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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(47)『希望の糸』東野圭吾(講談社文庫)

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今年の読書(47)『希望の糸』...
加賀(恭一郎)シリーズ最新作ということで手にしました<東野圭吾>の『希望の糸』です。2019年7月に単行本として刊行され、2022年7月15日に文庫本として発売されています。

刑事「加賀恭一郎」シリーズは『卒業」(1989年5月8日刊行)に始まり第8作目『新参者』(2009年9月18日刊行)で「練馬署」から「日本橋署」に移動になり、第10作『祈りの幕が下りる時』(2013年5月13日刊行)に続く第11作目となりますが、「加賀恭一郎」も脇役的に登場しますが甥の「松宮修平」が主人公として扱われています。


大きな伏線として冒頭は「汐見行伸・怜子」夫婦の話で始まりますが、急転して小さな喫茶店を営む女性経営者が店舗内で刺殺体で発見されます。「加賀」と「松宮」が捜査しても彼女に関する手がかりは善人というだけで男関係もなく不審者は浮かんできません。ただ、彼女のジム通いなど不可解な行動を調べるとある少女の存在が浮上してきます。

刺殺事件の捜査中に、「松宮」に金沢の料亭の女将「芳原亜矢子」〈自分の父があなたの父親です〉と、金沢で息を引き取ろうとしていた料亭の主人の遺言書に「松宮」の名前があるということで連絡が入ります。

ひとつの刺殺事件を通して、夫婦関係、親と子、家族という主題でまとめ上げた、見えないつながりの<糸>を掘り下げた内容でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(46)『金春屋ゴメス』西條奈加(新潮文庫)

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今年の読書(46)『金春屋ゴメ...
<西條奈加>の『金春屋ゴメス』は、2005年11月に単行本が刊行、2008年(平成20年)10月に新潮文庫に収録され、2022年7月1日(ということで「しおり紐(スピン」)はありません)に文庫本として発売されています。

なんとも奇想天外な構想の物語でしたが、エンターティナメントとしては面白く楽しめ「第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞」というのも納得できる内容でした。

近未来の「日本」に江戸時代そのものの環境の鎖国状態の「江戸国」を舞台としています。「江戸国」に入国するためには競争率三百倍の難関を潜り抜け入国を許可されなければいけません。大学二年生の「辰次郎」は、5歳の時に父「辰衛」と共に「江戸国」から「日本」に「辰次郎」の流行病を治すために来ました。

「辰次郎」は、父がなぜ「日本」出国してきたのかを知りたくて「江戸国」へ出向きますが、その請け人は身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道で鳴らし大盗賊も思わずビビる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守でした。「江戸国」では15年前と同じ流行病の「鬼赤痢」が突如として出現しており、病気が治った「辰次郎」の経歴に目を付けた「ゴメス」が手を回し難関の「江戸国」入国させ、致死率百パーセントのの正体を突き止めるよう「辰次郎」は命じられます。

なんとも不思議な感覚で「江戸国」の浮世事情を感じながら違和感なく、ミステリーの要素も含めた展開で楽しめた著者の〈デビュー作品〉でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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しおり紐(スピン)廃止@新潮文庫

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しおり紐(スピン)廃止@新潮文...
文庫本愛好家として、「新潮文庫」には(スピン)と呼ばれる「しおり紐」が付いていて重宝していましたが、『次の電車が来る前に』(2022年7月1日発行)では、(スピン)が無くなっています。ついに作業工程の簡略化や製本のコスト削減となったようで、残念です。

現在使われる意味での「文庫本」を生み出した岩波文庫〈1927年(昭和2年)発刊〉は、しおり紐つきの造本を行ない、多くの他社もそれにならいましたが、1914年(大正3年)創刊の「新潮文庫」は1933年から終戦直後の物資不足の時代を除き、現在まで一貫してこの(スピン)が付いていました。

コストダウンなどの理由で(スピン)を取りやめる文庫が増え、いつのまにか、「新潮文庫」にだけ(スピン)がついているという状況でした。一目で「新潮文庫」だとわかる「隠れたシンボル」とも言える存在だっただけに、残念に感じている本好きさんが多いのではないでしょうか。
#しおり #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(45)『次の電車が来る前に』越谷オサム(新潮文庫)

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今年の読書(45)『次の電車が...
『陽だまりの彼女』『いとみち』の著者の2019年11月に刊行されています『四角い光の連なりが』が改題され、2022年7月1日に『次の電車が来る前に』として文庫版が発売されています。

本書には、共に「鉄道・電車」にまつわる5篇が収められています。

『やまびこ』は、三代目の写真館を継ぐことなく東京へ飛び出した息子が、父の葬儀のために故郷へ戻る新幹線の中での出来事をとおして人生を振り返るともに父への思いが描かれています。
『タイガースはとっても強いんだ』は、タイガースファンには「わかる・わかる」とうなづくこと必至の内容で、大阪の地下鉄や阪神電車の様子がよくわかる関西を舞台としていますのでぜひ読んでいただきたい一篇でした。
『二十歳のおばあちゃん』は、若いころに乗っていた路面電車に乗りたいという祖母のために、その電車が譲渡されまだ走行しているという豊橋まで東京から連れて行く孫の「美羽」との道中が描かれ、「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思いを、ファンタジー的な構成で描いています。登場する鉄道オタクが、いい味を出していました。
『名島橋貨物列車クラブ』は、貨物列車をめぐる小学六年生の友情と小さな冒険を、作文調の構成で、ほのぼのと綴っています。
『海を渡れば』は、真打になった落語家「匂梅亭一六」の四国愛媛県から師匠に弟子入りした人生記を落語調でまとめています。

人生の縮図の例えとして鉄道や駅はよく使われますが、まさに出会いと別れの人生の機微や心のつながりを描く全5話、鉄道ファンでなくとも十分に楽しめる一冊だと思います。
#ブログ #文庫本 #読書 #鉄道

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今年の読書(44)『昆虫学者はやめられない』小松貴(新潮文庫)

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今年の読書(44)『昆虫学者は...
本書は、2018年4月に『昆虫学者はやめられない 裏山の奇人 徘徊の記』に加筆・さい編集され、2022年7月1日に文庫本として発売されています。

ファーブル昆虫記ならぬ「ファルコン昆虫記(933)」を記録している昆虫好きとしては、素通りできない一冊です。

著者は、「アイヅカコオロギ」を研究されていますが、昆虫のみならず、リスやヘビ、カラスの分野まで、幅広く生物に対しての興味が綴られています。

本書は、「研究者でない、一般の人々に身近な生物の魅力を伝えるのが目的」とされていますので、自己の体験記を通しての記述が楽しめました。

また口絵のカラー写真のこんちゅうたちや、文中にも白黒写真が添付されていますので、飽きることなく楽しめる一冊だと思います。
#ブログ #文庫本 #昆虫 #生物 #読書

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今年の読書(43)『鍵のない夢を見る』辻村深月(文春文庫)

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今年の読書(43)『鍵のない夢...
<辻村深月>による『鍵のない夢を見る』は、第147回直木三十五賞受賞作品で5篇の短編が長練られており、収録されています短編『芹葉大学の夢と殺人』は第64回日本推理作家協会賞短編部門候補作品です。2012年5月に単行本が、2015年7月10日に文庫本が発売されています。

『ツナグ』原作本)・『朝が来る』原作本)・『ハケンアニメ!』など映画化された作品も多く、読んだ最近作としては『かがみの孤城(上・下)』がありますが、短編集は初めてです。

著者が、今作ではより経験豊富な年代の人にも読んでもらいたいと読者に委ねる書き方を意識して執筆された作品が並んでいます。

誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返し転校を余儀なくされる友達のお母さん、結婚をせっつく田舎の体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行。人生に夢を持ち続ける男との関係を自ら清算しようとするする女、育児ノイローゼで、子供を放置する母親、普通の町に生きるありふれたごく普通の女性5人を主人公に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇の短篇集になっています。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(41)『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎(新潮文庫)

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今年の読書(41)『クジラアタ...
<伊坂幸太郎>の『陽気なギャングが地球を回す』(2003年2月10日・祥伝社)を原作とする<リー・ユー>監督作『陽光劫匪(原題)』や『マリア・ビートル』(2010年9月24日・角川書店)を原作とする<デヴィッド・リーチ>監督作『ブレット・トレイン』の公開が控えていますが、『首折り男のための協奏曲』以来の《伊坂ワールド》が楽しめた『クジラアタマの王様』は、2019年7月に単行本が刊行され、2022年7月1日に文庫本として発売されています。

主人公となる登場人物として、製菓会社に勤める「岸」、都会議員の「池野内」、ミュージシャンの「小沢ヒジリ」の3人が登場。彼らは共通する「夢」=「体験」を持っているというつながりがありました。

夢の中で巨大な鳥「ハシビロコウ」と戦う彼らは、現実の世界で複雑に絡み合い「夢」の中で負けるとと現実世界で災いが起こり、勝てばいい方向に人生が進むという現実に気が付きます。

新型インフルエンザが流行する前に、「鳥インフルエンザ」禍のパニック状況を先取りした結末はこれぞ《伊坂マジック》ともいえます。

また文中に<川口澄子>さんの本文挿画としての「台詞のない漫画イラスト」が、本文の行間を埋めるのに多大な貢献をしている一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(40)『鯨の岬』河﨑秋子(集英社文庫)

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今年の読書(40)『鯨の岬』河...
失礼ながら著者のことは知らず、文庫本の帯に「つよく猛々しく、共感を拒絶する思考」とのコピーが、読み続けてています<桜木紫乃>の推薦文ということで手にしました本書『鯨の岬』です。

本書は書下ろしの『鯨の岬』と第46回北海道新聞文学賞受賞作『東陬(とうすい)遺事』の2篇が収録され、2022年6月25日に文庫本として発売されています。

『鯨の岬』は、札幌の主婦「奈津子」は、孫が笑いながら見ていた鯨が腐敗爆発する動画を見て、子供のころ住んでいた鯨の町の記憶を思い出します。後日、釧路の母を介護施設へ訪ねる途中、捕鯨の町にいた幼い頃が蘇ってきます。記憶の扉を開けた彼女は、母の訪問を辞めて子供のころに住んでいた霧多市へと足を向けるのでした。

『東陬遺事』は、江戸後期の蝦夷地野付に資源調査のため赴任した「山根平左衛門」でした。死と隣り合わせの過酷な厳寒の中で、下働きの「たづ」の家族と親しくなり、その父や弟を通して、壮絶な極地での生活を体験していきます。命を見つめ喪失と向き合う人々の凄絶な北の大地の物語が描かれています。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(39)『弾丸メシ』堂場瞬一(集英社文庫)

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今年の読書(39)『弾丸メシ』...
<堂場瞬一>といえば、警察小説とスポーツ小説を軸に多彩な作品をハイペースで生み出す作家で、日本の戦後警察シリーズとして文庫本で『焦土の刑事』『動乱の刑事』『沃野の刑事』の三部作を読み終えたばかりです。著者の作品の中にはジャンルを超えて共通する特徴があり、それが食の描写です。

マメに家庭料理を作るシングルファーザーを登場させる一方で、カレーとファストフードばかりの刑事を描いています。珈琲にこだわりのある刑事を出したかと思えば、ストイックなまでに栄養管理をするランナーの話も出てきます。その食の描写は、そこに著者が人間と生活のリアル感を追及しているに他ならない部分ではないでしょうか。

本書『弾丸メシ』は、2019年10月25日に単行本が刊行されていますが、文庫版書下ろしが一篇追加されて、2022年6月25日に文庫本が発売されています。著者が料理を食べてそれをレポートするという極めてオーソドックスな構成ですが、ルールが設定されています。①日帰りであること、②食事は1時間以内に済ませること、③食べ残さないこと、の三つです。それゆえにタイトルの『弾丸メシ』に納得です。

紹介されるている12篇は福島の円盤餃子や横浜での各国料理、函館のハンバーガー、高崎のソースカツ丼、熊本の太平燕、東広島の美酒鍋、ヘルシンキのカラクッコ、アントワープのフリットとワッフルなどが登場していますが、 日帰りの「弾丸メシ」でヘルシンキやアントワープとは、そこは本文を読めば「そういう日帰りなのか」と納得できます。

各料理の描写は割愛しますが、とにかく具体的で美味しそうで食べたくなりますが、それだけならグルメ情報を読めばすみます。やはり面白いのは〈堂場瞬一の目線での描写〉なのです。

本人に言わせると本書は「ルポ」なのだそうですが、かって<堂場瞬一>は「エッセイ」は書かないと言っていました。本書はまさに、<堂場瞬一>自一自身がしっかりと描かれた食エッセイではないのかなと読み終えました。
#グルメ #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(37)『沃野の刑事』堂場瞬一(講談社文庫)

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今年の読書(37)『沃野の刑事...
<堂場瞬一>の〈日本の警察〉大河シリーズとして三カ月連続刊行として、第1作目『焦土の刑事』・第2作目『動乱の刑事』の第3作目の『沃野の刑事』ですが、2019年11月20日に単行本が刊行され、2022年6月15日に文庫本が発売されています。

第2作目から18年が経った1970年。大阪万博を控え、高度経済成長で沸き立つ日本を舞台としています。

捜査一課と公安一課を対立させたある爆破事件以降、袂を分かった刑事の「高峰靖夫」と公安の「海老沢」は、それぞれ理事官に出世し、国と市民を守ってきましたが、かつてふたりの同級生だった週刊誌編集長「小嶋学」の息子「和人」の飛び降り自殺で亡くなったことがきっかけで、再び3人の立ち位置の違いがありながら絡み合っていきます。

「小嶋」は、息子が学生時代に参加した学生デモの参加で逮捕されたことが原因で自殺したと思い、公安か警察が情報を流したと信じており、「高峰」や「海老沢」が独自に自殺の真相を調べを進めるうち、総合商社に勤める「和人」に関して、アメリカの戦闘機導入にまつわる汚職事件の存在が徐々に明るみに出てきます。

尊重すべきは国家の利益なのか、それとも名もなき個人の名誉なのか。「警察の正義」を巡り、「高峰」と「海老沢」はまたしても踏み絵的な事件に向き合うことになります。

本書で三部作として完結ですが、「高峰」の高校生の息子「拓男」が将来の職業として「警察官」の夢があるようで、高峰家の「警察官」三代目としての伏線なのかなと期待しながら読み終えました。
#ブログ #文庫本 #読書

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