約2週間の間に柚子の木の若葉はすくすくと成長し、今では100枚以上になっているように見える。3月に鉢からフロントヤードに植え替え、やや寒い春だったこともあって環境に馴染むまでの間暫くのんびりと過ごしていたのであろう。新たな枝も伸びてきており、これならしっかりと根付くことだろう。
近くでよく観察すると、小さな蕾が2つ付いている。うまくすると今年も実がなるかもしれない。これからもこの木を大切に育んでいこう。
日本では定期点検を終えた原子力発電所の再稼動に際しストレステストを行う、ということがきっかけで原発のある自治体が政府に強い不信感を持ち、これが原因で海江田大臣も近い将来の引責辞任を表明している。海江田大臣が佐賀県知事や玄海町長に原発が安全であることを国が確認したから玄海原発の再稼動に協力してほしい、と依頼してから数日後に菅総理大臣がストレステストによる原発の安全確認の実施を指示した、と言うのでは、総理大臣自ら海江田大臣の発言を否定したようなものであり、地元が政府を疑うのも当然である。
福島原発の事故により多くの人が原発の安全性に不安を持ち、電力を原発に依存しても良いのだろうか、という気持ちになったことは自然であるが、長期的には原発以外の発電設備に転換する場合でも当分の間は原発に依存するか、それとも日本経済や生活の利便性を犠牲にして原発の再稼動をやめるかの選択を迫られることになる。原発を直ちに廃止すればエネルギー多消費型の企業は海外に移転し日本の景気は低迷するとともに雇用も失われるので、政府にはそのような選択肢はないだろう。脱原発を選択したドイツでも9ヶ所の原発は2015-2022年まで稼動することになっている。
ストレステストにより原発の安全性を確認しつつ再稼動させてゆくことは地域住民の合意を得る上でも良策であり、そのこと自体は悪くない。福島原発事故では想定外が多過ぎたので、ストレステストであらゆる事態に対しても安全を確保出来る見通しがあれば地元も納得するであろう。
福島第一原子力発電所事故以来、菅政権が原発に関して行ってきたことはちぐはぐで、唐突に浜岡原発の停止を要請し、その一方では点検停止中の原発の再稼動を地元自治体に要請し、更にストレステストの実施を発表するのでは順番が逆ではないか。先ずストレステストを実施し、安全が確認された原発については地元自治体に再稼動を要請し、ストレステストに合格するためには大幅な工事が必要な原発には稼動中でも停止を要請するのが筋であろう。菅総理大臣は東京工大卒の理系宰相だが、その思考法には理系らしい論理性が感じられない。
原発の安全性に加え、日本原燃による使用済み核燃料の再処理や放射性廃棄物処理などを含めた核燃料サイクルがいまだ完成しているとはいえない。福島原発事故により国民の原発に対する考えが変化した今、政府は国の英知を集めてプルサーマルや高速増殖炉も含め、総合的な原子力政策、更にはエネルギー政策を見直すべきだろう。
菅総理は再生可能エネルギー法案が成立するまで辞任しない、と言っているが、総合エネルギー政策が確定してから再生可能エネルギーの位置付けがなされるのであり、総合エネルギー政策を策定せずに再生可能エネルギー法案を制定するのはこれまた順序が逆ではないだろうか。
東京電力福島第一原子力発電所事故により、このところドイツ、スイス、イタリアなどに反原発ムードが広がり、また日本でも原発見直しの機運が高まっているように思われる。地球温暖化防止の切札として脚光を浴びていた原発の運転や建設が停滞すれば、長期的には再生可能エネルギーへの変換が進むかもしれないが、短期的には石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の消費が増加して、地球温暖化問題は脇に追いやられることになるのではないだろうか。
そもそも地球温暖化問題は必ずしもすべてが科学的な議論ではなく、国際世論を巧妙に誘導して一部の国が利益を上げ、国際交渉の不得手な日本は不利益をこうむる図式の政治問題である、とくまごろうは考えている。地球温暖化により北極グマの生息が困難になり、海抜の低い島嶼国家は領土が水没する、というきわめて感情的な議論でこの問題が取扱われているところに地球温暖化問題の非科学性が示されている。
国連の機関である気候変動に関する国際パネル(IPPC)が2007年に発行したAR4では1900年頃に比較して現在の地球表面平均気温が0.75℃上昇し、その原因が人為的な温室効果ガス、すなわち二酸化炭素によると結論づけた。しかし大気中にある温暖化ガスのうちもっとも多いのは水蒸気であり、その地球温暖化への寄与は90%に達しているのに対し、二酸化炭素の寄与は10%以下である。大気中の水蒸気量は人為的に制御出来ないので二酸化炭素量を制御しようという考えだ。
地球温暖化が大気中の二酸化炭素の増加にあるという説に対しては、現在は1650年から1850年まで続いた小氷期(Little Ice Age)が終わって温暖化の過程にある、という説や、温暖化したことにより海水の二酸化炭素溶解度が低減し、その結果大気中の二酸化炭素が増加したのであり因果関係が逆である、といった反論も少なくない。1970年代までは、世界中の学者が地球寒冷化を心配していたのに、今では温暖化の心配とは少し近視眼的ではないだろうか。2010年5月にシカゴで開催された地球環境に関するコンフェレンスでは、ロシアのPulkovo Astronomical Observatoryにおける宇宙研究リーダーであるHabibullo Abdussamatov博士が長期間にわたる太陽の活動の分析結果として、太陽の活動は1990年代がもっとも活発で、そのため地球は2005年から2008年がもっとも温暖化し、その後黒点活動が減少し2042年に最小となる見込みのため、2014年以降は小氷期に向い、2055-2060年がもっとも寒冷化するだろう、と発表している。彼はこの予測が太陽の観測により年々真実性を増していると報告し、温暖化より寒冷化を示唆している。
専門家の間でも地球温暖化に対しては賛否両論ありよくわかっていないことが多々あるにもかかわらず、京都議定書のような二酸化炭素の排出権取引まで議論するのは政治ショウ以外の何ものでもない。日本政府は途上国に対する無償援助の一環として排出権取引を考えているならそれは必ずしも無意味ではないが、そのためにエネルギーを多く消費する日本の基幹産業が海外に移転しては日本経済や雇用に甚大な影響を与えることになる。政治家や官僚は科学に強くない人たちが多く、一部の国やマスメディアの喧伝する必ずしも科学的に結論付けられていないことで日本の国益を損なってほしくない。
確かに二酸化炭素は石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料の燃焼により発生し、産業革命以来の化石燃料の消費急増は環境問題としては対策が必要であり、代替エネルギーへの転換が求められる。そのひとつが原子力、更には核融合であるが、東電原発事故が発生した現在、これらのエネルギーへの変換は政治的に困難となった。それゆえ太陽光発電、風力発電、地熱発電のような再生可能エネルギーに対する期待が高まることになるが、これらは化石燃料よりも発電コストが高く、供給の安定性の点からも基幹発電設備となるためには更なる革新的な技術開発が必要である。それゆえ当分の間は50%を越える高エネルギー効率で、環境汚染物質や二酸化炭素の排出量が相対的に少ない天然ガスを使用したガスタービンコンバインドサイクル発電が主役となるのではないか。
エメラルドさんのブログルにハンバーガーのことが掲載されているのを見て、くまごろうも今年まだ1度もハンバーガーを食していないことに気付き、早速洋子さんと共にマーサーアイランドのRoanock Innにハンバーガーを食べに行った。
Roanock Innは1914年にオープンした歴史的なタバーンで、当時はシアトルからの船着場近くに建てられたレストランだったが、今では高級住宅地の真ん中にある。数年前に近所の住人が住宅地に酒を提供する店があるのはけしからん、と言って裁判所に訴えたが、この店の方が昔からあったと言う理由で訴えた人は敗訴し、われわれマーサーアイランドの住人は安堵したことがある。この建物はマーサーアイランドの数少ないHistorical Buildingである。
洋子さんはThe Burger、くまごろうはMushroom and Swiss Burgerを注文した。パティは多分店の手作りで、1/3ポンドはある。つけそいは洋子さんはレギュラーのフレンチフライ、くまごろうはSeasoned Friesを、また飲み物は二人ともHefeweisen(白ビール)を頼んだ。このビールはレモンを絞って飲むが比較的軽い飲み心地である。
この店のハンバーガーはくまごろうの好物だが、今日も期待にたがわず美味であった。レストランを出る時には二人ともたぬきのような満腹。
明日体重計を見るのが少し怖い。
昨年は度々ブログに書いていた柚子の木について最近はほとんど書いていないが、別段柚子に関心がなくなったためではない。今は季節として柚子を使う料理が冬ほど多くないことは確かだが、くまごろうの柚子に対する関心は少しも衰えていない。
今年4月頃、わがやのさくらも咲きそろそろ春めいてきたので、それまで室内で避寒していた柚子をフロントヤードに植えたが、その後マーサーアイランドでは天候不順な春を迎え、せっかく成長していた新しい葉が元気を失い、萎れてしまった。5月も下旬になってようやく春らしい日が続き、柚子は元気を取り戻すかと思ったが、一向にその気配がなく、もしや枯れてしまったのではないか、と心配していた。
2週間ほど前からこの木に小さな新芽が見え始め、今ではそれらがかなり大きく膨らんできた。この木は生きていたのだ。きっと急激な環境の変化に驚いて、暫くの間体調を整えていたのだ。しかし夏至を迎えても幼い葉が育っている程度なので今年の収穫はあまり期待出来ない。
柚子は100枚の葉におおよそ実が1個生るという。たくさんの葉が成長して将来はたくさんの実をつけてほしいと念願している。
柚子は寒さに比較的強く、東北地方でも育つと聞いている。この地で越冬させるためには周りを囲ってやるなどの対策が必要かもしれない。
数日前にしゃくやくの写真をアップしてからすぐに、今度は洋子さんが暫く前に買ってきた白いしゃくやくが開花した。真っ白なしゃくやくはとても清楚で無垢な赤ちゃんのようだ。
しゃくやくはその香りのためかわがやを頻繁に訪れる鹿が食べないので、安心してつぼみの開花を待っていることが出来る。
住宅は人を自然から守るシェルターであり、そのような住宅の重要な構成要素である窓も自然環境に耐えうる強度が必要である。自然環境の中で窓が第一に考慮しなければならないものは風である。毎年フロリダ半島を襲うハリケーンは風速が毎秒70メートルに達することがあり、一旦住宅のひとつの窓を破壊すると室内に入った風は屋根を引きはがし、外壁を外側に押し倒すエネルギーを持っているので、このような地域で使用される窓やパティオドアはハリケーンによる風圧や飛来する破片にも耐えられなければならない。
1枚のガラスの耐風圧強度はガラスが厚いほど高く、また同じ厚みでは面積が小さいほど高い。またガラスに作用する風圧は風速の2乗に比例し、更に地上からの高さが高いほど大きくなる。日本の建築基準法では室戸台風の最大風速63メートル/秒を基準とし、地上からの高さ15メートルにおける許容風圧は186 Kg/m2となっている。また許容荷重=許容風圧xガラス面積の関係があり、ある試験データによれば厚さ3ミリのフロートガラスの許容荷重は180 Kgなので0.97 m2以下の面積のガラスが許容範囲となり、これより大きい面積のガラスを使用するにはより厚いガラスを使用しなければならない。因みに前述の試験データでは3ミリのペアガラスの許容荷重は230 Kgなので、このペアガラスは1.23 m2の面積まで使用出来る。
窓やパティオドアの耐風圧強度はガラスの強度だけでなく、窓枠・ドア枠の強度、ガラスの窓・ドアへの取付け法、更に窓枠・ドア枠の躯体への取付け法にもよる。窓の耐風圧強度は日本ではJISの、またアメリカでは窓・ドア製造者協会(WDMA)の基準がある。これらの基準は単位面積あたりの風圧で示されているが、よりわかりやすい風速で示すと下記のようになる。
JIS等級 風速 WDMA等級
S-1 36.0m/秒
42.2m/秒 R-15
S-2 45.3m/秒
48.9m/秒 R-20
S-3 51.1m/秒
54.1m/秒 R-25
S-4 56.4m/秒
60.6m/秒 R-30
S-5 63.1m/秒
64.4m/秒 R-35
S-6 68.4m/秒
68.9m/秒 R-40
76.9m/秒 R-50
S-7 77.3m/秒
84.4m/秒 R-60
WDMA等級はハリケーン地域向けのために更にR-80まで規定されている。日本では一般住宅用窓の耐風圧強度は1階ではS-1、2階ではS-2、3階ではS-3として設計されているが、アメリカの高性能窓メーカーの場合はR-40、すなわちJISのS-6以上の性能が標準となっている。
余談になるが、ハリケーン地域であるフロリダ州マイアミ・デード郡の窓・ドアの基準は厳しいことで有名だが、ハリケーンの際の飛来物規準についてはインパクトテストと呼ばれ、重さ約5キロのツーバイフォーの角材を時速56キロで発射してガラスにぶつけても破損しないことが求められる。このテストは http://www.youtube.com/watch?v=TL_j8sp8Vx8 で見ることが出来る。
またアメリカの高級木製窓メーカーでは144m2の住宅でのマグニチュード6.7の地震に耐える窓・パティオドアのテストを http://www.youtube.com/watch?v=q21pMDf6Wwo に示している。
今年もわがやのフロントヤードに植えてあるしゃくやくが咲いた。昨年より2週間遅い開花だ。
気品のある色と花びらは可憐な乙女を想わせる。『立てばしゃくやく座ればボタン.......』、そういえば最近しゃくやくのようなひとに会っていないことを実感する。
2/8/2011付ブログルにくまごろうは親子3代にわたるSONYファンだと記した。このブログルではSony Exchange Programによりわがやの不具合のあるテレビを新品の液晶テレビに交換してくれたことに感激し、今後もSONY製品を愛用してゆくことを宣言した。
今年5月号の文芸春秋に立石泰則氏の『さよなら!僕らのソニー』という記事が掲載されており、これを読んで愕然とした。
ソニーは創業者である井深大氏と盛田昭夫氏が『他人のやらないことをやる。』と『他人真似はしない。』をモットーに独自の技術開発を続けてきた。トランジスターラジオ、トリニトロンテレビ、ビジネスとしては失敗したがベータ方式のビデオレコーダー、現在のディジタルカメラの元となったマビカ、ウォークマン、最近ではブルーレイディスクレコーダーやロボットなどソニースピリットは最先端技術商業化のシンボルでもあった。われわれ消費者の目に触れる機会は少ないが、映像放送分野や軍需産業でもソニーブランドは活躍している。
その後のSONYはものづくりだけではなく、音楽、映画、ゲームなどの業界に進出したが、このような他分野進出はソニー製品の販路拡大のためであり、ソニーの中心はあくまでもものづくりであった。それがストリンガー会長体制になってからソフトやコンテンツが中心にあって、ハードウェアはその周辺に位置付けられた経営が行われているという。ストリンガー会長はオープンテクノロジーを支持し、独自技術による製品開発を否定している。そのため冷遇された異質な才能を持った優秀な技術者がソニーを離れ、韓国や台湾の企業に移っているという。
この記事はソニーを永年追い続けてきたノンフィクション作家によるものであり、恐らく内容は正確だろう。45%の株主が外国人であり、会長は1年の大半をニューヨークで過ごすアメリカ人のソニーは世界企業であることは確かで、くまごろうや多くのソニーファンが想像していたものづくりにこだわる日本企業では全くない。
1970年代までのソニーのコーポレートスローガンは『日本が生んだ世界のマーク』だった。現在は『make.believe』だそうだ。この記事を読んで次にエレクトロニクス商品を購入する時、くまごろうはSONYを選ぶか自信がなくなった。
円高が止まらない。
大震災や節電の影響で日本の景気は当分はマイナス成長であり、復興需要による景気の回復は早くても今年末、第二次補正予算の成立が遅ければ来年と思われるが、何故か円はアメリカドルに対して強すぎる。日本の悪いニュースは為替にはまったく反映されず、反対にアメリカの景気回復が予想より遅いとか、雇用も期待しただけ増えなかったという少しだけ悪いニュースが大幅な円高を助長している。
大震災後一時76円に達した為替は先進国との協調介入によりやや円安に振れ、4月8日には85円となったがそれ以後は一貫して円高が続き、今日は再び79円台となっている。この背景としてはヨーロッパの一部の国の財政破綻、アメリカの景気回復の遅れ、石油価格の高騰などがあげられているが、ドルが売られ円が買われる理由としてこれらは不十分だ。確かにアメリカは大きな対外債務を、日本は逆に大きな対外債権を保有しているが、日本の対外債権の中心であるアメリカ国債は売却出来ない債権であり、アメリカ経済がおかしくなれば日本も道連れとなる運命にある。
円高は輸入資材を安く購入出来るということを強調する人がいるが、人的・知的資源しかない日本は貿易立国であり、輸入した原料やエネルギーにより生み出した製品の輸出によって初めて衣食住をまかなっていることを忘れてはならない。野田財務大臣はもっと円高に敏感になって口先介入やドル売り介入を行い、円の高騰を抑えて景気を少しでも上向かせ、大震災復興の一助とするよう尽力すべきである。
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