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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(88)『十津川警部の決断』西村京太郎(光文社文庫)

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今年の読書(88)『十津川警部...
本書『十津川警部の決断』は1989年6月「カッパノベルス」として刊行され、1992年12月20日に光文社より文庫本として発行され、また2010年6月には文春文庫としても発行されています。

東京の地下鉄三田線の朝の通勤ラッシュ時の車内で若いOL「西尾ゆう子」が千枚通しで刺殺される事件が起こります。

捜査の過程で、犯人らしき人物が浮かばない中、不動産会社の重役「長谷川健」と名乗る男が自首してきますが、この男の勤務先だという会社には、もう一人の「長谷川健」が実在しており、身元がはっきりしないまま拘留中に第二の刺殺事件が発生してしまいます。

<十津川警部>たち捜査班は、「長谷川」を釈放して尾行を付けますが、あえて「長谷川」は事件を起こし、「自分が本当の長谷川健で会社の人物は、会社ぐるみで偽物を創り出していることを明らかにするために事件を起こした」ことが判明。

そんなおり、<十津川警部>のもとに犯人からの挑戦状が届き、早期の事件を解決するために<十津川警部>は大胆な《決断》を決行します。

文庫本の巻末に母<山村美紗>と親交の深かった<西村京太郎>原作のドラマに多く出演している女優の<山村紅葉>さん(60)との対談が収録されており、写真も掲載されていましたが、今はふくよかな<山村紅葉>さんの当時の細身の姿に驚きながら読み終えました。

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今年の読書(87)『十津川警部、沈黙の壁に挑む』西村京太郎(光文社文庫)

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今年の読書(87)『十津川警部...
著者<西村京太郎>は鉄道ミステリーと呼ばれる作品が多い中、これは鉄道に関するものは登場せず、<十津川警部>を主人公とする刑事物で、初出は全日本ろうあ連盟の『季刊MIMI』に(1990年6月号~1992年2月号)に連載された作品『海の沈黙』で、1996年12月20日に改題され発行されています。

殺人事件の容疑者として60歳の「秋本つね子」が逮捕されます。彼女は資産家の社長の家で家政婦をしていましたが、彼女の家から盗まれたダイヤの指輪が自宅から発見され、その主人夫婦殺しの容疑をかけられていますが、耳が聞こえないので捜査が進まず、福祉事務所の手話通訳士の「小早川京子」が間に入りますが、かたくなに沈黙を押し通します。

そんなおり、第二の殺人事件が起こります。被害者は、私立探偵で、彼の事務所から見つかった写真から「秋本つね子」と同じ家政婦をしている「野口みどり」が男と映っている写真が見つかります。<十津川警部>は、さきの社長夫婦の殺害事件と関係があると思い、合わせて捜査に入ります。

「秋本つね子」の一人息子の「神田浩」は、ス-パー社長の娘と結婚、営業主任として働いており、社長は社会への奉仕としてろうあ者の老人ホームを建てる計画を持っていました。
「神田浩」が母親のために依頼した「関口弁護士」は、ろうあ者ですが、彼は口話法と手話の両方をこなせますが、「秋本つね子」のために「小早川京子」を事務所員として採用しますが、事件のカギを握っている「秋本つね子」が、拘置所内で自殺を図り、一命を取り留めたものの記憶障害が心配され状況の中、さらに第三の殺人事件が起こり、<十津川警部>の捜査も複雑になっていきます。

ろうあ連盟の季刊誌連載ということもあるのでしょうが、ろうあ者への温かい眼差しと、ろうあ者の健聴者への不信感に焦点を当てた、<十津川警部>シリーズとして異色作の社会派ミステリーでした。
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今年の読書(86)『北海道殺人ガイド』西村京太郎(双葉文庫)

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今年の読書(86)『北海道殺人...
<西村京太郎>の『北海道殺人ガイド』は、2003年9月に遊楽出版から「ジョイノベルス」としてかんこうされていますが、2004年11月に双葉文庫化されています。

表題通り、北海道を舞台にした5篇が納められています。

①『殺意の函館本線』では、退職した元刑事が特急「おおとり」から突き落とされた事件を追いますが、特急の窓は開きません。
②『北の果ての殺意』では、快速「ノサップ」が登場。何者かによる転覆事故が発生、雑誌記者がなくなり、東京在住の記者ということで、十津川警部たちが動きます。
③『哀しみの北廃止戦』では、今では懐かしい広尾線の「幸福駅」が舞台となっています。
④『愛と裏切りの石北本戦』では、自動車の爆発事故で亡くなったルポライターが残した1枚の写真から、 貴重な植物が多い礼文島 の高山植物「レブンアツモリ」を巡る盗掘事件が扱われ、植物好きとしては、考えさせられる内容でした。
⑤『最後のブルートレイン』では、特急「天北」を巡る殺人トリック事件に臨みます。

今では廃線となってしまった路線や運行していない列車が懐かしく舞台として登場してきますので、古い鉄道ミステリーも結構楽しめました。
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今年の読書(85)『汝よさらば』門田泰明(祥伝社文庫)

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今年の読書(85)『汝よさらば...
<門田泰明>の本書『汝(きみ)よさらば』には、「浮世絵宗次日月抄」との副題が付いている第一巻になります。

<門田泰明>といえば、代表作の『特命武装検事・黒木豹介』シリーズをはじめ、医療関係の『外科医・津山慶子』シリーズなどを楽しんできましたが、現代小説には珍しく、日本刀を用いた剣劇シーンが多く、その迫力あふれる文章表現から、本人も剣術・剣道の経験者であると言われています。近年では得意の剣劇描写を生かして、時代小説も多数執筆しているようで、本書もその一連の作品に当たるようです。

副題から分かりますように主人公は、浮世絵師「宗次」なのですが、導入部には、駿河国田賀藩の中老「廣澤和之進」が登場、藩の謀反を抑え込むために災難が降りかかるのを避け妻「美雪」を実家の西条家に戻しますが、文中「離縁」のことは出てこないのですが、 「美雪」は「宗次」の婚約者として物語は進みます。「廣澤」は「美雪」を奪われた復讐心に燃え、打貫流の剣術を極めるために道場主の遠縁に当たる人物たちの元で過酷な修行を積み重ねていきます。

一方「宗次」の居る江戸では、老中「堀田正俊」の暗殺を狙う一味が登場、「宗次」も襲撃される立場となり、怒涛の一巻目が終わります。

娯楽小説の押え処は随所に散りばめられており、「美雪」を中心とする「廣澤」と「宗次」との対立を中心に、江戸徳川幕府への謀反が並行して展開されていきそうです。
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今年の読書(84)『一茶』藤沢周平(文春文庫)

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今年の読書(84)『一茶』藤沢...
江戸時代を舞台に、庶民や下級武士の哀歓を描いた時代小説作品を多く残した<藤沢周平>〈1927年(昭和2年)12月26日~1997年(平成9年)1月26日〉ですが、<松尾芭蕉>や<与謝蕪村>と並び「江戸三大俳人」と称される<小林一茶>を主人公にした『一茶』を、文藝春秋社から 1978年に刊行していますが、2009年4月に文庫本となっています。

子どものあどけない様子や、カエルやスズメを読み込んだ俳句より、穏やかな性格をうかがわせますが。その素朴な作風とは裏腹に貧しさの中をしたたかに生き抜いた男としての実態をあからさまに描いています。

俳人としての名誉欲、継母が生んだ弟との10年に渡る家と田畑の遺産相続への執念、晩年52歳で娶った「菊」(28歳)、「雪」(38歳)、「やを」(32歳)の若妻三人との荒淫ともいえる夜の営みを過ごした晩年等、貧しさの底辺で俳諧師として30年江戸を拠点に全国を回ったしたたかな男の貌を描き出しています。

俳諧は、「一茶」にとって喰うための手段でしたが、それ以上に芸であったと、65歳で亡くなるまでを締めくくっています。
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今年の読書(83)『哀しみの余部鉄橋』西村京太郎(小学館文庫)

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今年の読書(83)『哀しみの余...
最新刊の手持ちの文庫本がなくなり、デイケア施設の 「ミニ図書館」には、<西村京太郎>の「十津川警部」シリーズが多々ありましたが、兵庫県にある「余部鉄橋」ということもあり『哀しみの余部鉄橋』(2007年7月11日刊)を選びました。

1973年(昭和48年)『赤い帆船(クルーザー)』(登場当時は警部補)で初めて登場した主人公「十津川省三」警部は、いつも40歳。日本各地を走る列車を舞台にした作品が多いのですが、本書には表題作を含む4篇の事件が納められています。

表題作の『哀しみの余部鉄橋』は、余部出身の「十津川」と同期の「高橋警部」がホステス殺しに絡む事件が扱われ、辺鄙な田舎町の象徴として、兵庫県美方郡香美町余部が登場しています。

「余部鉄橋」といえば、1986年(昭和61年)12月28日午後1時25分ごろ、風速33メートルを超える突風で回送列車「みやび」の7両が転落。 約40メートル下にあった水産加工場の女性従業員5人と車掌が亡くなった事故が思い出されますが、事故がうまく題材として用いられていました。

初代の「余部鉄橋」は、1912年(明治45年)3月1日に開通し、2010年(平成22年)7月16日夜に運用を終了しています。2代目の現橋梁はエクストラドーズドPC橋で、2007年3月からの架け替え工事を経て、2010年8月12日に供用が始まり、表紙写真のような鉄橋は今は見られません。また、2017年11月26日には、 「余部クリスタルタワー」 が完成しています。
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今年の読書(82)『4ページミステリー』蒼井上鷹(双葉文庫)

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今年の読書(82)『4ページミ...
本書『4ページミステリー』の文庫本は、2010年12月に発行され、シリーズとして、『4ページミステリー 60の奇妙な事件』が、2015年3月に同じく 双葉文庫から刊行されています。

本書の収録されている作品は、『小説推理』(双葉社・2005年9月~2011年1月)に連載された原稿用紙5枚分の「2000字ミステリー」として掲載された短篇が60本収録されています。

1作品文庫本で4ページという長さですので、ウイットとブラックユーモアにとんだ短篇が、テンポよく、また切りよく読み切れました。

『2009年6月ある日』という短篇では、新型インフルエンザの流行で、マスクが品切れとなり、マスク狩りが行われ、殺人事件が起こるという内容には、現在のコロナ禍を先取りしている内容で驚きました。
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今年の読書(81)『火車』宮部みゆき(新潮文庫)

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今年の読書(81)『火車』宮部...
本書『火車』は、1992年(平成4年)7月に「双葉社」から刊行されていますが、1998年(平成10年)2月に(新潮文庫〉として発行されています。

第108回直木賞候補作であり、第6回山本周五郎賞受賞という作品です。ほぼ30年前の作品ですが、時代を感じさせる部分も当然ありますが、現代でも全く本質は変わらずに読めるのは、著者<宮部みゆき>の本質を見抜く力量のなせる技だと感じました。

事件捜査中の銃撃による負傷のため、休職中の刑事<本間俊介>でしたが、亡くなった妻の親戚で銀行員の<栗坂和也>が訪れてきて、婚約者の<関根彰子>が突然失踪してしまったので、探してくれないかと相談され、調査に乗り出します。

<彰子>の勤務先などを調べてゆく過程で、<本間>は<俊介>の婚約者は、クレジットカードローンで破産した<彰子>ではなく、別人物ではないかとの疑問を持ち始めます。

<彰子>と称するカード会社での犠牲者の凄惨な人生を抉り出し、一人の女性の人生の足跡を突き詰めてゆく<本間>でしたが、事件の全容が見えたときに、なるほどという余韻を残す場面で、物語は終わりを告げます。
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今年の読書(80)『五十鈴川の鴨』竹西寛子(岩波現代文庫)

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今年の読書(80)『五十鈴川の...
目新しい新聞広告の文庫本もなく、リハビりに出向いていますデイケアの 「ミニ図書館」 から見つけました<竹西寛子>(91)の『五十鈴川の鴨』(2011年8月幻戯書房刊のち岩波現代文庫)です。

『挨拶』や『松風』など全10篇が納められています短編集ですので、切りよく切り上げられるかなと手にしてみましたが、思わぬ収穫の一遍と出会いました。

収録された10篇は、日常での何気ない驚きと人の不思議な縁を実感させる短篇です。磨き抜かれた言葉が、人のあわいをしばしつなぎとめていく魅力を醸し出しています。

表題作の『五十鈴川の鴨』は、熟年の男性同士が織りなす長年に渡る交友関係とその行方を斬新な設定で描き、静謐な原爆文学とでも言わざるを得ない悲しみが心に残りました。登場人物の二人の職業が、私と同じ建築関係ということもありも、違う会社に勤務しながら、たまに出席するセミナーでの交遊を通しての男の付き合いかたの矜持ともいえる流れが丁寧に描かれ、最後に登場する彼を愛してきた女性から、知らされる彼の悲報と共に、登場する伊勢神宮での思い出の場面に五十鈴川の鴨の親子が象徴的に登場してきます。 

直接表現してしまうと非常に重たい原爆の後遺症という問題を、文学的に見事に結実させた感動の一遍でした。 
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今年の読書(79)『マスカレード・ナイト』東野圭吾(集英社文庫)

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今年の読書(79)『マスカレー...
本書は<東野圭吾>の累計400万部を突破した<マスカレード>シリーズとして 『マスカレードホテル』 ・ 『マスカレード・イブ』 ・ 『マスカレード・ナイト』の第三作目になります。単行本としては、2017年9月に刊行され、文庫本としては、2020年9月25日に発行されています。

一流ホテルである「ホテル・コルテシア東京」を舞台として、捜査一課の若手刑事「新田浩介」と女性フロントクラーク「山岸尚美」の活躍を描いたシリーズとして、2011年に刊行された『マスカレード・ホテル』から3年後が描かれています。

都内のマンションで、ペットトリマーの28歳の「和泉春奈」の部屋を調べろと密告の通報があり、死体として発見されます。その後、密告者から「ホテル・コルテシア東京」の大晦日に行われるカウントダウンパーティー「マスカレード・ナイト」に犯人が参加するという情報があり、「新田」ら捜査一課のメンバーはクリスマス前からホテルに潜入捜査体制として従業員になりすまし警戒態勢を敷きます。

3年前の『マスカレードホテル』と同様に、「新田」はフロント業務につきますが、堅物なフロントマン「氏原」に閉口しながらも、コンシェルジェに格上げされている「山岸」と共に大晦日を迎えるのでした。

文中の主人公たちのセリフを読んでいますと、映画 『マスカレードホテル』 での「新田浩介」役の<木村拓哉>や「山岸尚美」役の<長澤まさみ>のイメージが同調してしまいました。

ホテル利用者たちの側面を伏線に使いながらの構成でしたが、最後の段にて突然少年「曽根英太」の名前と事件背後の供述が始まるのには驚きました。推理小説(ミステリー)の鍵はどんな形であれ、読者にすべて提出しておかなければならないという大基本形から逸脱した流れで、これはどうかなぁと感心しませんが、<東野>ファンの方には全体的に見て楽しめる一冊で、これまた映画化が期待できそうな内容でした。

コンシェルジェの「山岸尚美」も事件解決後、「ホテル・コルテシアロサンジェルス」へ栄転するようで、シリーズ第4作目は日本に戻ってきての、また数年後の事件となりそうです。
#ブログ #文庫本 #読書

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