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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(60)『ラスト・コード』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(60)『ラスト・コ...
前回は同じ著者による 『バビロンの秘文字(上)』 ・ 『バビロンの秘文字(下)』 を読み終えていますが、下巻においてシュメール文字の解読役として、19歳の「一柳美咲」といわくありげな「筒井」刑事が突然舞台に登場してきました。著者は、他の作品の主人公たちを、ファンサービスなのかさりげなく脇役として登場させることがよくあり、気になり調べてみましたら本書『ラストコード』(2015年11月25日刊行)に辿りつきました。

癌治療薬「ナノマシン」の研究をしている父親「一柳正危起」が、自宅にて惨殺され留学先のアメリカから帰国した14歳の「美咲」を、渋谷中央署の「筒井」刑事は彼女を羽田で迎えますが、その帰路、道路上で何者かに襲撃され、宿泊先のホテルでも襲われます。犯人の標的は「筒井」なのかそれとも「美咲」なのかわからない状況で、近くの警察署に逃げ込みますが、まともな応対が受けられません。熱血刑事と天才少女息詰まる逃避行が始まります。

裏側では、警視庁と公安が糸を引いているようで、新薬開発のデーターを中国側に打っているのではないかと外務省がらみの案件として産業スパイとして父親がマークされていました。

孤立無援の「筒井」ですが、14歳らしからぬ「美咲」の保護につかれながら、「筒井」は、警察を辞め私立探偵となった「小野寺冴」の協力や「小野寺」の元相棒「鳴沢了」刑事の陰ながらの護衛協力を得ながら、事件の真相に辿りつきます。この二人の登場も堂場ファンは思わずニヤリとならざるを得ません。

事件解決後に「筒井」は「美咲」の今後の身の安全を考えて、FBIの保護承認プログラムを利用して、「美咲」の新しい身分を警察上層部に対して要求を認めさせます。
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今年の読書(59)『バビロンの秘文字(下)』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(59)『バビロンの...
ハラハラドキドキの場面展開で読み終えた(545ページ)の 『バビロンの秘文字(上)』 ですが、下巻は穏やかに流れていきます。

恋人「里香」の襲撃事件、同僚「アイラ・リン」の拉致の阻止に失敗した「鷹見」は、一度日本に帰国、粘土板<バビロン文書>の解読にシュメール語の権威である「竹入教授」の協力を仰ぎますが、解読できずに「暗号文」ではないかとの結論を出されてしまいます。

「鷹見」はCIAの「ウォン」の協力により、暗号の天才として承認保護プログラムで別人になっている19歳の「田野倉朱里(一柳美咲)」を紹介され、大使館員の「牧」の協力でベルリンに出向き「ハンセン」の持っている暗号キーとしての粘土板を基に<バビロン文書>の解読に成功します。

ラガーン人によるイラン国内に新バビロン建設を無視する態度を示すアメリカ大統領でしたが、神殿があるとされる遺跡爆破を無人戦闘機にて破壊させるメリ例を察知した「鷹見」は、CIAの「ウォン」に対して攻撃を中止させるためにとり時期を持ちかけ脅します。

預言書の建国の日とされる日付が何事もなく過ぎ去り、「鷹見」は「里香」とベルリンで再会しますが、「里香」は「鷹見」の元から立ち去ってしまいます。ラブサスペンスかなとも思えた上巻唐の流れでしたが、肩透かしを食らった下巻(573ページ)のエンディングでした。
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今年の読書(58)『バビロンの秘文字(上)』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(58)『バビロンの...
古代言語学者としてストックホルムの言語研究所に勤める恋人の「松村里香」に仕事を兼ねて訪れたカメラマン「鷹見正輝」ですが、研究所に付く目の前で、彼女の勤務先である国際言語研究所のビルが爆破されました。

「里香」の安否を確かめるために「鷹見」は爆破されたビルに辿りつきますが、爆破現場から自転車で立ち去る「里香」の後ろ姿を目撃、連絡を入れても応答がありません。

「里香」には、シュメール語で書かれた未解読の粘土板<バビロン文書>を持ち出した疑いがあり、研究所のサーバーから<バビロン文書>に関わるデーターが消えていました。

必死に「里香」の行方を探す「鷹見」でしたが、「里香」からの連絡で、<バビロン文書>と呼ばれる粘土板を手に入れた「鷹見」は、研究所の署長から、ベルリンのシュメール語の学者「ハンセン」に会うために休暇届が出ていたことを知り、ベルリンへと出向きます。

「ハンセン」邸で、「里香」と偶然再会した「鷹見」でしたが、預かっていた粘土板を「里香」に奪われ、逃走されてしまいます。必死で追いかける「鷹見」でしたが、同じく祖国バビロンの再建のために粘土板の奪取を狙うラガーン人の強硬派の追っ手に追われ、「里香」は、ミサイル攻撃に会い、橋の上から車もろとも海に沈没してしまいます。

ニューヨークでは、イラン国内に4500年ぶりとなるバビロン国建国宣言がラガーン人の強硬派から出され、世間を驚かせます。

言語研究所の爆破でけがをした「里香」の同僚の「アイラ・リン」に面会しようと病院に出向いた「鷹見」でしたが、「アイラ・リン」はラガーン人らしき一味に拉致される現場に出会い、バイクで追跡する途中で衝突事故にあってしまい逃げられてしまいます。めまぐるしくヨーロッパを駆け巡り、行く先々でCIA、ロシア政府、地元警察・日本大使館員が介入してくる怒涛の幕開けの上巻(545ページ)は終わります。

恋人「里香」と同僚の「アイラ・リン」の安否は、粘土板<バビロン文書>の持つ意味とは、CIAとラガーン人の強硬派の動きも気になりながら下巻へ。
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今年の読書(57)『想いであずかり処 にじや質店』片島麦子(ポプラ文庫)

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今年の読書(57)『想いであず...
著者の<片島麦子>さんは、1972年広島生まれ。2010年8『ウツボの森の少女』で「第4回パピル新人賞・特別賞」を受賞、作家デビューの予定でしたが、刊行されず、2013年6月「第26回大阪女性文芸賞」の佳作となった『中指の魔法』にて作家デビュー、同署でワルプルギス賞を受賞しています。

『想いであずかり処 にじや質店』には、5話が収録されています。月満月の夜にだけ開店する質店を舞台とし、条件を満たせば、お金を貸してくれる代わりに願いを一つ叶えてくれるますは、そんな不思議な質店に訪れる人々の願いにスポットライトを当て、そこに込められた想いに迫っていく物語です。

物語の舞台となる「にじや質店」は、二階建てのビルほどの大きさの古めかしい白漆喰の建物。そこだけタイムスリップしたような重厚な雰囲気が漂っています。大学生の「間宮いろは」は、たった一度会話を交わしただけの「ある人」との約束で、「にじや質店」へやって来ました。
しかし、そこにいたのは「いろは」が会いにきた人物ではなく、店主の「野々原縫介でしたた。すると「縫介」は「いい満月ですね。では、願いをどうぞ。ここで叶えられるのは、心から求めている願いだけですよ」と、「いろは」に声をかけます。
「いろは」がやってきたのは、願いを叶える質店でした。

「縫介」は、説明します。「代償、と云ってもいいかもしれませんね。願いをひとつ叶える代わりに、あなたにとって今現在大切なものをひとつ失う。何の犠牲も払わずに願いを叶えようなんて虫がいい話ですからね」
自分にとって今現在大切なものは何か? それを失ってまで叶えたい願いはあるか? 依頼者は、願いにかける本気度を試されることになります。

本書はタイトルも表紙もいかにも心あたたまる物語、といった印象を感じさせてくれます。筆致はイメージどおり穏やかですが、意外と物語のエピソードは現実の厳しい側面を切り取った感じです。

「いろは」が「にじや質店」にくるきっかけとなった人物とは一体誰なのか。「いろは」と「縫介」がそれぞれに感じている家族へのわだかまりは解けるのか。本書はやさしさ、あたたかさだけでなく、そこに緊張の横糸が一本織り込まれています
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今年の読書(56)『僕と君の365日』優衣羽(ポプラ文庫)

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今年の読書(56)『僕と君の3...
毎日を無難に過ごしていた高校二年生の僕(蒼也)は、進学クラスから自ら希望して落ちてきた君(緋奈)と隣の席になる。その矢先、僕は「無彩病」にかかっていることを知る。

「無彩病」とは、実際には存在しないフィクションの病であり、次のように設定されています。「十年前からはやり出した原因不明の病」「はじめはある一色から色を認識できなくなり、やがてすべてがモノクロに変わり、一年ほどで死に至る」「発症率は十万人にひとり」。

僕は担当医師より「人間の目の網膜には錐体細胞というものがあります。この細胞は特定の波長を感じることで脳に情報を伝え、今、私たちが見ている世界の色を形作っているんです」「この錐体細胞が少しずつ死滅していき、最後に世界は灰色になり、やがて謎の死を迎える。それが、無彩病です」と説明を受ける。
それでもなお、視覚異常が死に直結する理由などは不明。「無彩病」は、避けられない死の脅威で人々を恐怖に陥れる、得体のしれない病との設定です。

「これから先、学校に来る必要はあるのだろうか。どうせ死ぬんだから、わざわざ勉強なんてしなくてもいいじゃないか」と自暴自棄になっていたある日、僕が「無彩病」であることを君に知られてしまう。

どうしようもない現実に腹を立て、関係ない君に八つ当たりする僕に、君は驚きの提案をする。「あなたが死ぬまでの一年間、私はあなたの彼女になるわ。こうして僕と君の「契約のような」365日間の恋がはじまり、1/365日から365/365日までカウントダウンされていきます。

365/365日。僕がこの日を迎えるまでに、色彩は失われ、死への恐怖はやわらいでいく。刻々と迫りくる死を念頭に置くことで、かえって僕は、生きることを切望し、感謝するようになる。「さよならの時間が目の前に迫っている」なか、最後に僕が見た景色。約3ページに渡るその描写が美しく、鮮烈だった。
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今年の読書(55)『トラブルメーカー 警視庁捜査二課・郷間班』梶永正史(宝島社文庫)

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今年の読書(55)『トラブルメ...
警視長捜査二課の32歳の女刑事「郷間彩香」警部補を主人公とし、第12回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』(2014年1月刊行)にはじまり、本書はシリーズ5巻目になり、5篇が納められている短編集になります。

「捜査二課の郷間班」に所属する4人のはぐれ刑事、「鈴木」・「秋山」・「三浦」・「佐藤」たちが、「郷間彩香と関わるな。」との噂を聞きながら、それぞれの捜査の過程で「郷間」と関わり、刑事としての役割を見つめ直してきた過程が描かれています。

女刑事の代表的な登場人物としては、<誉田哲也>の『ストロベリーナイト』で始まる 「姫川玲子」 でしょうか。<乃南アサ>の「音道貴子」も好きなキャラクターです。<深町秋生>の破天荒な 「八神瑛子」 もはずせませんし、<秦建日子>の 「雪平夏見」 や<結城充孝>の 「黒葉祐(クロハユウ)」 も個性的です。

ただどの作品にも登場する女刑事は、20~30代という若い年齢で、何となく50歳前後の渋みを持った女刑事の作品が出てこないかなと期待しています。
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今年の読書(54)『操る男』田村和大(宝島社文庫)

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今年の読書(54)『操る男』田...
2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」の優秀賞受賞作 「筋読み」 で作家デビューした著者ですが、本書は「筋読み」の主人公「ヨミズナ」こと警視庁捜査第一課の「飯綱知也」警部補を主人公とする第二弾になります。

元かが捜査研究所(科捜研)の職員が相次いで建築工事用の釘打ち機で殺される事件が起きます。現場から採集されたDNAは、強制わいせつ罪で逮捕され、刑期を終え出所したばかりの犯人<北村良雄>のものでしたが、彼は逮捕時から無罪を訴え続け、獄中からも再審請求を出し続けていました。

殺人犯の捜査を進める段階で、捜査本部に公安からの横槍が入り、所轄の「瀬川」巡査長と組んだ「ヨミヅナ」は、「北村」が元科捜研職員によるDNAの不正操作の冤罪だと分かり、意外な犯人の結末に辿りつきます。

DNAをあつかったさくひんとしては、<機本伸司>の 「究極のドグマ」 や <誉田哲也>の 「黒い羽根」 などがありましたが、DNA情報の管理体制の怖さは、<東野圭吾>の 「プラチナデータ」 でも登場していますが、改めて同一人物であるという 絶対的証拠だけに、それを利用する国家権力の怖さを再認識させられる構成でした。
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今年の読書(53)『事典にない大阪弁』旭堂南陵(浪速社)

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今年の読書(53)『事典にない...
書籍のタイトルに「事典」とありますが、「事典風」にまとめられた大阪弁のエッセイ集といった趣の一冊でした。

は、上方講談(講釈師)の大名跡で、著者は三代目<曲堂小南陵>から、四代目<旭堂南陵>を、2006年8月18日に襲名しています。2011年には、寄席芸人として初め博士号(大阪芸術大学)を取得という経歴です。

本書はいくつかの部門から構成されていて、まずは「事典」らしく「大阪弁の言葉(単語)」の解説がまとめられています。

大阪弁に関する著者の使い方を面白く「紹介=笑解」しています。

大坂のうまいもんグルメの紹介、そして、大坂らしい古き良き時代(昭和)の写真でまとめられています。

講談師らしく大坂言葉を大事にされているのが、関西人としてよく理解できる一冊でした。
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今年の読書(52)『御苑に近き学び舎に』荒木源(京都新聞出版センター)

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今年の読書(52)『御苑に近き...
普段気軽に読んでいるエンターティナメント的な小説から少し離れる内容の一冊です。

著者の<荒木源>「1964年~)氏は、京都府生まれ。洛星高等学校卒、東京大学文学部仏文科卒、朝日新聞社に入社。2003年、『骨ん中』でデビュー。2010年に 『ちょんまげぷりん』 (原題『ふしぎの国の安兵衛』)が<錦戸亮>主演で映画化。2015年に『探検隊の栄光』が<藤原竜也>主演で映画化。2016年に『オケ老人!』が<杏>主演で映画化されてきています。

本書は、明治維新間もない京都の町衆が、自分たちの町内会(番組)を中心に、日本で最初の小学校を建設する過程や背景を、市井の豆腐屋「三文字屋」の主人<泰七郎>、妻<たか>一家を中心に据え、史実に忠実にまとめあげられています。

明治から150年が経ち、京都出身の著者ならではの明治維新後の当時の生活感がリアルに感じられ、また母校「京都市立京極小学校」のルーツである「番組小学校」創設にかけた町人たちのの姿を、リアルに描き、歴史書としても面白く読めました。
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今年の読書(51)『警官の目』今野・五十嵐・三羽・誉田(双葉文庫)

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今年の読書(51)『警官の目』...
本書は、警察小説の短編4編を収録したアンソロジーです。どの作家もその世界では第一人者の作家ばかりで、密度の濃い内容で楽しめました。

<今野敏> 『消えたホトケ』
殺人事件ですが、主人公は捜査一課ではなく警視庁捜査第三課の窃盗犯を担当する「萩尾修一警部補」とやる気のある若手の「武田秋穂」とのコンビです。
ビルの一室から血だまりの中にあった死体が消えてなくなったとの事件が起きます。
捜査一課の刑事は手を焼き窃盗を扱う三課に捜査協力を求めてきます。「萩尾」はあるベテランの窃盗犯の話から事件の真相を突き詰めていきます。

<五十嵐貴久> 『汚名』
かって捜査一課の刑事だった父に憧れ刑事になった「千田志朗」ですが、捜査中に同僚を見殺しにしたという汚名をきせられ、退職した父を嫌い、その後縁を切った「志朗」ですが、亡くなった父の遺品整理をしていて事件の意外な真相が浮かび上がってきます。警察官とその家族を絡めた読み応えのある内容でした。

<三羽省吾> 『シェパード』
所轄の強行盗犯係の刑事「佐田」は、とんでもない身体能力を持つ窃盗犯に逃げられますが、窃盗事件の事件の背景を調べるとともに、足の速い生活安全課の「那智」を借り受け、事件が起こりそうな住宅を予想、二人で張り込みます。

<誉田哲也> 『裏切りの目』
池袋署刑事課の「本宮夏生」は、管内で起きた殺人事件を担当します。捜査がすすまないとき、捜査一課長から殺された男の妻の過去を調べるようにと命じられます。命令系統の違う指示でしたが、「本宮」は部下を使って妻を調べます。
単純な事件の裏には、何があるのか、読者を最後まで興味をもって読み終えさせる技量はさすがです。
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