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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(122)『京都と闇社会』一宮美成+湯浅俊彦(宝島SUGOI文庫)

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今年の読書(122)『京都と闇...
歴史と文化のある古都「京都」ですが、世界的な観光都市でもある反面、利権とお金のからむ裏社会が存在しているのも事実です。

ルポルタージュとして、各章の書かれた年代は1990年代前半からですが、当時は事件を聞いても関係なく見過ごしていました。

京都政財界の黒幕<山段芳春>、暴力団・会津小鉄会<高山登久太郎>、芸能界のタノマチ・佐川急便・<佐川清>など、京の黒幕と呼ばれた人たちはすでに鬼籍に入っています。

第一部として、武富士の京都駅前地上げ事件、闇の帝王<許永中>、山口組若頭<宅見勝>暗殺事件などの暴力団にまつわる内容です。
第二部として、西本願寺の「差別発言でっち上げ」事件、阿含宗<桐山靖雄>、<細木和子>と久保田家石材との関係、「無量寿寺」の正体など、宗教関係のレポートが続きます。

副題にある<ことを支配する隠微な黒幕たち>のごとく、ドロドロとした泥臭い話ばかりですが、時間をおいて再度事件を検証してみるというのも新しい発見があり、面白く読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(121)『ダブル』深町秋生(幻冬舎文庫)

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今年の読書(121)『ダブル』...
女刑事<八神瑛子>を主人公にした 『アウトバーン』 では、女刑事らしからぬ小気味のよい行動で楽しませてくれた、深町秋生の『ダブル』です。

今回は「クールジュピター(CJ)」というドラッグを不法に売りさばく組織の殺し屋として働いていた<刈田>は、弟が組織の掟を破り(CJ)を愛用しているのを知り、元恋人の所に匿いますが、組織のボス<神宮>の知れるところになり、弟と元恋人を殺されてしまいます。

<刈田>自身も、<神宮>の銃弾で倒れ海に落とされてしまいますが、瀕死の重傷のなか、奇跡的に助かります。
そんな折、一人の女刑事<園部>が近付き、警察のイヌとして<神宮>ヘの復讐のために、身分を偽り顔を変え声も変えて組織に潜り込んでいきますが、さて復讐はどうなるのかという物語です。

あらすじだけでは、良くありそうな三文小説の話ですが、迫力ある描写と、個性的な登場人物たちでもって飽きさせずに最後まで詠ませる構成はさすがでした。

最後の終わり方もうまく、ひょとしたら<刈田>や女刑事<園部>が再登場する続編があるかなと、期待しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(120)『衆愚の果て』高嶋哲夫(幻冬舎文庫)

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今年の読書(120)『衆愚の果...
日本の国会運営も、解散がらみの足の引っ張り合いばかりで呆れてしまいますが、またこの議員たちを選んだのも国民の責任でもあります。
今回取り上げました高嶋哲夫の『衆愚の果て』は、国家全体のことよりも、「落選すればただのひと」のパロディー本として、痛快に楽しく読み終えれました。

主人公の<大場大志>は、高校時代は暴走族で暴れ無名の大学を卒後、職を転々と変えながら無職の生活でした。
ひょんなことから民有党の比例区に名前を並べることになり、98位の順位ながらも27歳で当選してしまいます。

衆議院議員として二千万を超える年収、必要経費を含めると四千万を超える金額を手にするわけですが、多すぎる議員や国家のことを考えることもなく、選挙対策に地元の顔色ばかりを見ている現状に、嫌悪感を抱き始めます。
一年生議員として、どこまで党に背いて孤軍奮闘が出来るのか、最後まで一気に読ませてくれるテンポの良さで、気持ちよく読め終えました。

国会運営や議員の日常、党運営や官僚との関係を知るには、いい一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(119)『あんちゃん』北原亞以子(文藝春秋)

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今年の読書(119)『あんちゃ...
本書は7話の短篇から構成されている、江戸時代を舞台にした時代小説です。
タイトルの『あんちゃん』は、最終編として組まれていました。

「明治は遠くなりにけり」といわれますが、それ以前の庶民の暮らしぶりは、人情と義理が基本にありますので、読んでいて安心感があります。
機会化された現代生活も文明の面から見ると凄い発展ですが、人間の営みとして幸せなのかと見直すには、江戸時代の市井の生活がいい教科書に思えてなりません。

『楓日記 窪田城異聞』という作品だけは、現代の主人公が古文書をもとに、当時の歴史を紐解く内容で、緻密な時代構成に感心させられました。

サスペンスや裏社会の作品の合間に読むには、心落ち着く時代劇モノがいいようです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(118)『プライド』真山仁(新潮文庫)

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今年の読書(118)『プライド...
NHKの土曜ドラマとして著者の『ハゲタカ』が放映され、国内外で多くの賞を受賞しています。
2009年には東宝系で、「ハゲタカシリーズ」として3冊目の『レッド』が、『ハゲタカ』として映画化されたのを、購入した『レッド』(2009年4月刊行)の帯の宣伝で知りました。

『ハゲタカ』シリーズは、海千山千の企業買収の世界を描いた経済小説ですが、今回の『プライド』は、それぞれの分野の<プロ>としての心意気を表した6篇の短篇小説と一話の掌編小説で構成されています。

<プロ>として絶対に譲れないモノはなにかという大きなテーマを、政治・医療・農業・食品業界等を舞台にして語りかけています。

<医学に情熱をもった人間が、医学の中心にいないからです。(略)挙句に、患者の脈も取ったこともない厚労省の医系技官が、医療革新というお題目を唱えているからです。>
さしずめ私の業界に合わせると、<一級建築士の資格もなく、建築の設計に携わったこともない建築系技官が、建築士法などを机上で考えているからです。>となり、フンフンと一人納得をしておりました。

<何のために人は働くのか。そして、どうすれば矜持を守ることができるのか。それを守るために、どれくらいの犠牲に耐えられるのか。>
著者の提示する命題は、<プロ>としていつも身に付いて回ることですが、<プロ>として恥ずかしくない仕事だけはし続けなければいけない立場、改めて考えさせられた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(117)『沈黙の画布』篠田節子(新潮文庫)

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今年の読書(117)『沈黙の画...
同じ著者の 『仮想儀礼』 は、今年の読書としてベストワンかなと感じています。
続けて『沈黙の画布』が新潮文庫から出ていますので、迷わずに手にしました。

人気エッセイストが新潟県長岡市を訪れた際、地元の無名の画家の絵と出会い、これがきっかけで画集が発行され、無名の画家が一躍脚光を浴びることになります。
画家の妻は健在で、自分の見知らぬ絵は「偽物」だと言いきり、その背景には夫の愛人問題もからみ、画商と称する怪しげな人物も出てきて、話しは思わぬ方向に進んでいきます。

ノンフィクションかなとおもわせる緻密な構成で、読みながら本当にこのような画家のモデルがいるのではないかと感じさせながら、人間の欲望やずる賢さ、愛情や憎しみ、美術出版業界や画商の世界、どれもが複雑に絡み合い、最後までミステリータッチの展開に引き込まれて楽しる作品です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(116)『政宗遺訓』佐伯泰英(幻冬舎文庫)

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今年の読書(116)『政宗遺訓...
サブタイトルに<酔いどれ小籐次留書>とありますように、江戸時代を背景にした、連作の時代劇シリーズとして、18作目にあたります。
主人公<赤目小籐次>は、「来島水軍流正剣十手脇剣七手」の剣豪でもあり、酒が好きな人物として描かれています。

長屋に住み、包丁研ぎを生業として市井に生きていますが、日々町中で起こる事件などを、人情味あふれる裁きで解決してゆきます。

今回も、長引く江戸の秋雨が続く中、長屋の一同に炊き出しを振るまうのですが、かまどに隠された金無垢の「根付け」を住人が見つけ出したことから、ひと騒動が起こります。

題名の『政宗遺訓』は、<伊達政宗>を指していますが、後半になりこの「根付け」の持ち主だと言い張る伊達家と三河蔦屋をどう裁くかが、小籐次の腕の見せどこりとなります。

史実に基づいた歴史書ではないだけに、著者の描き出す江戸の町の風情や人情味のある人間関係が描かれ、楽しめるシリーズです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(115)『追撃の森』ジェフリー・ディーヴァー(文春文庫)

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今年の読書(115)『追撃の森...
10月5日は、イギリスにてジェームズ・ボンドが主人公の映画『007ドクター・ノオ(邦題名:007は殺しの番号)』が封切られて50周年でした。
ジェフリー・ディーヴァーが、『007白紙の委任状』という小説で、日本冒険小説協会大賞を受賞していますので、興味を持ち読んでみようと出向きました。
最終的に、手にしたのは国際スリラー作家協会最優秀長編賞を受賞した本書です。

事件を知らせる電話で現場に駆け付けた保安官補の<ブリン>は、森の中の別荘で射殺された夫婦の死体を発見、偶然にも犯人の男二人と撃ち合うことになり、来客として訪れ難を逃れていた<ミッシェル>と出会います。

密林を舞台に、逃げる<ブリン>たちと追いかける男二人との追撃が、迫力ある描写で繰り広げられていきます。
どんでん返しが次々と展開し、どのようになるのかとハラハラしながら読み進み、563ページの内420ページで森での追撃は終わりますが、用心深い犯人はこれまたどんでん返しで逃げ去ります。
犯人究明に執念を燃やす<ブリン>は、息子や夫との家庭問題を抱えた状況の中、捜査を進めてゆきます。

読み応えのあるページ数ですが、場面の展開が早く、飽きることなく読み切れた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(114)『虚報』堂場瞬一(文春文庫)

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今年の読書(114)『虚報』堂...
『クライマーズ・ハイ』の著者横山秀夫が、群馬の上毛新聞の記者であったことは、ファンであれば承知の事実です。
新聞社の組織構造、真の報道とは何かを考えさせられた一冊でしたが、この『虚報』も、同じ新聞記者出身である<堂場瞬一>の力作です。

大学教授<上山>の自殺サイトがきっかけで、集団自殺事件が起こり、真相を求めて古参の記者<市川>と新人の<長妻>二人を中心に据え、新聞業界の内部組織、雑誌との取材合戦、記者の資質等、現場の経験者でないと感じ取れないリアリティー感を足場に、緻密に構成された人間ドラマが展開していきます。

<上山>自身、「自殺ではない自死だ」という重みのある言葉とともに、年間3万人を超す自殺者の現状を改めて考えさせられる内容でした。自殺した彼らの報道は、新聞に載ることさえありません。
事件性のある時にだけ、自殺問題を取り上げるマスコミの報道姿勢そのものも、考え直さなければいけないと感じさせてくれる一冊です。

「今年の読書」も114冊目ですが、ベスト5に入る候補作品として、挙げておきたいとおもいます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(113)『若頭補佐 白石光義東へ、西へ』浜田文人(幻冬舎文庫)

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今年の読書(113)『若頭補佐...
一成会若頭補佐で花房組二代目組長 <白岩光義> を主人公に据え、今は薄れた<任侠道>を十分に楽しませてくれる、痛快エンタティメント小説です。

本来は大阪に本部を置く花房組ですが、東京に出てきた際に若い女が拉致されようとする現場に蜂合わせをし、彼女がマレーシア人の留学生で、語学学校と共謀して留学生を食い物にするNPO法人や暴力団が絡んでいる被害者であることを知り、ひと肌脱ぐ行動を取ります。

その裏側で、自分たちの一成会の内部のゴタゴタを取り仕切る話しが平行して進み、<白岩>の男儀のある活躍が楽しめます。

縁遠い<任侠道>の世界ですが、歯切れのいい文章と、小気味のよい脇役たちの登場で、十分に楽しめました。

以前によ見ました黒川博行の 疫病神シリーズ『螻蛄(けら)』 も、関西ヤクザを舞台にしたエンタティメントでしたが、どちらも甲乙つけがたい面白さだとおもいます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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