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下向きに咲く姿がきれいですので、鉢植えなどでも見かける<フクシア>ですが、よく目にする品種は、赤紅色の<蕚>と紫色の花弁を持つ 「フクシア・レギア」 です。
アカバナ科フクシア属の植物で、属名はドイツの植物学者<レオンハルト・フックス>にちなんでいます。
南米の熱帯・亜熱帯地域に原種として100種ほどが自生、今では園芸品種が700種を超えているようで、写真の<フクシ>は、珍しく白色の<蕚>に、赤紫色の花弁の花姿で品種名は分かりませんでした。
古代インカで「女王の耳飾り」と謳われたアンデスの名花ですが、さもありなんという花姿です。
【ナンテン(南天)】は、「難転(難を転ずる)」ということで、植えるのは門口や便所の横、鬼門がいいとの俗信を生み、各地各説があるようです。
メギ科ナンテン属の常緑低木で、樹高2~3メートルになり、原産地は中国、漢名の「南天燭」を略して和名としており、幹の先端にだけ葉が集まって付く独特の樹形をしています。
初夏に茎の先に花径6ミリほどの白色の花を咲かせ、反り返るような6枚の花弁と6本の黄色い<オシベ>が特徴的です。
花後には、晩秋から初冬にかけて赤色の実を実らせますが、園芸品種としては、白色の実の「シロミナンテン」、紫色の「フジミナンテン」、黄赤色の「ウルミナンテン」など、多彩な実の色で楽しませてくれます。
細長い葉を、優雅な曲線を描きながら放射線状に伸ばし、「ランナー(ほふく茎)」と呼ばれる細い茎を長く伸ばしてその先端に子株を付ける【オリヅルラン】です。
その子株の姿が、折り鶴をぶら下げたように見えるところから、和名の「オリヅルラン(折鶴蘭)」の名前が付けられています。
リュウゼツラン(ユリ)科オリヅルラン属の多年草で、春から夏にかけて、「ランナー」の節から白色の花径1センチほどの小さな6弁花を咲かせます。
鑑賞用植物として、葉の外側に白い斑がはいるのを「ソトフオリヅルラン(外斑折鶴蘭)」、葉の中央に斑が入るのを「ナカフオリヅルラン(中斑折鶴蘭)」と呼び分けて流通しています。
植え込みの中で、種子の鞘を実らせている植物を発見しました。
総状花序の形態と、9~13枚の掌状の複葉ということで、 【ルピナス】 だと分かりましたが、咲いている時の花色は不明です。
マメ科ルピナス属の多年草として、根生葉の形状から和名では「ハマメウチワ(葉豆団扇)」とも呼ばれています。
花姿は、マメ科らしい蝶形で多数の花を下から順番に咲かせ、花後には「枝豆」のような鞘が多数でき、中に豆(タネ)が入っています。
鞘が茶色く変色し、タネが散らばる前に採集したいところですが、気になるところです。
身近によく見かける【テッポウユル(鉄砲百合)】ですが、いまだ取り上げていないことに気づきました。
ユリ科ユリ属の多年草で、ラッパに似た形の筒状の白い花を横向きに咲かせ、花期は4~6月頃、花筒の長さは15センチ程度、花径5~6センチほどの大きさで、花弁が6枚に見えますが、根元がつながっており雌雄同花です。
日本の南西諸島や九州南部が原産地、本州以東は園芸用に導入された品種です。
よく似た花姿の<ユリ>に 「タカサゴユリ(高砂百合)」 、別名「ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)」がありますが、本種の方が葉が太く、開花の時期も7~8月と本種よりも遅めの開花時期です。
昨日は、黄色い「八重咲き」の <スカシユリ> に驚きましたが、今回は同じく「八重咲き」の【タチアオアイ(立葵)】です。
アオイ科タチアオイ属(ビロードアオイ)属の多年草ですが、園芸品種としては一年草や二年草扱いの品種もあるようです。
古来 【タチアオイ】 は、薬草として用いられ、属名の「Aithaea」は、ギリシア語の(治療)を意味し、日本にも古くから薬用として渡来しています。
花期は6~8月、花は垂直に伸びた花茎に下から上にと咲き上がり、高いモノで3メートルに達します。
別名「ハナアオイ」、英名では「ホリホック」と呼ばれていますが、葉の形が「ヒイラギ(ホーリー)」に似ており、茎の節がくるぶしのように節くれ立つ(ホック)に由来した呼び名です。
横向きではく上向きに咲いていますので、<スカシユリ(透百合)>の一種だとおもいますが、なんと「八重咲き」でした。
多くの植物の花は、品種改良されて「八重咲き」は当たり前に感じていたのですが、<ユリ>にまであるとは、正直驚きました。
茎の先端に花径10センチ程度、花被片の付け根付近がやや細く隙間が見えることから「透かし」百合の和名がつけられていますが、最近は根元もしっかりとした品種が出回っています。
閉じた蕾の形からは、このような「八重咲き」が見られることは想像できませんが、黄色地に濃紅色の斑点を、面白く眺めておりました。
以前に 「秋の七草」 を紹介したことがありますが、今回は【夏の七草】です。
第2次世界大戦で厳しい戦況下の1945年6月20日、日本学術振興会野生植物活用研究小委員会が、食糧難を乗り切るために選定したのが、【夏の七草】です。
写真上部より、< アカザ ・ イノコヅチ ・ ヒユ(ハゲイトウ) ・ スベリヒユ ・ シロツメクサ ・ ヒメジョオン ・ ツユクサ >の七種です。
おそらくどれも成長が早く、繁殖力が旺盛な植物ばかりのようですが、あまり普及していないのは、味覚的においしくないのかもしれません。
園芸品種の 「八重咲き」 よりも、少し早目に咲きだす「一重咲き」の【クチナシ(梔子)】が、いい匂いを漂わせて咲いていました。
アカネ科クチナシ属の常緑低木で、日本・中国・台湾・インドシナが原産地です。
花期は6~7月頃で、葉脇から短い柄を出し一個ずつ、基部は筒状ですが先は大きく割れた白い6弁花を咲かせます。
「八重咲き」には、果実はできません。
果実の先端には、針状の<蕚片>6本が、実を包み込むような特徴的な姿を見せてくれます。
果実には<クロシン>を含み、繊維を染める黄色の着色料や、発酵させれば青色の着色料になり、また和菓子やたくあんなどの着色料、漢方薬の「山梔子(さんしし)」という原料にもなっています。
とある公園で、【ヒシバデイゴ(菱葉梯姑)】の木がたくさん植えられていました。
葉の形が菱形というのが名の由来で、 「アメリガデイゴ」 と「ユリスリナ・ヘルバケア」の交配種としてオーストラリアで育成されたとも、熱帯アジア・アフリカ原産とも言われており、和名では「サンゴシトウ(珊瑚紫豆)」です。
マメ科デイゴ属、雌雄同株で、枝先に総状花序を出し、濃い紅色の筒状の花を咲かせ、「アメリカデイゴ」のようには開いていません。
樹高2~4メートル、6~10月と花期が長く、夏中咲き通し目を楽しませてくれますが、茎は言うに及ばず、葉の中央葉脈の裏側にも棘があり要注意です。
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