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神戸:ファルコンの散歩メモ

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神戸ご当地(1404)今年の読書(6)『スマバレイの錆びれた時計塔』ゴンドーマサキ(石田絵本)

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神戸ご当地(1404)今年の読...
神戸舞台にした絵本『スマバレイの錆びれた時計塔』(原作:<ゴンドーマサキ>・挿し絵:<hare>)が、1月26日より一般発売されています

絵本は、神戸の須磨・塩屋エリアをモデルにした小さな架空の町「スマバレイ」を舞台としています。町の象徴ともいえる時計塔は、時代の移り変わりとともに厄介なものになっていました。「時計塔の取り壊し」を主導する父親を誇らしく思う主人公の「ケイト」でしたが、クラスメイトの「ジェニファー」から時計塔が心の支えになっている人たちの存在に気付かされます。しかし、予定通りに時計塔は撤去され、「スマバレイ」から鐘の音が消え、ひとりの老婆が亡くなったことで、「ケイト」はクラスメイトたちと共に時計塔の代わりに「時を知らせる行動」を決行します。

ライターやコンテンツディレクターとして活動する神戸出身の<ゴンドーマサキ>さんが、2018(平成30)年に書いた短編小説を原作としています。挿絵はイラストレーターの<hare>さんが担当しています。

絵本の製作費は昨年9月からクラウドファンディングで支援者を集め、1カ月間で目標額の195%を達成しました。「絵本の世界に看板を出せる券」が完売するなど、販売前から関心があつまっていた絵本です。

「神戸カレー食堂 ラージクマール」(兵庫県神戸市中央区北長狭通3丁目2-16・月曜定休日)では、絵本に登場する「ヴィオラのカレー」を再現。現在店内の壁面を利用した原画展が、2月18日(金)まで開催されています。
#ブログ #絵本 #読書

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今年の読書(5)『ゆうれい居酒屋』山口恵以子(文春文庫)

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今年の読書(5)『ゆうれい居酒...
呑み助さんとしては「居酒屋」というタイトルで手にしました<山口恵以子>の『ゆうれい居酒屋』です。文庫書下ろしとして、2021年12月10日に発行されています。

著者の<山口恵以子>さんは、44歳のときに丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務(役職は調理主任)。新鷹会会員となり小説を書き、2007年、50歳のときに『邪剣始末』で作家デビュー。2013年『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞しています。調理経験を活かし『婚活食堂』シリーズや『食堂のおばちゃん』シリーズなどの人気グルメシリーズがあります。

本書は、新小岩井駅南側の商店街の路地裏にある居酒屋「米屋(よねや)」を舞台としています。10年前に釣り好きの夫を亡くした後、女将の「米田秋穗」が一人で守ってきたカウンター七席の小さな居酒屋に、赤ちょうちんに惹かれて悩めるお客がやってきますが、「秋穗」の簡単な作り置きの総菜を味わいながら、女将さんとの会話を通して、偉大な料理人を父に持つ若者、女優として壁に当たっている女性、大学の研究室の師弟関係で悩む研究生、グルメレポーターの将来性に悩むタレントなど、食べて飲みながらに悩み事を解決してゆく短編が5話収められています。

彼らが後日お店に出向きますとその場所には「米屋」は見当たらず、近くのお店に入り尋ねると、「米屋」は30年前に女将さんがなくなってお店を閉めたことを知らされます。

小説のあとには、お店で文中に登場した簡単な肴のレシピが掲載されています。

赤ちょうちんファンの私には、ほのぼのとした居酒屋の雰囲気がよく伝わり、東京系らしく「ホッピー」などが登場し、面白く読み終えました。他のグルメシリーズと同様に続編を期待しています。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(4)『約束』葉室麟(文春文庫)

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今年の読書(4)『約束』葉室麟...
著者<葉室麟>(1951年〈昭和26年〉1月25日~2017年〈平成29年〉12月23日)ということで亡くなられていますが、没後の2020年秋に署名入りの原稿が発見された青春歴史小説『約束』です。2021年12月10日に文庫本として発売されています。

敗者や弱者の視点を大切にした武士や農民の生きざまを丁寧に描く<葉室麟>の作品は大好きで、「今年の読書」でも数多く取り上げてきています。本書『約束』は江戸時代を離れ、明治維新当初の明治6年(1873年)を舞台に繰り広げられていきます。

現代の高校生男女4人が雷に打たれ、その拍子に意識が時を飛び、明治6年に生きる青年たちの身体に入り込みます。明治人と現代人の二つの意識を持つ若者らは、「西郷隆盛」、「大久保利通」、「勝海舟」など明治維新の立役者たちの身辺に仕えながら、否応なく歴史のうねりに飲み込まれ、やがて西南戦争が起ころうとしていました。

日本近代史としての曙の時期の主要人物たちの考え方や行動が、征韓論から西南戦争に至る経緯を軸とした史実に沿いながら描かれ、過去の歴史を知る若者たちを関与させながらの構成、面白く読み進めました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(3)『韓国カルチャー』伊東順子(集英社新書)

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今年の読書(3)『韓国カルチャ...
著者<伊東順子>には、『韓国 現地からの報告』(ちくま新書)、『もう日本を気にしなくなった韓国人』(洋泉社新書)、『ピビンバの国の女性たち』(講談社文庫)などの著書があり、2017年に「韓国を語らい・味わい・楽しむ雑誌『中くらいの友だちー韓くに手帖』」(皓星社)を創刊しています。

本書では、近年話題となった映画、ドラマ、小説などを通じて韓国のリアルな姿を論じています。韓国人にとっての「パワーワード」である「ヒョン(兄)」の意味、一般富裕層とは違う財閥の役割、挨拶代わりの「ごはんを食べましたか?」という問いかけなど、さまざまな文化を掘り下げています。

登場する作品は、映画化もされた小説『82年生まれ、キム・ジヨン』や、映画『南部軍~愛と幻想のパルチザン~』『ミナリ』『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』『パラサイト 半地下の家族』、ドラマ『サイコだけど大丈夫』・『愛の不時着』・『梨泰院クラス』・『Mine』・『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』・『賢い医師生活』、小説『もう死んでいる十二人の女たちと』・『こびとが打ち上げた小さなボール』・『野蛮なアリスさん』などが取り上げられています。

「キム・ジヨンはなぜ秋夕の日に憑依したか?」・「性的マイノリティと梨泰院」・「『ミナリ』は『パラサイト』とは真逆の映画かもしれない」といったテーマを、解説しています。

思想家の<内田樹>は「映画やドラマを見て、そこそこ隣国のことをわかった気持ちになっていたけれど、この本は韓国のほんとうにわかりにくいところ、『字幕にできない』ことをていねいに教えてくれる」と帯に推薦分を寄せています。
#ブログ #新書 #映画 #読書

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今年の読書(2)『夢の島』大沢在昌(集英社)

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今年の読書(2)『夢の島』大沢...
本書『夢の島』は1999年9月に双葉社から単行本が刊行され、双葉文庫・講談社文庫を経て、2021年11月25日565ページと厚みのある集英社文庫として発売されています。

母と離婚して24年間音信不通だった父が亡くなったとのその知らせを受け、駆け出しのカメラマン「絹田信一」は、父「洋介」の最後をみとってくれた静岡県三島市に住む女性「早坂妙子」のもとに出向き、画家だった父の形見として描き掛けの油絵を一枚を持ち帰ります。

すると、急にプロダクションから大きな仕事の依頼が舞い込んできます。さらに、ヤクザに脅され、"父の友人"だという男から妙な連絡があり、どうやら父が残した「絵」に描かれた「島」には莫大な「遺産」の鍵が隠されていることが判明してきます。

そんなおり、友人の「鯉丸」のゲイバーで知り合った「杉並」が麻薬Gメンだとわかり、彼の協力で「島」の宝物は、昔「アイランドスティック」と呼ばれた上質の大麻だとわかります。

「慎一」は、父の遺産を焼き払うべく、単身「夢の島」へ向かいますが、「島」では思わぬどんでん返しが待ち受けていました。

本書が『小説推理』に連載されました1998年は、<小渕恵三>による内閣が発足し、孤独死が社会問題となり、金融機関に対する「モラル・ハザード」議論やイラクで発生した武装グループによる日本人人質事件発生による「自己責任」論が課題として取り上げられていました。また、長野オリンピックが開催され、和歌山毒物カレー事件が発生し、明石海峡大橋が開通しました。夏の甲子園高校野球決勝戦で横浜高校の<松坂大輔>がノーヒットノーラン達成し、「ハマの大魔神」こと<佐々木主浩>投手が活躍した横浜ベイスターズが38年ぶりにリーグ優勝と日本一に輝いた年でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(1)『蟻の棲み家』望月諒子(新潮文庫)

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今年の読書(1)『蟻の棲み家』...
著者<望月諒子>さんの『蟻の棲み家』は、神戸市西区に在住と知り始めて手にしました著作です。2018年12月21日に単行本が刊行、2021年11月1日に文庫本が発売されています。銀行勤務を経て、学習塾を経営。2001年、『神の手』を電子出版で刊行し作家デビュー。2010年、ゴッホの「医師ガシェの肖像」を題材にした美術ミステリー『大絵画展』で第14回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞されています。

本書は、フリーランスの記者「木部美智子」を主人公としたシリーズの5作目になるようですが、それぞれ独立した作品のようで、過去とつながる部分の関連はなく楽しめました。記事を寄稿している『サイエンス』のメンバーや登場する刑事が前作に関連しているように思えるだけでした。

二人の女が別の場所で、連続して銃殺されているのが発見されます。どちらも、身体を売り怠惰な生活を送る母親でした。マスコミが被害者への同情を声高に語る中、フリーの記者「木部美智子」は食品工場の弁当クレーム事件を地道に追っていましたが、誘拐事件が発生、連続女性殺人事件へとつながり、事件を追います。

医者の息子で表の顔として「貧困撲滅NPO」で動いている慶応大生「長谷川翼」と、母親が売春婦の家庭で育った「吉沢末男」、「翼」に助けられたと思われる21歳の売春婦「野川愛里」を絡め、格差社会の典型とも思われる家庭の学生と、底辺から自力で妹と必死に這い上がろうとする男「末男」たちが犯した事件の真相を「木部美智子」の目線で追い求めていきます。

「木部美智子」の記者魂が読み解く、周到な伏線の骨太な犯罪小説で、最後の事件の大どんでん返しの圧巻のラストは、一気読みさせられました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(99)『ミトンとふびん』吉本ばなな(新潮社)

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今年の読書(99)『ミトンとふ...
今年最後の読書記になりそうで(100)の一区切りまでは到達できそうにありません。本書<吉本ばなな>の『ミトンとふびん』は2021年12月22日に刊行されています。

『夢の中』=(金沢)、『SINSIN AND THE MOUSE』=(台北)、『ミトンとふびん』=(ヘルシンキ)、『カロンテ』=(ローマ)、『珊瑚のリング』=(香港)、『情け嶋』=(八丈島)を舞台として6篇の短篇にはそれぞれ、別れや、大切な人の死、何かしらの喪失を経験した主人公が登場しています。ページをめくり始めて感じるのは、激しい言葉や展開はなく、おっとりとした主人公と穏やかな文章であるにも拘らず、いつしか〈吉本ワールド〉に引きずり込まれていました。

愛は戦いじゃないよ。愛は奪うものでもない。そこにあるものだよ。たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていくということ。

凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編が心にしみる短篇集です。
#ブログ #単行本 #読書

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今年の読書(99)『元彼の遺言状』新川帆立(宝島社)

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今年の読書(99)『元彼の遺言...
今年の読書は目標にしている104冊に到達できませんでした。

本年度の第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作の『元彼の遺言状』は、金に目がない凄腕女性弁護士が活躍する、遺産相続ミステリー!です

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司「森川栄治」が亡くなりました。学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の「剣持麗子」は、犯人候補に名乗り出た「栄治」の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなります。数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、「麗子」は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走します。一方、「麗子」は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていました。ところが、避暑地を訪れて手続きを行なったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、「栄治」の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまいます。

茶者の<新川帆立>さんは1991年生まれの本職の弁護士とあって、法曹界のリアルな描写とキャラクターも謎も時にコミカルなストーリー運びも非常に魅力的な一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(97)『帰還』堂場瞬一(文春文庫)

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今年の読書(97)『帰還』堂場...
まさに著者<堂場瞬一>が読売新聞東京本社に入社、社会部記者としての経験が生かされた新聞記者を主人公に据えた『帰還』は、2019年4月に刊行され、2021年11月10日に文庫本が発売されています。

東日新聞の四日市支局長の「藤岡裕巳」が、工場の夜景を撮影中に水路に転落して溺死してしまいます。警察は事故死として処理しましたが、30年前「藤岡」と共に新人記者時代を津支局で過ごした同期3人は、水辺を嫌っていたのを知っているだけに納得がいきません。

現在は編集委員になっている「松浦恭司」、初の女性役員になりそうな独身の「高木歩美」、出世コースを外れ東日文化財団に出向している「本郷太郎」は、なぜ東京本社勤務から四日市支局に転勤願を出したのかという疑問と合わせ、真相究明に動き出します。

まずは「藤岡」の通夜と葬儀にも顔出ししていた元衆議院議員の「猪熊」の存在に疑問を持ち、自由行動がとりやすい「松浦」が再度四日市に出向き、調査を始め、「高木」と「本郷」は調査の後方支援に回ります。

新聞記者という職業の習性や取材本能を随所にちりばめながら、事件の背景に迫っていきますが、「本郷」自身の結婚にまつわる思わぬ展開に唸る幕切れでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(96)『芙蓉の干城』松井今朝子(集英社文庫)

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今年の読書(96)『芙蓉の干城...
著者<松井今朝子>の作品として、歌舞伎がらみであることと第四回渡辺淳一文学賞受賞作ということで、本書『芙蓉の干城』を初めて手にしました。単行本は2018年12月に刊行、文庫本として2021年11月25日に発売されています。

舞台は、関東大震災後10年経った日中戦争間近の昭和8年の東京・築地の歌舞伎劇場「木挽座」です。

主人公は、江戸歌舞伎の大作者、三代目「桜木治助」の孫でありながら現在は早稲田大学の教員で、その知識と確かな審美眼で歌舞伎役者や裏方から厚い信頼を集めています「桜木治郎」です。

築地小劇場で女優となった親戚の娘「室井澪子」の婚期を案じる実家からの懇願により、木挽座で陸軍軍人「磯田」との見合いの席が設けられます。舞台では歌舞伎界の大御所である「荻野沢之丞」を観劇中、「澪子」は真向いの席の男女が、酔った感じの姿に違和感を抱きます。

翌日、木挽座そばで男女の惨殺死体が発見されますが、遺体の男は右翼結社「征西会」大幹部「小宮山正憲」であり女は大阪の芸妓「照世美」でした。二人が最後に目撃された木挽座を捜索するため、「治郎」は(前作『壺中の回廊』でも関係した)警察から協力を要請されますが、続けて裏方の二人が連続して殺されてしまい、事件に巻き込まれていきます。

「澪子」もまた、自身が目撃した二人の奇妙な様子を「治郎」と「磯田」に打ち明け、それぞれの立場から事件の真相に迫っていくことになります。

戦争へと歴史の歯車が大きく動いた昭和8年の世相を背景に、歌舞伎業界の豊富な知識に裏付けされた芸の世界を縦軸に、歌舞伎役者の父と息子の葛藤を絡めた、歌舞伎ミステリーでした。
#ブログ #文庫本 #歌舞伎 #読書

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