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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(101)『何があって大丈夫』櫻井よしこ(新潮社)

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今年の読書(101)『何があっ...
保守派の論客としてつとに有名な<櫻井よしこ>さんですが、出生からジャーナリストになるまでを綴った自伝です。
ベトナムハノイの野戦病院で二女として生まれたときから、ジャーナリストの冷静な目線で持って、ご自身の生きざまをルーツを織り込みながら書かれています。

日本テレビの『NNNきょうの出来事』のキャスターを、1980(昭和55)年5月から1996(平成8)年3月まで16年間務められました。

この本を読んで、なぜ彼女が「ハワイ大学」の卒業なのかがよく分かりましたし、この時の留学時代に養われた異国での経験、民族や文化の違いが、ジャーナリストとしての素地として、よく理解できました。

そして何より、タイトルの「何があっても大丈夫」は母親の口癖の言葉ですが、父親が家庭を顧みない中において、気丈な母として子供を育て上げてゆく姿にも、感動を覚えました。

核武装論者、慰安婦問題、薬害エイズ問題をはじめ、教育・政治にと多弁な活動をされていますが、その源が垣間見えた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(100)『リヴァイアサン号殺人事件』ボリス・アクーニン(岩波書店)

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今年の読書(100)『リヴァイ...
「ボリス・アクーニン」はロシアの作家らしいアクセントですがペンネームで、日本語の「悪人」=アクーニンから考え出した名前だそうです。
刑事役の「ファンドーリン」を主人公に、全11冊の<ファンドーリン捜査ファイル>シリーズが刊行されており、これは第3冊目に当たります。
どれも19世紀末から20世紀初頭にかけてを舞台とし、歴史がらみを背景にした推理小説です。

19世紀末、パリでインドの財宝をコレクションしている富豪が、使用人10人ともども殺される事件が起こります。
富豪の手には、イギリスからインドまで処女航海する「リヴァイアサン号」の乗船客に配られたバッジが握られていたことにより、パリ市警の「ゴーシュ警部」が客船に乗りこんで、犯人捜しを進めてゆきます。

海上を航海する船の中という、ある意味密室状態の中で、それぞれに怪しげな乗客と<ゴーシュ警部>の駆け引きが続けられ、乗客として乗り合わせた<ファンドーリン>が見守る中、二転三転と事件が起こり、思わぬ結末を迎えることになります。

乗客の一人として日本人が出てきますが、著者の日本人びいきの洞察力には感心しました。
イギリス、フランス、インド、ロシア、日本とそれぞれの国民性がよく表れた乗客の設定とともに、なるほどなと思わせる結末で、面白く読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(99)『少女漫画家が猫を飼う理由』天野頌子(祥伝社文庫)

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今年の読書(99)『少女漫画家...
副題に<警視庁幽霊係>シリーズとありますが、このタイトル本で3冊目に当たります。
本シリーズの一作目『警視庁幽霊係』が、作家デビューとしての第一作目でした。

警視庁の片隅に、事件が解決することなく迷宮(おみや)入りするのに語呂を合わせた「お宮の間」という部署があります。
事故や事件で亡くなった人から事情聴取をする幽霊係の<柏木>、犯人の遺留品や盗品などの物体に焼きつけられた記憶を読む<高島>、犬と話しのできる<伊集院>、写真を見て写っている人の生死を透視できる<桜井>等、特殊技能を持つ4人の刑事たちが活躍します。
4人以外の脇役も個性があり、肩を張らずに読み流せました。

奇想天外な特殊能力だけに、事件の設定も奇抜なことが想定できますので、シリーズ化として期待するファンは増えてきそうな気がします。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(98)『ブラック・ローズ』新堂冬樹(幻冬舎文庫)

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今年の読書(98)『ブラック・...
テレビ会社のプロデューサーであった父親を、自殺に追い込んだ同僚の<仁科>に復讐するために、主人公の<唯>はテレビ製作会社のプロデューサーとしてベストセラー小説のドラマ化を企画し、<仁科>を蹴落とすことに執念を燃やします。

小説の原作者を手なずけ、<仁科>のドラマの主演者を横取り、視聴率確保のため偽のスクープを捏造しながら、ひたすら<仁科>に対抗してゆきます。

読み手側として、卑劣な行為の<唯>なのですが、テレビ業界やプロダクションの裏側をあからさまに描いていますので、妙に「頑張れよ」と応援したくなるキャラクターでもあります。

最高視聴率を稼ぎながら、<仁科>が持ち出したスキャンダルな写真で、<唯>の企画したドラマは放映中止になるのですが、復讐という私情の為に諦めた恋人との再起を思わす場面で、小説は終わります。

テレビ番組は、内容自体よりも「視聴率」や「スポンサー」、「タレント」優先主義に対する、ささやかなボディーブローの一冊だとして読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(97)『壱里島奇譚』梶尾真治(祥伝社)

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今年の読書(97)『壱里島奇譚...
東京の商社に勤めている<宮口翔一>は、不思議な性能を持つ「たわし」の秘密を探るべく、常務の命令で天草灘の「壱里島」への出張を命じられます。

人口二千ばかりの小さな島は、若者が住まず、高齢者だけの過疎化の典型的な島として存在しています。
この島の将来に対して、新町長は原発で使用された「放射能廃棄物」の最終処分地として手を挙げ、補助金で島の立て直しを図ります。

前後して、この島の守り神である「魑魅(すだま)」が現われて、本来の島の姿を守ろうととする<宮口>や、自称パワースポット研究家と称する<機敷埜風天>の協力を得て、「ちゃんばら映画祭」を島で興行したりと、すっかり島民たちと馴染んだ生活が始まります。

時間を超えた因果応報を背景に、自然や人間関係のつながりを感じさせてくれる一冊でした。
思わず、「壱里島」を見たいものだと検索しましたが、まったく架空の島名のようですが、現実感ある描写、きっとどこかにモデルがあると信じています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(96-2)『不眠症』(下)スティーヴン・キング(文春文庫)

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今年の読書(96-2)『不眠症...
(上巻:669ページ) に続き、(下巻:635ページ)を楽しみました。
上巻で不眠症に悩みながら、主人公の<ラルフ>は朦朧とした世界で幻覚を見るようになりますが、不気味な存在の「ハゲでチビの医者」の存在が分かり、自分たちが住む<ショトタイムの世界=人間界>の人々の寿命を自分勝手な楽しみのために操る<アトロポス>に挑戦してゆく<ラルフ>と<ロイス>の壮絶な戦いが、下巻で描かれていきます。

生まれながらにして持っている個人の寿命を、「意図」的にも「偶然」的にも、もてあそぶことは許されず、<ショートタイム>の世界に住む住人としての使命感が、<ラルフ>を突き動かしてゆきます。

「老いと死」の問題、「時間という観念」の問題、「異次元の世界」の問題を緻密に積み上げながら、S・キングならではの筆致力で物語が進んでゆきます。

完成までに3年2カ月を要したこの作品、面白くて途中でやめられず、「不眠症」ではなく、間違いなく「寝不足」にさせられます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(96-1)『不眠症』(上)スティーヴン・キング(文春文庫)

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今年の読書(96-1)『不眠症...
上下2冊に分かれていますが、(上巻)だけで669ページ(1149円)と、2冊分はある分量ですので、取りあえず途中までの感想を忘れないうちにと記録です。 (単行本は2001年6月に、同社より刊行されています)

同じ著者の作品に『IT』がありますが、これに登場した同じメイン州デリーの街が舞台です。
70歳になる主人公<ラルフ>は、愛妻の死を境に不眠症に悩まされます。目の覚める時刻がだんだんと早まり、睡眠時間がまともに取れなくなっていきます。
やがて、幻覚かと思われる不思議な現象が見え初め、町や人々の体から発する「オーラ」を知覚し始めます。

不眠症から来る幻覚かと一人悩む中、白衣を着た不気味な生命体を目撃するに至ります。
自分一人の現象ではなく、近隣の女友達<ロイス>も、同じ幻覚に悩まされているのを知り、<これは、過剰現象(ハイパー・リアリティー)だよ>と慰めるところで(上巻)は終わります。

超自然の秘密に触れ始めた二人がこの先どうなるのか、(下巻)を読むのが楽しみです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(95)『夏休み』中村航(集英社文庫)

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今年の読書(95)『夏休み』中...
大学生も、前期試験が終わり、夏休み入りました。
ふとこの時期に合うタイトルだなと感じ、手にしてみました。

前回読んだ川上未映子の 『ヘブン』 が、中学生のいじめ問題を扱うかなり重たい内容でしたので、ほのぼのとしたイラストの表紙に気分転換を求めました。

<僕=守>と<ユキ>夫婦、<吉田>と<舞子>夫婦は、女同士でつながる仲で、ある日突然に<吉田>が、<舞子>に黙って家出をしてしまうところから物語は始まります。
それではと、女同士で旅行と称する家出を計画、戻って来た<吉田>が旅行先に追いかけるのですが、会うことができません。

ひと夏に起こる夫婦の危機を、テレビゲームが準主役として登場します。
ゲームに勝てば家での件を許し、負ければ離婚だという決戦が行われます。

ゲーム世代ではないわたしには、よく理解できない決着の付け方に思われるのですが、「結婚」自体が「ゲーム」だという比喩的な意味合いが含まれているのかなと、読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(94)『ヘブン』川未英子(講談社文庫)

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今年の読書(94)『ヘブン』川...
山本俊輔氏の 『絶望中学』 を読んだのが今年の4月で、まだ大津市の市立中学2年生がいじめで自殺した報道はありませんでした。
現在の中学校の現状をあぶり出す内容で、重たい気分で読み進めたのを思い出します。

今回の『ヘブン』は、大津市のいじめとまったく同じ状況を、目の前にさらけ出しています。
この作品は、「芸術選奨文部科学大臣新人賞」と「紫式部文学賞」を同時に受賞した作品で、初出は2009年9月ですから、大津市事件以前に執筆されています。
受賞作だからではありませんが、もっと社会問題として取り上げるべき内容だと感じました。

14歳の<僕>が、ある日同じいじめを受けているクラスメートの女子<コジマ>から手紙を受け取り、被害者同士として気持ちを分かち合いながら学校生活を過ごす過程が、細かく描写されていきます。

善悪や人間のエゴイズム、友情、家庭問題に対処しながら、14歳の<僕>がどのように変容してゆくのか、圧倒的な技量で書きすすめられていきます。
今の現状をを見つめ直す機会として、ぜひ全中学生に読まんでほしい作品です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(93)『アマルフィ』新保裕一(扶桑社)

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今年の読書(93)『アマルフィ...
テレビを観ませんので読んできた本が、結構ドラマの原作になっているのに驚かされます。
今回の『アマルフィ』は、「フジテレビ開局50周年記念作品」として『アマルフィ 女神の報酬』のタイトルで、2009年7月18日に東宝映画として公開されています。

著者の『ホワイトアウト』も映画化されており、小気味のいい展開はお馴染みで、映画とは違う点があるということで読んでみました。

母と娘が、クリスマスの時期にイタリア旅行に出向いた際、ある目的を達するために、娘を誘拐する事件が起こります。
日本の外務大臣が調印式出席の為、イタリアに出向くことになりますが、事前にテロ行為が行われるという情報で、外交官の<黒田康作>がイタリアの日本大使館に赴任したのを機に、この娘の誘拐事件に関わることになります。
外交官の事なかれ主義とは違う、一匹オオカミ的な行動で、犯人を突き止めてゆく筋立てが展開してゆきます。

映画では母親役は「看護師」、娘は「視力障害者」との設定で、誘拐犯も日本人ですが、小説中では母は外資系の銀行員」であり、娘自身には目の障害もありません。
個人的には、誘拐犯の動機を考えると、小説の設定の方が自然かなと思えます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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