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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(38)『飲食店の秘密』大西良典(扶桑社)

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今年の読書(38)『飲食店の秘...
今回は、一般的な小説ではなく、いわゆる「ハウツー物」です。正式タイトルは『コロナ危機を生き残る 飲食店の秘密』とながめですので、標題では省略させていただきました。

著者の<大西良典>氏は、兵庫県神戸市生まれ、兵庫県立尼崎工業高校建築科卒業後、神戸の三大ゼネコンに入社、ゼネコン倒産後、設計事務所に転職、「モスバーガー」の店舗設計から始まり、「なか卯」の店舗設計にたずさわり、2010年に独立して、兵庫県芦屋市に「OLD  DESIGN株式会社」を設立現在に至っているという経歴です。

神戸にて長く建築設計に携わってきましたが、「神戸の三大ゼネコン」と言う言葉に出会うのは本書が初めてで、倒産ということであれば「H工務店」や「H建設」、「M組」などを思い出しながら読んでおりました。

建築設計を生業と言う職業的な意味で本書に興味を持ったわけではなく、「B級グルメファン」としての立場で読んでみましたが、内容的に特段驚くべきノウハウは読み取れませんでした。
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今年の読書(37)『北能登殺人事件』西村京太郎(講談社文庫)

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今年の読書(37)『北能登殺人...
ここの所、厚めの文庫本が続きましたので、息抜きとして<西村京太郎>の1984年7月「カッパ・ノベルス」(光文社)にて刊行されました13冊目となるトラブルミステリー『北能登殺人事件』を読みました。文中新幹線の「食堂車」の描写があり、作品の古さが感じられました。

休暇で能登に旅に出た「十津川」警部の部下である「日下」刑事は、電車内で一人旅の女性が気になり、恋路海岸まであとをつけるのですが、海岸で彼女(村田由紀子)が銃撃される場面に出くわします。「由紀子」は、交通事故死した恋人のルポライター「雨宮」を喪い、死に場所を求めていました。「由紀子」に心惹かれた「日下」は「由紀子」と同じホテルに泊まりますが、翌日、女が泊まった部屋に男の死体があり、彼女の手には凶器のナイフが握られていました。

「日下」は彼女の無実を信じ捜査に加わるのですが、「雨宮」の交通事故死も殺人事件の様相になり、東京の「十津川」や「亀井」の協力を得て、事件の鍵は「雨宮」が追っていた芸能界の黒幕「堀場達夫」に辿り着くのですが、「堀場」も殺され、捜査線に浮ぶ容疑者が次々と殺されていきます。「十津川」は最後の1人の完璧な時刻表にまつわるアリバイを崩し、「由紀子」の協力を得て、容疑者を誘い出す作戦に出ます。

「由紀子」に淡い恋心を抱きながら捜査を進める「日下」ですが、彼女が犯人ではないかとおののく「日下」が必死で捜査を進める過程が異色で、文末の2行、{結婚までいかなくても、日下にとっては、素晴らしい思い出になるだろうし、由紀子には生きる力になるだろう。}と結ばれているのが、爽やかな印象を残す一冊でした。
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今年の読書(35・36)『新装版 妖怪(上・下)』司馬遼太郎(講談社文庫)

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今年の読書(35・36)『新装...
乱読していますと、著者は違うのに前作読んだ作品とつながる描写が出てきたり、読み始めや読み終わった日が登場人物たちや著者の命日や誕生日と言う偶然に出くわすことが多々あります。

今回も本書『新装版 妖怪(上・下)』が、前回(34)の<岩井三四二>の『金閣寺建立』が舞台となった応仁の乱(1467年~1477年)前後の時代が舞台で、<足利義政>が登場、不思議な縁を感じながら、金閣寺建設当時の時代背景を楽しみながら読み終えました。

<司馬遼太郎>の作品としては、骨太の武士や理想に燃えた歴史上の人物たちが主人公の物語とは違う傾向でした。題名から「ろくろ首」や「一つ目小僧」と言った妖怪が出てくるのかと思いましたが、足利将軍にまつわる権力争いに登場する妖術使いたちがいいキャラクターで脇を固めています。

怨霊や生霊の世界が身近にあった室町時代末期。6代将軍<義教>の落胤という熊野の「源四郎」は「将軍になろう」と、飢饉と戦乱で荒廃しきった京へ上ります。都では8代将軍<足利義政>の御台所、日野富子と、側室の今参りの局が権勢争いに明け暮れていました。その暗闘に巻き込まれた「源四郎」を、側室の「お今」に憑いた幻術師「唐天子」の奇々怪々な幻戯が襲い、「富子」を抹殺しようと企みます。

将軍<足利義政>の跡継ぎ問題を中心に正室「日野富子」に付く「山名宗全」と、側室「お今」の「細川勝元」との政治的対立を応仁の乱前夜を舞台として当時の世情を背景に京に徘徊する妖術師「指阿弥」や「唐天子」の世界を鮮やかに描いています。
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今年の読書(34)『銀閣建立』岩井三四二(講談社文庫)

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今年の読書(34)『銀閣建立』...
今年は、「金閣寺」の屋根の改修工事も終り、屋根の色が18年ぶりに明るさを取り戻しているということもあり、2005年3月に単行本、2008年12月12日に文庫本として発行されています<岩井三四二>の『銀閣建立』が目につきました。

室町末期、応仁の乱で疲弊した京の都。5年ぶりに美濃から都へ呼び戻された番匠「橘三郎右衛門」は、公方御大工の父から、「足利義政」が隠居所として東山に山荘をつくることを聞かされます。

「三郎右衛門」は仕事を得るための同業者たちとの駆け引きや、口うるさい上様の注文をしのぎつつ、山上亭(西指庵)の仕事を得ることができ棟梁として技の限りを注いでいきます。宮大工としての日本建築の仕口や木割り等の描写、木曽桧の京までの流れ、家業としての大工業を、「三郎右衛門」の家族関係を織り込みながら描いています。

前回(33)の『空間・五感』でも述べていますが、<建築>とは「権力」と「金」が絡んでくるということを著者はよく見抜かれており、上様「足利義政」が自分の満足のために農民から年貢として金銭を巻き上げ、東山山荘の建築に固執、やがて土一揆が起こる都の様が「三郎右衛門」の子どもたちを絡めて描かれています。

「三郎右衛門」は、自分の身が滅んでも、のちの代まで立ち続ける建築を建てたいと、たとえ「足利義政」が銭で浄土を買う東山山荘の建立であったとしても、公方御大工職としての信念を持ち続けるのでした。
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今年の読書(33)『空間・五感』日本建築学会(井上書院)

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今年の読書(33)『空間・五感...
建築設計を生業としている立場として、読書の分野に入るのか怪しげな一冊として2021年3月20日に発行されています<日本建築学会>編集の『空間・五感』(2750円・井上書院)です。

タイトルの通り、「視覚」・「聴覚」・「触角」・「嗅覚」・「味覚」の五感に加え「時間」・ 「多様な感覚」の全7章に有名建築を振り分けて、写真と解説文で組まれたハンドブック的な構成でした。

さすが学会として資料的といいますか学術的でなければいけないと言う編集方針が気になり、本来の「建築」の持っている「権力」「金(富・財力)」という根源的な分野での視点の切り込みがなく、つまらなく感じながら写真だけ眺めていました。
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今年の読書(32)『臨床真理』柚木裕子(角川文庫)

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今年の読書(32)『臨床真理』...
著者<柚木裕子>(52)の作品として、女性警察事務職員<森口泉>を主人公とした『朽ちないサクラ』を読んで気に入り、以後ポツリポツリと手にしていますが、家庭裁判所の調査官を主人公に据えた『あしたの君へ』以来になりましたが、本書『臨床真理』が著者のデビュー作品です。

『臨床真理』は、2009年1月 宝島社より刊行され、 2010年3月に 宝島社文庫として(上・下)の分冊で発行 され、2019年9月 に角川文庫として発行されています。

読んだ後で分かりましたが、ミステリーとして途中で事件は解決したように思えるのですが、その段階でまだ残ページがあると、もうひとひねりの裏返しが予測できてしまい、ミステリーファンとしては、ある登場人物の台詞の伏線で事件の真相が予測できてしまうからだと思います。手慣れた作家ですと、読み手の裏をかくひねりを加えてエンディングへと導くのでしょうが、デビュー作品としては無難なまとめ方だと思います。

人の感情が喋る言葉の色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年「藤木司」を担当することになった、新人の臨床心理士「佐久間美帆」を主人公とする、ミステリーサスペンスです。

知的障害者更生施設に入所していた20歳の「藤木司」は、親しくしていた16歳の少女「彩」が自殺未遂事件を起こし救急搬送中に救命士と問題を起こしていまいます。「彩」の色は生きる願望が見えて自殺ではないと主張する「司」を信じ、知的障害者更生施設にまつわる問題に興味を魅かれ、「美帆」は同級生の警察官「栗原」と「彩」の死の真相を調べ始めます。やがて浮かび上がってきたのは、施設の入所している少女を性の対象とする一連の事件でした。
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今年の読書(31)『朝が来る』辻村深月(文春文庫)

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今年の読書(31)『朝が来る』...
気になる文庫本の新刊も見当たらず、昨年2020年10月23日より公開されました<河瀬直美>が監督を務めた映画『朝が来る』の原作を読みました。著者の作品としては、第32回吉川英治文学新人賞受賞作の『ツナグ』以来になります。

映画『朝が来る』は、第92回米アカデミー賞国際長篇映画部門の日本代表作品であり、<河瀬直美>監督は第44回日本アカデミー賞の優秀監督賞を受賞しています。

同じ建設会社に務める「清和」と「伊都子」は遅い結婚ということもあり、子供の出産に積極的ではありませんでした。40歳を目前に不妊の原因を調べますと、「清和」は無精子症という病気であることが分かります。何回かの不妊治療を行いますが改善が見られず、子供を持つことを諦めたときに、テレビで「浅見」が主催する『ベビーバトン』という特別養子縁組のテレビ番組を見たことにより夫婦で興味を持ち、説明会に出向きます。

中学生の「片倉ひかり」は、当時付き合っていた「巧」と性行為をしたのち、望まない妊娠をしてしまいます。その後、「ひかり」の父母が紹介してくれた『ベビーバトン』と呼ばれる特別養子縁組団体によってひかりの授かった子供は「清和」と「伊都子」夫婦に引き取られ「朝斗」と名付けられ、平穏な生活を過ごしていました。

それから6年後のある日、「伊都子」は「片倉ひかり」と名乗る女から「子供を返してください。厭ならお金をください」との電話を 受け取るのでした。

実写化された映画を観ていませんので、原作に忠実な構成なのかどうか分かりませんが、読んでいて原作の「片倉ひかり」の過去から現在までの描写は必然性がよく理解できませんでした。中学生で妊娠する過程、その後の人生の苦労など不要に思える描写に疑問を感じながら、読み終えました。なお。この文庫本の解説文は、<河瀬直美>が執筆しています。
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今年の読書(30)『刑事の遺品』三羽省吾(小学館文庫)

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今年の読書(30)『刑事の遺品...
著者<三羽省吾>の作品としては、『公園で逢いましょう』で感動し、『路地裏ビルヂング』を面白く読み、連名による短篇集『警官の目』の収録作品『シェパード』以来になります本書は2018年2月に『刑事の血筋』のタイトルで刊行されていますが、2021年3月10日に『刑事の遺品』と改題され文庫本として発行されています。

瀬戸内海を見下ろす人口30万人の小都市にある津之神西署の巡査部長「高岡守」は、現場に出向き港湾部で引き揚げられた刺創のある水死体をは、自らが一カ月前に取り調べたばかりの薬物の売人と思しき男「木村正」でした。すぐさま県警に捜査本部が立ち上がり、「高岡守」をはじめとした所轄の刑事たちが聞き込みを始めたものの、不可解なことに被害者の名前以外の情報が何一つ得られません。一体、この男は誰なんだと捜査が暗礁に乗り上げる中、警察庁から県警に異例とも言える人事で「守」の兄でキャリアの「剣」が着任してきます。

「高岡剣」は警察庁の指示で、まったく完璧すぎる不自然な県警の金の流れを暴くために送り込まれた一方で、その警察庁にも明かさず、汚名を着せられたまま殉職した父の最後の事件を探ろうとしていました。

情熱と刑事の誇りを胸に目の前の事件の真実を追う所轄の弟「守」と、決して冷静な姿勢を崩すことなく二十一年前の父の事件の真相に迫ってゆくキャリアの兄「剣」。時を隔てた二つの事件が次第に交錯し始めた時、反目しながらそれぞれの捜査を進めていた兄弟を導いたのは、父が遺した捜査メモのノートでした。

警官の父を持つ著者の環境が警察官舎や家庭内の描写に生かされ、「守」の相棒「久隅」刑事、「剣」の部下として付く27歳の「小谷野早苗」警部補の脇役陣のキャラクターも良く、続編を期待したい内容でした。
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今年の読書(29)『いっちみち』乃南アサ(新潮文庫)

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今年の読書(29)『いっちみち...
著者<乃南アサ>の作品は、私と誕生月日が同じということで縁を感じ、割と多く登場しているとおもいますが、本書『いっちみち 乃南アサ短編傑作集』は、単行本未収録作品を加えた2021年3月1日発行の文庫オリジナル短編集として、8篇が収められています。

1番に登場して、標題にもなっています『いっちみち』は、大分県の方言で、「行ってみて」と意味合いのようです。
●『いっちみち』・・兄や母親の起こした不祥事で親子4人が、広島に夜逃げ、離婚した母の後を追って四国松山に住み老人施設で働く46歳の「芳恵」は、新型コロナ禍の休職中に30年ぶりに故郷の大分県の臼杵に帰郷、思わぬ人物と遭遇します。
●『ルール』・・溝口家4人家族の、日常生活における潔癖な息苦しさを感じさせる家庭内の決まりごとが綴られていきます。
●『青い手』・・本短篇集で、一番のお気に入りでした。遠回しの意味深な描写で描かれる、線香屋の隠れた秘密、最高のブラックユーモアです。
●『4℃の恋』・・病院勤めの孫の「昌世」とその一家が、死期が迫っている祖父に対する、各自の我儘な行動をかなえるために取った行動とは。
●『夕がすみ』・・両親が亡くなった9歳の「かすみ」を引き取った一家に起こる不慮の事故の原因とは。
●『青い夜の底で』・・アイドル歌手に恋した女性の視点で綴る、変質的な思い入れの結末とは。
●『他人の背広』・・システム開発の仕事で顧客先の作業に出向いた滝口は、残業で待ち合わせ時間に間に合わなくなり、帰社を急ぐあまり、更衣室で間違った背広を着て出てしまいます。待ち合わせはかなわず、背広に入っていた3万円で飲み歩いた帰り酔って喧嘩を起こすのですが、事件は思わぬ方向に向かってしまいます。
●『団欒』・・「浩之」は父親の車でデート中に相手の女性は行為中に突然死んでしまい、その死体を乗せて帰宅した一家のその後が描かれていきます。「団欒」と言う言葉に込められたいびつな家族愛を恐ろしく感じさせてくれました。

全体的に、「にんげん」と言う最大のミステリーを機知に富んだブラックユーモアで綴った短編集でした。
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今年の読書(28)『ふたりぐらし』桜木柴乃(新潮文庫)

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今年の読書(28)『ふたりぐら...
好きな作家の一人として著者<桜木柴乃>の作品は、『ワン・モア』 ・ 「風葬」 ・ 『星々たち』 ・ 『砂上』 や 『霧(ウラル)』などの舞台は北海道、特に生まれ育った釧路市近辺が多く、現在は江別市在住の作家です。「新官能派」のキャッチコピーでデビューした性愛文学の代表的作家ですが、人間の本能的な行為としての悲哀という描き方であり、過激さは低く、2020年11月13日には、父親が経営していたラブホテルを舞台とした人間模様を描いた『ホテルローヤル』を原作とする映画『ホテルローヤル』(監督:武正晴)が公開されています。

本書『ふたりぐらし』は、2018年7月新潮社より単行本が刊行され、2021年3月1日に文庫本として発行されている、全10篇の連作短篇集です。

元映写技師の夫「信好」は、看護師の妻「紗弓」と二人暮らし。四十歳になる今も諦めきれない映画脚本家の夢を追い続け、定職はなく、五歳年下の妻の稼ぎで生活しています。多忙な妻に託された家事の一つ、買い出しでは身の丈を気にしながら食材の値段を確かめる。晩酌は身の丈にあった発泡酒。甲斐性のない後ろめたさもあり、痴呆の入り始めた古稀の母親に病院への道すがら鰻丼を奢られたことさえ、妻には秘密にしてしまいます。

一方の「紗弓」は、夫とその夢を大切に思いながらも、この将来の見えない生活で子供を望むこと、義母との埋まらぬ距離、「信好」との結婚にも反対だった実母との長年の確執など、家族の在り方に悩む日々でした。

幸せになるために生涯を誓ったはずなのに、結婚生活とは、夫婦の絆とは、親子とは、一体何なのだろうと考えさせられる日常の生活を、夫と妻の交互の視点で綴られ、映画ファンとしては文中に登場する作品や台詞が懐かしく楽しめました。
#ブログ #単行本 #読書

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