は、悪性の脳腫瘍が発病、残り少ない人生を背負いながら、若い<藤崎>を応援、悩む<藤崎>は、一大決心をして会社の未来を見据えた大胆な提案を打ち出します。
恋人だと思っていた<りり花>は、設立メンバーの一人と結婚するといい出し、仕事と恋愛を絡めた若き企業家の苦悩を見事に絡めた熱血企業小説としで、面白く読み終えれました。
埼玉県蓮田市において、<滝沢>一家の4人が姿を消す事件が起こりますが、5年前にも<吉沢>家において、一家4人が殺される事件が起きていました。
作家<五十嵐友也>の妻<みどり>は、好奇心旺盛で作家と名乗りこの失踪事件の取材をはじめます。
かたや25歳のときに新人賞を受賞した<僕>は、電車の中で痴漢と間違われ、相手は女装した男で殴られたことに対して恨みを持ち、彼の行動を監視するようになりますが、どうやら連続通り魔事件の犯人のようで、その行動を小説にしようと考えます。
失踪事件を追う<五十嵐みどり>と、連続通り魔事件を追う<僕>との話が交互に語られていきますが、やがてこの二つの事件は交錯していき、重たい結末が待ち受けている驚愕のミステリーでした。
本書には6編の短篇が納められています。
タイトルの『看守眼』は冒頭に納められている小説で、『R警人』という警察の冊子を編集している<山名悦子>は、締め切りまじかの編集作業を進めていましたが、退職予定者の一人<近藤富男>の原稿がないことに気づき、退職前に有給休暇を取っている<近藤>の自宅まで出向きますが、不在でした。
彼の妻によりますと<近藤>は、29年間留置管理官として看守業務一筋に過ごしてきていますが、夢は刑事になることでした。
彼の妻から、一年前に起こった「山手町主婦失踪事件」を、彼は刑事になりきって捜査していると教えられ驚きますが、それは<悦子>自身も興味がある事件でした。
表題作をはじめ、大手電機メーカーの会長の自伝執筆を依頼されるライター、家事調停員の苦悩、県警ホームページの改ざん事件等、面白みのあるミステリー短篇集でした。
主人公<高城賢吾>警部を主人公とする<警視庁失踪課>シリーズとして、『相克』 に次ぐ三作目が本書です。
港学園理事長の<占部利光>39歳が、一週間行方不明だと彼の母親が失踪課に訪れて、翌日捜査の手掛かりを求めて<高城>と部下の<明神愛実>は自宅を訪れますが、母親の態度は一変して非協力的になり、大学関係者は口を閉ざしてしまいます。
一方、仙台に住む妹から東京の姉<藤井碧>40歳と連絡がつかない失踪事件は、仙台の川にて遺体が発見され、確認に出向いた<法月大智>警部補は、状況的に自殺だと報告してきますが、<碧>は森野女子短大の総務課長としてコンサルタント会社から引き抜かれたやり手でした。
<高城>は、港学園関係者の無関心な態度から単なる失踪事件ではないと判断、失踪課の上司<阿比留真弓>に申し出て、夏休みと言う名目で一人仙台に出向いていきます。
少子化に伴う大学経営を縦糸として、二つの意事件が繋がりを見せ始めながら、心臓病を患っている<法月>が、なぜかむしゃらな捜査行動をとることを絡め、苦悩する<高城>がよく描かれている一冊でした。
著者の作品は、「旗師」として骨董業界で頑張る <宇佐美陶子> シリーズや、民俗学の教授として各地にまつわる事件を解明していく <蓮丈那智> シリーズが好きですが、本書はそれらの路線とは全く異質な内容で、表題作を含むドタバタ喜劇的な短篇6篇が、連作でまとめられています。
主人公は<有馬次郎>ですが、もと広域窃盗犯としての裏稼業に携わっていました。今は「大悲閣千光寺」の寺男として真面目に働いていますが、身の回りに次々と起こる事件に関わり、謎を解いていきます。
もう一人の寺男として、ミステリー作家を目指す(ムンちゃん)こと<水野猛>がおり、また「みやこ新聞」文化部の女性記者<折原けい>、京都府警の<碇屋>警部、そして庵主の脇役たちとの関西弁の会話が楽しめます。
京都に深く根付く文化や風習をアイロニカルに描きながら、ウイットに富んだ物語が並び、古都を舞台とした謎解きの妙味が味わえる一冊でした。
本日はわたしの誕生日でもありますが、愛称<ココ>と呼ばれた世界的ファッションデザイナー<ガブリエル・シャネル>(1883年8月19日~1971年1月10日)の誕生日でもあります。
本書は、「獅子座の女」・「恋多き女」と呼ばれながら、仕事一筋に情熱を燃やした、彼女のエッセンスが詰まったミニ伝記といった体裁でまとめられています。
黒いワンピース、セーラーカラー、ジャージ、パンタロン、ショルダーバッグ、リップスティックなど、すべて彼女が生み出したファッションアイテムで、彼女自身の働きやすさを追求した結果が、時代の流れに沿い莫大な富と名声をもたらしました。
本書には、当時の写真が多く挿入され、巻末には年譜と彼女に関する書籍の一覧表もまとめられていますので、資料としても活用できます。
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