なんとも魅惑的な色合いと、平たい花弁が中心まで整然と並ぶデコラティブ咲きの<ダリア>【ジェシーリタ】です。 原産地のメキシコからイギリスに渡り、多くの園芸品種を育生し、花色は青色以外はほぼ全部そろっている感じで、黒紫色の 「黒蝶」 という品種も、独特な色合いです。 <ダリア>は、18世紀のスウェーデンの植物学者<ダール>にちなんだ名前で、日本には1842(天保13)年、オランダから渡来しています。 花径10センチばかりあり、八重の花弁の美しさに、見とれておりました。
3~5月頃に、花径5~7ミリ程度の白い小さな5弁花の花を咲かせる【ユキヤナギ(雪柳)】ですが、はや花を咲かせておりました。 バラ科シモツケ属の落葉低木種ですので、秋の紅葉と共に葉も落ちて、茶褐色の枝だけを見せています。 この時期ですから、随分と早い開花なのか、昨年度からの二度咲きなのかの判断が出来ませんが、それにしても寒い時期の開花に驚いてしまいます。 中国では「噴雪花」と表記されていますが、正に満開の姿は、株全体が雪をかぶったように白い花一色に染まります。 昆虫好きとしては、タテハチョウ科の 「ホシミスジ」 の幼虫の食草ですので、生い茂る株を見ていますと、今年も成虫との遭遇を期待してしまいます。
道端に観葉植物として人気の高い【インドゴムノキ】が置かれているのを見つけました。 あまり大きくない植木鉢に植えられていましたが、優に高さは3メートルを超えていました。 クワ科イチジク(フィカス)属の常緑高木で、成長しますと30メートルほどの樹高になります。 若い木ほど葉は大きくて長さ30~40センチ、老木になりますと10センチばかりにしか成長しません。 昔は天然ゴムの原料として使われていましたが、今はブラジル原産の「パラゴムノキ」が主流で、インド原産の【インドゴムノキ】は鑑賞用に育てられています。 「ユッカ」 は「ユッカガ」のみが受粉の媒介者となりますが、イチジク類もその種ごとに花粉を媒介する「イチジクコバチ」がおり、花に産卵してそこで成長、成虫が他の花へと移動するときに花粉の媒介が行われる共生関係にあります。
花の少ない時期、ブログのネタとしての神頼みは、多肉植物か観葉植物たちです。 【ヤブラン(藪蘭)】は、ユリ(ナギイカダ)科ヤブラン属の常緑多年草として、日本を含む東アジアに分布しており、別名として学名より「リリオペ」や紫色の穂状の花を咲かせますので「サマームスカリ」と呼ばれています。 日本では、「ヤブラン」 ・ 「ヒメヤブラン」 ・ 「コヤブラン」の3種があり、写真の【ヤブラン】は園芸品種として葉に淡黄色の斑が入り、「フイリヤブラン」と呼ばれています。 名称通り藪の様な暗い場所でも耐陰性があり、樹木の陰でも生育が可能です。 園芸店では葉の形状がよく似ていますので、「ミスカンサス」という名称で流通しているのを見かけます。学名上の「ミスカンサス」は、イネ科ススキ属の植物ですのでまったく別種であり、「キキョウ」ではないのに 「トルコギキョウ(ユートマス)」 として販売していることに似ているようです。
照明器具の光源の加減でしょうか、やや黄色気味の映り具合いですが、きれいな橙色をしています【マリークレア】です。 外弁と弁先に、少し濃い目の橙色が入っている特徴を持っています。 冬のこの時期<バラ>が少なくなりますが、年間を通じて安定した気温により、ボリューム感のあるケニア産の<バラ>です。 ケニアは1970年代に「カーネーション」の栽培を始めていますが、1980年代から<バラ>の生産が急激に伸び、日本に輸入される<バラ>はオランダを経由してきますが、40%がケニアローズと呼ばれているケニア産です。 本種【マリークレア】をはじめ、「バレンチノ」 ・「メモリー」 ・ 「キャンディードロップ」などが、切り花用として良く見かける品種です。
<スイートピー>の花といえば、優しい淡い桃色系の色合いが印象的ですが、写真の【ネイビーブルー】は、濃い紫色の花弁です。 大きな花姿で、甘い香りが漂い、他の品種よりも花梗が太くて長い特徴を持っています。 学名では「Lathyrus odoratus」よ表記され、「Lathyrus」はギリシア語で、「 la(非常に) + thyrus(刺激する)」が語源で、香りがいいところからきているようです。 英名では「Sweet pea」ですが、これも「甘い豆」や「香りある豆」の意味ですので、花自体に種々の香りがあることがわかります。
枝ぶり4メートルばかりある、大きな【コダチチョウセンアサガオ】を見つけました。 ナス科キダチチョウセンアサガオ属に分類され、一般的には春から秋にかけて下向きに垂れ下がるように花を咲かせます。 低温に強くて丈夫だといわれていますが、さすがこの時期に満開の状態は足が止まりました。 遠目からの観察ですが、枯れた花の色も茶黄色ですので、【コダチチョウセンアサガオ】と同定しました。 同じ仲間には、 「キダチチョウセンアサガオ」 がありますが、こちらの花色は、最初は淡黄色ですが次第に紅色に変化、<蕚>の先端は4~5浅裂しています。 どちらの和名も、漢字で表記しますと「木立朝鮮朝顔」となりますので、読み方の違いで、花色が違うことを意識しなければなりません。
原産地はトルコのアナトリア地方とされている<チューリップ>ですが、これまた園芸品種の多い植物として有名です。 日本には江戸時代後期の渡来ですが、当時はあまり人気がなく、大正時代に入り新潟市で本格的に球根栽培が行われ、今では新潟県と富山県で国内シェアーの98%を占めています。 本種はレンブラント咲き の<チューリップ>ですが、普通種(ダーウィン系)または(トライアンフ系)と呼ばれるカップ咲きの花の系統で、縞模様や絞り模様のある<チューリップ>を指します。 写真の【フレミングフィラッグ】は、白地の花弁に紫色の絞り模様の入る二色咲きで、優雅なふっくらとした花姿をしており、香りがする(トライアンフ系)の品種です。
意外なことに<生け花>などにもよく目にする<カーネーション>ですが、今迄取り上げていませんでした。 ナデシコ科ナデシコ属の多年草で、南ヨーロッパおよび地中海沿岸が原産地といわれています。 古くから園芸品として扱われ、17世紀にはイギリスやオランダで品種改良が進み、日本には江戸時代初期に渡来、19世紀には現在の系統になる品種が生み出されています。 <カーネーション>の語源は諸説あり、ラテン語の「カルニス=肉色」に由来している、また、イギリスで冠を飾る花として用いられたことにより戴冠式(コロネーション)による説が有力です。 今はハウス栽培で一年を通じて供給されていますが、やはり<カーネーション>は5月の第2日曜日の「母の日」の前が、出荷の最盛期です。
昨日は、魅惑的な<ラナンキュラス>の 「マコン」 をアップしましたが、それにも劣らないゴージャスなハイブリットティーの<バラ>、【イブピアッツェ】です。 赤桃色(ローズピンク)らしく見えますが、やや紫がかった色合いが奥深さを感じさせてくれます。 1982年バガルデ国際コンクール芳香カップ賞、ジュネーブ国際コンクール金賞および芳香賞を受賞をしており、非常に濃い香りを漂わせます。 華やかさがある色合いとして、ウエディングブーケの素材としてよく使われている<バラ>です。