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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(153)『ツナグ』辻村深月(新潮文庫)

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今年の読書(153)『ツナグ』...
昨年、第147回直木三十五賞を『鍵のない夢を見る』で受賞していますので、著者の名前だけは記憶にありましたが、作品を読むのは本書が初めてでした。
すでに昨年10月に東宝にて 『ツナグ』 と同じタイトルで映画化(監督:平川雄一朗)されており、第32回吉川英治文学新人賞作品です。

主人公の男子高校生<渋谷歩美>は、生者と死者を一夜限り再会させる仲介人「使者(ツナグ)」として、それぞれの登場人物の依頼に基づいて夢をかなえる役目を祖母から受け継ぎ、見習いとして4組の再会に関わります。

連作短篇集として5話が収められていますが、最終章で全体像が浮かび上がる構成で、各短篇には<祖母>の伏線が散りばめられ、最終章のまとめ方は素晴らしい内容でした。

第1編『アイドルの心得』には、自宅で突然死したアイドル<水城サヲリ>が登場しますが、明らかにタレントだった<飯島愛>がモデルです。
奇しくも本日は彼女の死亡推定日(2008年12月17日)であり、不思議な縁を感じながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(152)『鬼手』濱嘉之(講談社文庫)

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今年の読書(152)『鬼手』濱...
副題に<世田谷駐在刑事・小林健>とありますように、主人公は世田谷区の高級住宅街にある学園前駐在所に勤務しながら、山手西警察署の敏腕刑事であり全国の暴力団取締のエキスパートとして名を馳せ<鬼コバ>と呼ばれています。

相棒の刑事<加藤>を暴漢の拳銃発砲で亡くした過去を持ち、その未亡人の<陽子>と結婚、残された一人息子<修平>と三人での駐在所生活をしています。
町内の見回りの中、事件の匂いを嗅ぎつけると刑事として捜査に当たり、首尾よく犯人を検挙してゆく様は、なかなか読みごたえがありました。

タイトルにある『鬼手』は<鬼手仏心>からの拝借で、これは紀ノ川の漁師に伝わる言葉で、近年は外科医の心構えとして用いられており、「残酷なほどにメスをいれるが、それは何としても患者を救いたいという温かい純粋な心からである」ことを意味しています。

捜査過程における<小林健>の心得として、なるほどと納得できる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(151)『ヤクザが店にやってきた』宮本照夫(新潮文庫)

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今年の読書(151)『ヤクザが...
地元神戸は、広域指定暴力団の本家がある街ですので、ヤクザ関連の書籍は自然と手が出てしまいます。
本書は1995年に『恐怖な面々』(文星出版)のタイトルで発行され、その後<朝日文庫>を経て、この<新潮文庫>で三度目の出版になります。

著者は、神奈川県川崎市で「焼鳥店」を開店以来、クラブ・スナックを多数経営してきていますが、「暴力団お断り」の信念を貫き通して営業、その間のトラブルをまとめたのが本書です。

なぜ「暴力団お断り」の信念を貫きとおすのかが全編を通じてよく伝わり、「店長や従業員に何から何まで任せることはできない。彼らは客へのサービスのために働いているのであって、暴力団とのトラブルのために就職したわけではないからである」との言葉は、経営者としての信念が垣間見られます。

ヤクザに絡まれそうになったときの教科書として、面白く読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(150)『インターセックス』帚木蓬生(集英社文庫)

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今年の読書(150)『インター...
才能豊かな産婦人科医<岸川卓也>は、病院経営の裏側で男性の妊娠実験や妊娠中絶した胎児の臓器の培養を行い、各種臓器の移植手術を行っている医療問題の世界を描いたのが前作 『エンブリオ』 でした。
今回の『インターセックス』は、その5年後の続編となります。

市立病院に勤める<秋野翔子>は34歳、縁あって<岸川>の経営する「サンビーチ病院」に産婦人科医として転勤します。

性同一性障害者の性転換手術や、染色体異常により性器の不具合で、男とも女でもない<インターセックス(性分化疾患)>の患者たちの社会状況や医療現場の実態を克明に描きながら、5年前に起こった自分の友人を含めた不可解な死亡事故の謎を解くミステリー仕立ての構成は、読んでいて飽きない610ページでした。

この一冊だけでも十分に楽しめますが、興味ある方はぜひ『エンブリオ』(集英社文庫本では上下2冊)から読まれることをお勧めします。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(149)『ほんとうに建つのかな』内田春菊(講談社文庫)

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今年の読書(149)『ほんとう...
ミュージシャン・小説家・女優・落語家(立川談志一門)と多彩に活動されている著者ですが、主はやはり漫画家だとおもいます。

<今年の読書>としましたが、この文庫本(2007年9月発行)も漫画(一部エッセイ・自宅写真有り)で、自宅建設に伴う泣き笑いを、生活に密着したノンフイクションでまとめられています。

この手の自宅建設に関しての書籍は、職業柄施主の生の声として参考になり、難しく理論武装で書かれた設計者の書籍より楽しめることが多いようです。

それにしても3度の結婚・離婚、子供4人を育てながら1億5千万円の慰謝料を男に払い、なおかつ自宅建設という借金を抱えて仕事をこなす著者のバイタリティーに、驚かされました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(148)『現代版 魔女の鉄槌』苫米地英人(フォレスト出版)

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今年の読書(148)『現代版 ...
インターネット、ツィッターやフェイスブックといったソシャールネットワークの時代ですが、著者はこの現象を15世紀に出版された『魔女の鉄槌』のなぞらえて、現在の情報社会のシステムに警告を与えています。

多くの情報がまったく検証されないままに、<真実>だと受け取る状況が生み出され、わたしたちの脳は思考停止状態になり、<他人によって作られた世界>が強化されていることに危惧を感じなければいけないと諭しています。

マスコミや政府発表の類の情報を正しく判断する基準として、お金を儲けたい、お金がほしい、という価値基準をなくし、発信された状況を分析するとよいと著者は述べています。

権力者(国家・マスコミ・企業)は、この情報操作をうまく操作し、何も考えない人間を作り出し洗脳している現状に、改めて情報の受信者としての意識改革が必要だと感じさせくれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(147)『命の終わりを決めるとき』朔立木(光文社)

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( 2005年6月光文社より単... ( 2005年6月光文社より単行本、『終の信託』と改題されて2012年6月光文社文庫 )
著者の経歴等はまったく公表されていませんが、法曹界の仕事に携わっているのは確かなようで、作品も、裁判官の世界や女子中学生の誘拐事件による冤罪事件などを扱ってきています。

本書は、文庫本化に伴いタイトルが変わっていますが、『終の信託』と『よっくんは今』の2編が収められています。

『終の信託』は、呼吸器科の専門女医が、15年間治療してきたぜんそく患者との暗黙の安楽死の行動が、殺人罪として逮捕される内容で、『よっくんは今』は、一人の女性が婚約者を刺殺する過程が綴られています。

どちらも犯罪にかかわった女性の心理や感情を通して、読み手側に犯罪行為を通して<愛>とは何かと考えさせられる内容で、また検察官や刑事などの裏面の心理も良く表現されていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(146)『激情次長』江上剛(新潮文庫)

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今年の読書(146)『激情次長...
今年は元銀行員の<池井戸潤>のドラマの主人公<半沢直樹>の「倍返しだ!」というセリフが流行りましたが、 『かばん屋の相続』 など、地域に密着した銀行員の心情がよく表れている作品だとおもいます。

今回の『激情次長』の著者も、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に大学卒業と同時に入行、1997年に起きた460億円もの資金提供の<総会屋事件>のときには、広報部次長として活躍した経歴の持ち主です。

自らの20年に渡る銀行員としての自伝的要素の短篇が9話、連作として書かれており、最後はやはり<総会屋事件>に絡んで幕を閉じています。

一人の銀行員として、銀行とはどうあるべきかという信念が随所に現れ、時には涙して上司に訴える熱血漢であり、社会に対する矜持を持ち続けた主人公<上杉健>のさわやかさが光る一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(145)『飛田の子』杉坂圭介(徳間書店)

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今年の読書(145)『飛田の子...
「あべのハルカス」を代表に隣接する阿倍野地区の再開発が進んでいますが、その西側に位置しているのが<飛田新地>で、阪神甲子園球場2個分のエリアに約160軒の料亭(遊郭)が営業をしています。

著者はそのなかで料亭経営を10年経験され、今は女の子のスカウトマンとして、自らの経験を生かされています。

業界で2期4年務めた委員長の打ち上げとして、<飛田新地>の 「鯛よし百番」 で委員会を開催、会食後玄関に並ぶきれいなオネイサン達を眺め、呼び込みのおばちゃんの声を背に、メイン通りを歩いて帰宅しました。

この本には、自らの料亭で働いていた6人の女の子が登場、それぞれの人生観や業界の現状や裏話が詰まっており、ノンフィクションならではの迫力で楽しめます。
実際の街の区画や夜のメイン通りを歩いた経験があるだけに、リアル感を感じる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(144)『京風寺平太郎』佐々木裕一(角川文庫)

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今年の読書(144)『京風寺平...
副タイトルに<もののけ侍伝々>とあり、シリーズの第一作目で、続編が出ています。

主人公は<京風寺平太郎>で、広島藩浅野松平安芸守の下屋敷に住む下級武士ですが、生まれ故郷の備後三次において、妖怪退治をした実績があります。
彼には100年以上京風寺家に棲む妖怪大将<樋熊長政>がおり、どのような妖怪があらわれてもおびえることはありません。

<京風寺>の部屋には、「おばば」や「おきん」とかの妖怪が出入りしていますが、妖怪退治の実績を受けて突然幕府から怪事件の解決を任されてしまいます。

<もののけ>といえば、 「もののけ本所深川事件帖」 や 畠中恵の <しゃばけシリーズ> を思い出しますが、電灯のない江戸時代は本当に漆黒の闇で、当時の人たちが妖怪を信じていたとしても不思議ではなく、妖怪の科学的な論証はさておき気楽に読める一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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