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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(152)『アウトサイダー』深町秋生(幻冬舎文庫)

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今年の読書(152)『アウトサ...
<組織犯罪対策課 八神瑛子>シリーズとして、『アウトバーン』『アウトクラッシュ』 に次ぐ第3巻目が本書です。

主人公の<八神瑛子>は上野署に勤務する女刑事ですが、3年前に起こった暴力団高杉会の<芦屋>会長、並びに金庫番であった<島本>の自殺に不信を抱き、それを取材していた夫<雅也>も、奥多摩の山奥で川に飛び込んで自殺と処理された過去を背負っています。

所属の上野署以外にも<八神>は、刑事たち相手に高利貸しを行い、3年前の事件の真相を暴くべく子飼いを増やし警察内部の情報収集、執念で真相に迫っていきます。

本書にて一応のケリを付けた<八神>ですが、最終行は(第三話 了)の言葉で終り(完)でないだけに、これからも<八神>の活躍が楽しめるのか、気になる終わり方でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(151)『闇猫・冴子』安達瑤(徳間文庫)

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今年の読書(151)『闇猫・冴...
主人公<結城冴子>は、ストーカーから逃れるために戸籍を買い、高級デート嬢として暮らしていましたが、摂津地検特捜部にからんだ売春容疑で<割家>検察官に痛めつけられ、東京から大阪の友人<舞子>の家でのんびりとしていました。

バカンスで出かけた海水浴での日焼けがひどく、デート嬢のピンチヒッターとしてホテルに出向いた<舞子>は何者かに殺されてしまい、現場を目撃した<冴子>は、多田組のヤクザの警戒網を逃れて四国に逃げ延びます。

逃避先でも仕事は順調にあり、四国を去ろうかという最後の仕事に出向いたホテルにいたのは<割家>であり、検察庁に絡む裏金問題を摘発し、併せて<舞子>殺しの犯人を突き止めようと働きかけられ、しぶしぶ<冴子>は<割家>に協力することになっていきます。

播磨組の組長の跡目を狙う多田組の<多田>やヤメ検弁護士<那珂川>、<多田>愛人<麻由美>などが入り乱れ、破天荒ながら娯楽小説として楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(150)『生存者ゼロ』安生正(宝島社文庫)

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今年の読書(150)『生存者ゼ...
陸上自衛官<廻田>三等陸佐は、根室沖に浮かぶ石油掘削基地「TR120」がテロ攻撃を受けたかもしれないということで、悪天候のなか現状に出向きますが、職員全員が無残な死体となっていました。

調査の結果、死体の体内から未知なる「絶対嫌気性桿菌」が発見され、政府は細菌学者の<富樫>を国立感染症研究所に呼び研究をさせますが、かってのライバル<鹿瀬>の陰謀で、研究が出来なくなってしまいます。

感染は一時終結したかのようにみえましたが、今度は北海道東部の街が全滅してしまいます。<廻田>は「どうやって海上から陸地に侵入できたのか?」との疑問を持ち、再度「TR120」に出向き、そこで「シロアリ」を発見、生物学者の<弓削亜紀>の協力で、細菌により「シロアリ」が肉食性に変体したことを突き止めていきます。

東宝にて映画化された 『感染列島』 (封切:2009年1月)の原作として、<吉村達也>著の 『感染列島 パンデミックデイズ』 がありますが、この時の新型ウイルスの宿主は「ダニ」でした。

首相を筆頭に政府役人の危機感のなさと身の保全振りがさもありなんと描かれ、未曾有の出来事に立ち向かう<廻田>たちとの対比が見事で、最後までパンデミックの危機感を感じながら楽しめたバイオサスペンスでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(149)『僕の死に方』金子哲雄(小学館文庫)

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今年の読書(149)『僕の死に...
「終活」という言葉が一般的になってきていますが、『僕に死に方』というタイトルを見ながら、著者<金子哲雄>を全然知らないだけに、逆に興味を持って読んでみました。

著者<金子哲雄>(1971年4月30日~2012年10月2日)は、「流通ジャーナリスト」という肩書で、テレビやラジオ番組などに出演、一般消費者に対して経済を分かりやすく解説していた人物とのこと。

死因となったのは肺に腫瘍ができる「肺カルチノイド」で、日本でも数例しか発病例がなく、ガンと同様の治療方法しか見いだせていません。

医者からはいつ死んでもおかしくないと言われ、存命中から自ら葬儀屋から葬儀場の手配、戒名や仕出し弁当の準備、公正証書による遺言状の作成とまさに「終活」の準備をすべて整え、妻に看取られながら自宅で静かに亡くなっています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(148)『舟を編む』三浦しをん(光文社文庫)

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今年の読書(148)『舟を編む...
大手総合出版社の辞書部門に37年勤めていた<荒木公平>もいよいよ定年、大学教授の職を捨て新しい国語辞書『大渡海』の編集に心血を注いでいる<松本>先生のサポートとして、大学院で言語学を学んだ27歳の<馬締(まじめ)光也>を自分の後継者にと考えます。

<馬締>は名前通り几帳面で、何事にも真剣にとりくむ真面目さで、辞書部門の仲間とも打ち解けて仕事に励む傍ら、下宿先の大家<タケばあさん>の孫で板前修業中の<林香具矢>と知り合い、不器用ながらも妻として娶ることができます。

時は経ち辞書部門の主任となった<馬締>も40歳、辞書発行も大詰めになりファッション雑誌担当であった若い<岸辺みどり>が配属され、彼女もまた辞書作りに情熱を燃やすことに感動を覚えていきます。

タイトルの『舟を編む』や辞書名『大渡海』の名称は、<辞書は言葉の海を渡る船>に関連付けられており、『星間商事株式会社社史編纂室』 と同様に、一つの仕事に真剣に取り組む人たちを描く著者の姿勢がよく表れた作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(147)『老猿』藤田宜永(講談社文庫)

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今年の読書(147)『老猿』藤...
語り手は59歳の<中里太郎>、結婚30年にして妻以外の女性と関係を持ち離婚、勤務先のホテルは買収されてリストラに合い、父親が残した軽井沢の別荘に一人移り住みます。

隣家には<高村光雲>の彫刻『老猿』を彷彿させる老人<岩熊>が住み、向かいには不動産会社を経営する男の愛人<孫春恋(スン・チェンリン)>が住んでいましたが、お互い交流もなく、静かな日々を過ごしていた<中里>でした。

ある夜、社長の妻が突然現れ、向かいの家から<春恋>が逃げてきて、一晩泊めるところから物語は大きく展開していきます。

なぜか中国人を嫌う<老猿(岩熊)>、<中里>の家に居候を決め込む<春恋>の不審な行動、やがて男女の関係に陥る<中里>と<春恋>、物語は壮大な叙事詩を醸し出しながら三人の運命を非日常的な世界に引き込んでいきます。

パリにて小説家を目指していた<老猿>が、「建築家が居心地の悪い家を作り、それを施主に売り渡す。施主はこんな家を建てやがって、と建築家に腹を立てる。しかし、居心地が悪いのに、施主はなぜか、その家から離れられない。そんな小説が私の理想なんだ」との言葉が、建築設計を生業とするわたしの心に響き、また老いてゆく人生の機微を考えさせられる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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神戸ご当地(338)開店10周年フェアー【トンカ書店】元町福穂ビル2階

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神戸ご当地(338)開店10周...
2005年に、中央区下山手通3丁目に開店しました<ザックバランな古本屋【トンカ書店】>が、12月20日(日)に開店10周年を迎えられます。

貸しビルの2階にあり、道路を歩いている人がフラリと入る店構えではないだけに、開店当初は大丈夫かな心配しておりましたが、<坂上>店主の頑張りでひとつの節目を迎えました。

10周年を記念して10月から12月にかけて色々な行事が企画されており、昨日から11月15日(日)までは、神戸市内の古書店主を写真家<永田収>氏が撮られた『古書店主・人物往来』が展示されています。

子供の頃に10円で貸本を借りていました兵庫区平野にある「山田書店」、今は二代目さんが古書店として引き継がれ、店主はギターが趣味ということで古本に囲まれた中でギターを弾く姿が楽しげでした。

11月16日から11月29日には、新潮社の<純文学書下ろし特別展>として、1961年~2000年に発行された全冊が展示予定、40年間の歩みが楽しめる企画になっています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(146)『パダム・パダム』古野まほろ(光文社文庫)

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今年の読書(146)『パダム・...
主人公は30歳前のキャリア警察官<二条実房>で、前作 『命に三つの鐘が鳴る』 では埼玉中央署に見習い警部補として勤務、かっての学生時代の非合法活動の同志に絡む事件を捜査していました。

今回は、京都の平安署に発生している3件の連続殺人事件で、刺殺した相手の目をえぐり取ることにより、通称<眼喰鬼(ガン・イーター)>を捜査すべく平安署長として赴任してきますが、着任早々警邏に付いていた現役警察官が4人目の犠牲となります。

キャりア警察官として、イギリスに犯罪心理学の留学経験を生かし、<二条>は自ら事件解決のために動き出します。

一般の警察小説とは違い、著者自らの経歴が警察庁Ⅰ種合格のキャリアであり、警察大学校主任教授の職歴があるだけに、国と地方警察署という縦社会の組織の描写は秀逸でした。

題名の『パダム・パダム』は、フランスのシャンソン歌手<エディット・ピアフ>の歌ですが、冒頭に訳詩が載せられ、1980年を舞台とした本書にとって読後に一抹の哀愁を感じさせるタイトルでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(145)『ドルチェ』誉田哲也(新潮文庫)

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今年の読書(145)『ドルチェ...
著者<誉田哲也>には、男勝りのタフな精神を持つ女性刑事 <姫川玲子> を主人公にした著作が7冊出ていますが、本書も42歳の元捜査一課の女性刑事<魚住久江>を主人公に据え、表題作の『ドルチェ』を含めて6短篇が納められています。

<魚住>は過去に本庁の捜査一課に籍を置いていたにも関わらず、現在は練馬署の刑事課強行犯に勤務、人が殺されてからの捜査に疑問を感じ、度重なる一課への復帰を断り続けています。

<魚住>が扱う事件は殺人事件ではなく、わいせつ事件や傷害事件、自動車事故などの身近に起こる日常的な事件を中心に、必ずしも捜査一課の刑事だけが優秀ではなく、人生経験の積み重ねからくる知恵と洞察こそが捜査に生きてくるという信念で行動しています。

ヘビースモカーで独身、外食はせず食事を作り、ビールはグラスに注いで飲むという生活習慣で、現在上映中の『アンフェア the end』の女性刑事 <雪平夏美> とは、正反対のキャラクターが引き立つ警察小説でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(143)『あかんべえ』宮部みゆき(PHP文芸文庫)

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今年の読書(143)『あかんべ...
苦労して築き上げた<賄い屋「高田屋」>の主人<七兵衛>は、長年の夢であった料理屋を、弟子の<太一郎>と<多恵>夫婦たちに暖簾分けの形で海辺大工町に『ふね屋』を屋号として開店させます。

お店の初めての宴席の場所に、突然(亡者)の<おどろ髪>の男が現れ、抜身の刀で暴れ出すという出来事が起こりますが、(亡者)の姿が見えたのは<太一郎>夫婦の12歳の娘<おりん>だけでした。

<おりん>は子供の頃の病気で臨死体験があり、なぜか『ふね屋』に住みつく成仏できない5人のお化け(亡者)たちと次々に遭遇、『ふね屋』のある場所は30年前にお墓であり、菩提の興願寺には非道の住職がいたことが、お化けたちの話から分かります。

人間の心に巣食う欲望や見栄の大人の世界を垣間見ながら、健気で大人びた<おりん>の心の動きがよく描かれており、切ないながらも心に沁みるファンタジーとして楽しめた680ページでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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