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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(101)『笑って生ききる』瀬戸内寂聴(中央公論新社)

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今年の読書(101)『笑って生...
著者の初めの頃の作品『花芯』や『夏の終わり』・『美は乱調にあり』等の頃の印象が強いので、<瀬戸内寂聴>というよりは、<瀬戸内晴美>と言ってしまいがちになりますが、出家してはや47年経つというのに驚いています。1922年5月15日生まれですので、 年齢は 98歳となられていますが、1923年11月5日生まれの <佐藤愛子>さんが97歳ですので、文壇界の女流作家としての双璧を担っているおひとりです。

本書『笑って生ききる』は、4章の構成になっています。第1章は、現在秘書を務められている<瀬尾真菜舗>さんとの対談を中心に現況を語り、第2章は、<伊藤比呂美>さん、故 <梅原猛> さんがキーマンとして登場、第3章は、<横尾忠則>さん、<小保方晴子>さん、不倫相手だった故<井上光春>の娘 <井上荒野> さんが登場、最終の第4章では、24歳で夫の教え子と不倫し、夫と3歳の長女を棄て家を出て離婚に関してや、51歳での出家への手記でまとめられています。

<瀬戸内寂聴>の著作を一度も読んだことのない読者にも、この一冊で彼女の人生や考え方が大まかに理解できる構成になっていますので、入門書的な一冊として楽しめると思います。
#ブログ #単行本 #読書

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<村上春樹>8作品電子書籍化@新潮社

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<村上春樹>8作品電子書籍化@...
新潮社は11日、これまで電子化されていなかった<村上春樹>の小説8作品を、18日から一斉に電子書籍化すると発表しています。

今回配信される長編作品は、若き著者が取り組んだ幻想と冒険が交錯する渾身の長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)、英訳されて村上春樹の名を世界に知らしめた壮大な物語『ねじまき鳥クロニクル』(1994年)、15歳の少年を主人公にその柔らかい魂の旅を描き、村上ファンから熱い支持を受け続ける『海辺のカフカ』(2002年)、そして社会現象ともなり、3巻すべてがミリオンセラーとなった青豆と天吾の愛の物語『1Q84』BOOK1~BOOK3(2009年)、さらには謎と暗喩に満ちたある画家の運命的な物語『騎士団長殺し』(2017年)。

短編集3作も取り上げら、『螢・納屋を焼く・その他の短編』(1984年)に収録される『螢』は、名作『ノルウェイの森』(1987年)の一部となった重要な短編であり、『納屋を焼く』も映画化   『バーニング 劇場版』 (2018年・監督: イ・チャンドン)されて、読み継がれてきました。『神の子どもたちはみな踊る』(2000年)は神戸で育った著者が、阪神淡路大震災への鎮魂の思いをこめて描いた連作。中でも「かえるくん、東京を救う」は、海外できわめて高い評価を受けている短編の一つです。また『東京奇譚集』も、映画化された 『ハナレイ・ベイ』 (2018年・監督:松永大司)や『偶然の旅人』 『品川猿』など、村上的世界が横溢する名短編5編が取り上げられています。

 今回、長編小説5作品はそれぞれの「合本版」も18日より配信。文庫で2~6冊にもなる長編を、コンパクトに携帯できるのは電子書籍ならではの強みでしょう。
#ブログ #読書 #電子書籍

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今年の読書(100)『七つの証言』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(100)『七つの証...
本書『七つの証言』は、刑事「鳴沢了」を主人公とする2001年第1巻『雪虫』に始まり、2008年第10巻の『久遠』でもって終了した「鳴沢了」シリーズとして唯一の短編集ですが、刑事の信条や再婚した相手の連れ子の父親としての一面が7つの短篇として描かれています。

今年は、1月より(中公文庫)としての新装版が毎月発行され、10月までで完結しています。本書もその一連で、11月25日に改版として発行されています。

型破りの刑事「鳴沢了」でしたが、本書では、シリーズに登場した人物の視線を通して、刑事として生まれた男、この男が動くだけで大参事になると言われた男の「鳴沢」の新たな一面を描き出しています。

<堂場>のサービス精神は、この短編集でも生かされており、別のシリーズや他の作品の馴染みの人物たち「高城賢吾・明神愛美・今敬一郎・小野寺冴・大西海・城戸南・藤田心)が、登場してきますので、<堂場>ファンとしては、楽しめる要素が倍増だとおもいます。

このシリーズは、ブログをはじめる前ですので、「読書日記」に登場していないのが残念です。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(99)『忘れじの外国人レスラー伝』斎藤文彦(集英社新書)

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テレビ番組のゴールデンタイムの午後8時枠にプロレス放送がなくなって久しくなりました、まだまだ根強いプロレスファンは多くいると思いますが、プロレス全盛期ファンにはたまらない新書が出ています。

プロレスライター、コラムニスト<斎藤文彦>の『忘れじの外国人レスラー伝』(集英社新書)です。昭和から平成の前半にかけて活躍し、もう永遠にリング上での姿を見ることが叶わない伝説の外国人レスラー10人が主人公として登場、レスラーとしての彼らの黄金時代はもちろんのこと、知られざる晩年、最期までの「光と影」が綴られています。

第1章 〈神様〉カール・ゴッチ  (1924年8月3日 ~2007年7月28日)
第2章 〈白覆面の魔王〉ザ・デストロイヤー  (1930年7月11日~2019年3月7日)
第3章〈大巨人〉 アンドレ・ザ・ジャイアント  (1946年5月19日~1993年1月27日)
第4章〈人間風車〉 ビル・ロビンソン  (1938年9月18日~2014年2月27日)
第5章〈爆弾小僧〉 ダイナマイト・キッド  (1958年12月5日~2018年12月5日)
第6章 〈人間魚雷〉テリー・ゴーディ  (1961年4月23日~2001年7月16日)
第7章〈殺人医師〉 スティーブ・ウィリアムス  (1960年5月14日~2009年12月29日)
第8章〈入れ墨モンスター〉 バンバン・ビガロ  (1961年9月1日~2007年1月19日)
第9章 〈皇帝戦士〉ビッグバン・ベイダー  (1955年5月14日~2018年6月18日)
第10章〈暴走戦士〉 ロード・ウォリアー・ホーク  (1957年9月12日~2003年10月19日)

この登場人物たちの名をを見ただけで、リング上の栄光の日々を懐かしく思い出す人も多いに違いありません。バラエティー番組『金曜10時!うわさのチャンネル!!』に出演していた<ザ・デストロイヤー>は、お笑いタレントとでしか知らない世代がいそうです。ひとりひとりに漢字のニックネームが付いているということは、それだけ日本でも多くのファンに親しまれ、人気があった証拠だといえると思います。
#ブログ #新書 #読書

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今年の読書(98)『赤い砂』伊岡瞬(文春文庫)

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今年の読書(98)『赤い砂』伊...
本書『赤い砂』は、著者の2005年のデビュー作『いつか、虹の向こうへ』(角川書店)以前の2003年に書かれていましたが、出版されることなくてもとにおかれていた作品ですが、この新型コロナウイルスの影響で、「ウイルス」を扱ったないようであることにより、2020年11月10日に文庫描き下ろしの形で発行されました。

国立疾病管理センターに勤める「阿久津久史」が突然山手線の電車に飛び込む事件が発生、2週間後に飛び込み現場の現場検証に出ていた鑑識係の「工藤」が、警官の拳銃を奪い自殺をしてしまいます。そして、拳銃を奪われた警官も、飛び降り自殺で亡くなってしまいます。

警察署内の不祥事を穏便に済ませようとする上司たちの態度に不満を持ちながら「工藤」の同期の刑事「永瀬遼」は「工藤」の自殺が信じられず、捜査の傍ら事件の真相を求めて動き出します。

事件の背後には、西寺製薬を中心とする新型ウイルス「アレナ・ルブラ=赤い砂」と呼ばれ、感染後2週間で自制心の欠如や錯乱を引き起こす薬にまつわる陰謀が隠されていました。

ひとり真相を突き詰めてゆく「永瀬」でしたが、最後は犯人逮捕まで追い詰めていきますがその過程で自らも感染したかもしれず、「永瀬」は最後の行動に出ます。

発病が2週間後というウイルスを中心にすえた医療サスペンスでもあり、熱血漢溢れる「永瀬」刑事の活躍するクライムサスペンスでもあり、結末が気になりながら、最後まで楽しめた一冊でした。

#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(97)『刑事学校Ⅲ 卒業』矢月秀作(文春文庫)

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『刑事学校』 ・ 『刑事学校Ⅱ 愚犯』 と続くシリーズ3作目の『刑事学校Ⅲ 卒業』が、2020年11月10日に発行されています。

「違法カジノ事件」・「窃盗団事件」と実地訓練を積んできた研修生6人ですが、本書『刑事学校Ⅲ 卒業』では、総仕上げとしてついに殺人事件の捜査に当たります。

冒頭の導入部では、兵庫県警が登場、元町や三ノ宮の地名が出てきましたので、「おお~、今回は神戸が舞台なのか!」と喜び期待してしまいましたが、刑事心得のエピソードとして一日出張の話題に終わってしまいました。

今回は、中津市で発生した母親殺しの事件でした。教官の「畑中」は、捜査の責任者として総代の「姫野」を指名、捜査の指揮と事件解決を命じます。
捜査の手順として「現場百篇」の格言通り事件現場の検証を基本に、親子関係、親戚関係、友人関係など複雑な人間関係を追い求めながら、事件解決に建ち向かう6人でした。

6人の個性ある特性を生かし、無事に事件解決となり卒業試験は合格、各人の特性を生かした部署へ配属される6人でした。
シリーズの番外編として、教官「畑中」や6人の刑事としてのその後の活躍も期待したいシリーズでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(96)『刑事学校Ⅱ 愚犯』矢月秀作(文春文庫)

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今年の読書(96)『刑事学校Ⅱ...
前作 『刑事学校』 に続くシリーズ2作目となる『刑事学校Ⅱ 愚犯』は、2019年7月10日に発行されています。

大分県警刑事部企画課の「畑中圭介」警部補は、刑事の研修を司る「刑事研修所=刑事学校」の教官として、6人の研修生を指導しています。

大分中央交通のバス運転士「奥村」が、人身事故を起こす導入部で始まりますが、これが後になって生きてくる伏線として物語は始まります。

大分市内で窃盗を働く67歳の「今津」が逮捕され、その事件を担当する研修生6人の刑事たちの活躍が描かれていきます。

「今津」の背後関係から「利光」を中心とする不良仲間が浮かび上がり、研修生の捜査が始まります。

大分市内の不良たちを操る窃盗団の首謀者の狂気を超えた異常な性格描写が後に残りながらも、犯罪という社会悪を生きた教材としながら、刑事としての成長を遂げる
過程が楽しめました。
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今年の読書(95)『刑事学校』矢月秀作(文春文庫)

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今年の読書(95)『刑事学校』...
<矢月秀作>としては、アクション系として示談屋・処理屋の異名をとる「影野竜司」を主人公にした 『もぐら』シリーズ や東京臨海中央署地域課に勤める「日向太一」を主人公にした 『リンクス』シリーズ などを楽しんできていますが、新聞広告で著者の『刑事学校Ⅲ卒業』を見つけ、『刑事学校Ⅰ』と『刑事学校Ⅱ』を見逃していたようで、あわてて「Ⅰ~Ⅲ」を購入してきました。

本書の主人公は、大分県警刑事部企画に所属する「畑中圭介」警部補45歳です。「畑中」は、各部署担当の経験を生かし、若手刑事の現場研修を担う刑事研修所(=刑事学校)の教官です。

兵庫県生まれの著者ですが、警察物としては珍しく大分県警を舞台として、それぞれ個性ある6人の研修生(新米刑事)に操作術と刑事魂を教え込むために全国の警察と連携を図り研修を進める「畑中」でした。

そんなおり、「畑中」の幼馴染の「立石」が銃殺死体で発見され、研修生と共に事件解決を命じられます。

導入部は、違法カジノのガサ入れの場面から始まり、「畑中」や6人の研修生の性格がそれぞれ描写されていますので、いい登場人物たちの紹介になっていました。

大分県別府を舞台とし、「畑中」に絡んだ幼馴染の人間関係と、地方都市ならではの問題を絡め、今後の<矢月>流の破天荒な展開が楽しみな幕開けとしての一冊でした。
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今年の読書(94)『特急ワイドビューひだ殺人事件』西村京太郎(光文社文庫)

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今年の読書(94)『特急ワイド...
500冊を超える<西村京太郎>の著作数ですが、選ぶ基準はそれぞれです。本書『特急ワイドビューひだ殺人事件』は、前回(93)の 『越後・会津殺人ルート』 と同様に、表紙カバーの<真島満秀>氏の写真と<亀海昌次>氏のカバーデザインがよくて、手に取りました。1994年1月徳間ノベルズとして刊行され、2002年5月20日に光文社文庫として発売されています。

警視庁捜査一課の「十津川警部」は、ある朝、奇妙な新聞の三行広告〈ヒロシ1031Dのことで話がついた・・・ 母〉の文面が気になり目をとめました。その三行広告が掲載されて間もな「木下広」・「森口博」という名の青年が相次いで殺害されます。

「1031D」を「特急ひだ11号」の列車番号と推理した「十津川」たちが凶悪犯罪の予感を抱きつつ「ひだ11号」に警乗を続けるうち、列車内で若い乗客が毒死します。かれのボストンバックに時限爆弾を隠し持っていたこの男の名も「中野広志」でした。

一連の事件の背後にJR東日本への脅迫があることを察知した「十津川」は、犯人の割り出しを急ぎ、頭脳犯「母」と「新幹線」の時刻表を絡み合わせた警部のスリリングな対決が描かれていきます。

新聞の三行広告は今読みますと時代遅れの感がありますが、犯人が巨大コンピューターを用い、脅迫事件のシュミレーションを行い「十津川」たちと対峙する姿は、AIの先取り感がある一冊でした。
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今年の読書(93)『越後・会津殺人ルート』西村京太郎(光文社文庫)

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今年の読書(93)『越後・会津...
本書『越後・会津殺人ルート』は、1994年10月講談社ノベルスとして刊行され、2007年8月20日、光文社文庫として発行されています。

東京・井之頭公園でクラブホステス「原田みゆき」が刺殺死体で発見されます。彼女のバッグの中には「十津川警部」の名刺と明日からの東北へ向かう切符があり、何かの罠ではと訝りながら、「十津川」は会津若松へ向かう「スペーシア号」に乗り込みます。車中呼び出し電話を受ける「十津川警部」でした。被害者である「原田みゆき」と「十津川」には面識がなく、彼女の捜査を始めた途端に謎の電話がかかってきたことから、「十津川」はこの殺人事件そのものが自分をおびき出す為に仕組まれた罠であったことを確信します。

その日は東山温泉に一泊し、翌日に喜多方のとあるラーメン店で食事をしていたところ、女性カメラマンを名乗る「渡辺ひろみ」という女性が接近してきます。
「渡辺ひろみ」は、「十津川」と同じ岩室温泉に宿泊するのですが、その夜なんと岩室温泉で「渡辺ひろみ」が殺害されてしまい、その容疑者として「十津川」自身が身柄を拘束されてしまいます。

しかも、十津川の荷物の中から見覚えのないフィルムが発見され、それを現像してみたところ「十津川」が東山温泉付近の神社で「小坂井めぐみ」を絞殺する場面が撮影されており、福島県警が、「渡辺ひろみ」が殺害された当夜に連絡を取っていた友人に確認してみたところ、なんと友人宅の留守電に「東山温泉で殺人を犯した男と再会した。男の正体は警視庁の「十津川」という刑事で・・・」というメッセージが残されていたことが判明します。

こうして、「東山温泉で女性殺しを撮影された十津川が、口封じの為に目撃者をはるばる新潟まで追いかけてきて殺害した」ことになり、身柄を拘束されてしまいますが、亀井刑事たちの捜査で、「小坂井めぐみ」の背後関係から、「十津川」と因縁のある「人物」の存在が浮かび上がってきます。
#ブログ #文庫本 #読書

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