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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(14)『阿弥陀堂だより』南木佳士(文春文庫)

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今年の読書(14)『阿弥陀堂だ...
著者自身が現役の石である<南木佳士>の著作は、エッセイ集として、『こぶしの上のダルマ』   ・  『からだのままに』   ・  『トラや』  ・  『いきているかい?』 などを読んできていますが、小説としての作品を読んでいないことを、昨年2月に公開されました<村橋明郎>監督による  『山中静夫氏の尊厳死』 で気づきました。

遅まきながら手にした本書『阿弥陀堂だより』は、1995年6月に単行本が刊行されており、<小泉 堯史>監督により2002年に映画化され、96歳の「おうめ婆さん」役の<北林谷栄>が第26回日本アカデミー賞助演女優賞を、「石野小百合」役の<小西真奈美>が新人俳優賞を、それぞれ受賞しています。

高校の同級生の「神谷美智子」と結婚した「上田孝夫」は文学界の新人賞を受賞したもののその後鳴かず飛ばずの作家業を続けていましたが、医者になった「美智子」は、心の病を患いパニック障害になってしまいます。妻の病気を転機に、「孝夫」は祖母と暮らした生まれ故郷の信州の山奥に移り住み。「美智子」は週3日、村の診療所に勤めることになります。

二人は、自宅奥の山里に、村の故人の霊を祀る古びた「阿弥陀堂」に暮らす96歳の「おうめ婆さん」と知り合い、また肉腫で声が出なくなった難病と闘いながら役場に勤め「おうめ婆さん」の昔話を、「阿弥陀堂だより」として広報誌にまとめている「石野小百合」と知り合うことになります。

「小百合」が重病になり、「美智子」は地元の総合病院の医師と「小百合」の治療に当たり、パニックを起こすことなく、治療に没頭することができるまでに回復していました。

都会とは違う静かな時間の流れる信州の山奥で、「孝夫」と「美智子」は新しい人生の道筋を見つけてゆく様子が、「おうめ婆さん」の生きざまを通して、心地よく響く作品でした。
#ブログ #文庫本 #映画 #読書

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今年の読書(10)『令嬢弁護士桜子』鳴神響一(幻冬舎文庫)

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今年の読書(10)『令嬢弁護士...
本書は前作『令嬢弁護士桜子 チェリー・ラプソディ』(2019年・10月5日・幻冬舎文庫)に続く2作目で、正式な題名は、『令嬢弁護士桜子 チェリー・カプリース』です。

玉川パートナーズ法律事務所に所属する弁護士「一色桜子」は、祖父が購入した土地の賃貸収入で高級住宅街田園調布の一画に住居を構える法曹一家の令嬢です。仕事では一家の運転手「土岐」が運転する高級車「アルナージ(ベントレー)」で移動するという恵まれた環境に身を置いていますが、幼い頃のトラウマから「濡れ衣を晴らす」ことに人知れず執着しています。

「桜子」は、ヴァイオリンの恩師「浦上紗耶香」のコンサートに出向きますが、楽屋で悩みごとの相談があると言われます。ところが、「浦上」は、弦楽四重奏団として舞台の演奏中に停電に見舞われ、演奏中に倒れ、搬送先の病院で死亡。司法解剖で毒殺事件となります。犯人として逮捕されたのは、「浦上」の横で演奏していた第2ヴァイオリンの「小早川弘之」でした。国選の当番弁護士として恩師の事件の被疑者「小早川」の弁護人となった「桜子」ですが、恩師の相談事が事件に関連しているのではと悩みながら、事件の背景を調べるべく動き出します。

ヴァイオリンの名器の鑑定を巡る事件で推理小説を読みなれた読み手としては全体像が読める筋立てですが、改めて楽器としてヴァイオリン業界の裏側が垣間見れる一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(9)『共謀捜査』堂場瞬一(集英社文庫)

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今年の読書(9)『共謀捜査』堂...
<堂場瞬一>の 『検証捜査』 に始まる『☓☓捜査』シリーズとして、 『凍結捜査』 に次ぐ6作目になる『共謀捜査』は、文庫本書き下ろしとして2020年12月25日に発行されています。

フランス・リヨンにある国際刑事警察機構(ICPO)に出向している警察官僚の「永井」が、帰宅中に拉致されてしまいます。同じく出向している「安井凛」は、同僚たちと捜索を開始しますが、犯人はミノシロキン100マンユーロを要求してきます。

同じころ日本・東京では、『検証捜査』の舞台となった神奈川県警の不正事件の関連者で退職した元刑「松崎」が銃殺された死体が発見され、『検証捜査』のチームリーダーだった「神谷」に警察庁から、「松崎」の背後を探るべく特命が下されます。

「神谷」は、「松崎」の事件の背景を調べるべく、全国に散らばる『検証捜査』の元メンバーに声をかけ秘密の捜査を進めていきます。

リヨンの拉致事件と東京のロシアマフィアの絡む事件が同時進行で進み、国際的犯罪組織崩壊のために仕組まれた奇想天外の結末に驚かされるとともに、<堂場瞬一>ファンとしては、「なぁんだ」という落胆と共に本を閉じた524ページでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(8)『蛍草』葉室麟(双葉文庫)

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今年の読書(8)『蛍草』葉室麟...
武士道の世界を舞台として、ホロットさせられる人情物語の語り手として好きな作家の<葉室麟>の『蛍草』は、2015年11月15日に文庫本になっています。

また、2019年に『螢草 菜々の剣』と題しNHK BSプレミアム「BS時代劇」にて、<清原果那>主演として(7話)構成でテレビドラマ化されています。

主人公の16歳の「菜七」は、父「安坂長七郎」が藩内で犯した刃傷沙汰事件で切腹させられたことを隠し、同じ藩の「風早一之進」家の女中になります。当主の「一之進」や奥方の「佐知」に優しく迎えられ、二人の子供たちと平和に暮らしていましたが、「佐知」が病気でなくなり、「一之進」は父の切腹の原因となった「轟平九郎」の策略にはめられ、遠方へ蟄居させられてしまいます。

二人の子供たちを預かることになった「菜七」は、亡き父の仇でもある「轟」に対して、また、前藩主の不正に対して、ある決意を持って立ち上がります。

苦境に負けず、ひたむきに生きる16歳の奮闘記でもあり、ほのぼのとした恋心を秘めながら、脇を固める登場人物たちの人情味を重ねながら、物語の展開は、最後まで飽きさせることなく読み手を導く、<葉室麟>の世界に浸れる一冊でした。
#テレビドラマ #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(7)『ブラックツイン』沢里裕二(双葉文庫)

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今年の読書(7)『ブラックツイ...
本書の正式のタイトルは長く『ブラックツイン 組織犯罪対策部特攻班』です。新聞広告で見つけた本書ですので、著者<沢里裕二>の作品としても初めてになりますが、双葉文庫としては本書で8冊目の文庫本でした。

タイトルを見て「組織犯罪対策部特攻班」という部署が気になったのですが、刑事物でありながら、前回(6)で読みました<福田和代>の 『星星の火2』 も新感覚の刑事物でしたが、本書もかなりぶっ飛んだ内容でした。

捜査一課の刑事「植木揚平」は組織犯罪対策部にに新設された六課へ異動になります。捜査のためなら過激な手段も厭わない新たな部署で、「植木」は曲者刑事「後藤正信」と組むことになります。夜の歌舞伎町を舞台に潜入捜査も厭わず、裏社会の陰謀を探る、二人の破天荒な捜査が繰り広げられていきます。

ミステリー的な謎解きの刑事物を期待する人には不向きな内容で、アダルトでスラップスティックな描写が目立つエンターティメントな一冊で、好き嫌いが分かれる内容でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(6)『星星の火2』福田和代(双葉文庫)

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今年の読書(6)『星星の火2』...
著者<福田和代>(53)は兵庫県神戸市出身の作家ということで、 『TOKYO BLACKOUT』、 『ハイ・アラート』、 『タワーリング』、 『暗号通貨クライシス BUG広域警察極秘捜査班』 など目に留まれば読むことにしています。神戸大学工学部化学工学科卒業という「リケジョ」らしく、2007年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』(青心社)で小説家デビューしています。

本書 『星星の火2』は、『星星の火』(2014年6月 双葉社 / 2017年8月 双葉文庫)のシリーズ2作目になり、2017年9月に単行本が双葉社から刊行、2020年12月13日に文庫本が発売されています。

『星星の火』では、在日中国人の社会の闇の部分を扱い、中国語通訳としての刑事「城正臣」と同じ官舎に住む警視庁保安課「上月千里」刑事たちが主人公の舞台は変わりません。

保安課の「上月」は、中国人の少女売春組織を捜査する過程で、〈赤い虎〉という名を耳にします。かたや中国語通訳捜査官の「城」は、池袋で発生した刺殺事件の捜査を通じて中国の裏社会の組織である〈赤い虎〉に辿りつきます。組織の裏側には中国残留孤児にまつわる暗い陰が横たわり、同法のトラブルに日本の法律や警察対象外の闇の組織が出来上がっていました。

東京の池袋を舞台として、ヤクザでもない半グレ集団の暴走を描くとともに、通訳として捜査に従事する刑事たちの私生活や信条を絡ませた、新感覚の警察小説でした。
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今年の読書(5)『孤軍 越境捜査』笹本稜平(双葉文庫)

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今年の読書(5)『孤軍 越境捜...
<笹本稜平>の『越境捜査』シリーズ第6冊目として、2017年9月に単行本が出ていますが、ようやく文庫本として昨年12月13日に文庫本(840円)として発行されています。

好きな作家のひとりですので、気を付けて新刊はチェックしているつもりなんですが、どういうわけかシリーズとしては、第2弾 『挑発 越境捜査』、第4弾 『逆流 越境捜査』、本書第6弾と偶数巻に縁があるようです。現時点で第7弾『転生 越境捜査』.第8弾『相剋 越境捜査』の単行本が出版されていますので、飛ばさないように注意しなければいけません。

巻数が飛んでも、シリーズ物としての個性際立つ登場人物たちは同じですので安心して読み継ぐことができます。

独居老人が殺害された6年前の未解決事件を調べなおしていた「鷺沼」は、聞き込み捜査でその老人が株を売却した8億円もの箪笥預金があったことを知ります。事件後その8億円は不明になっていました。

調査の一環として身内を調べていくうちに、老人の娘が事件後離婚していて、再婚相手は、なんと自分たちの首席監察官「村田」だと分かるとともに、「鷺沼」たち捜査班のメンバーが観察対象となり取り調べを受けることになります。

刑事物が好きな感のいい読者は、この段階で、警察組織の上下関係が絡んで物語は展開していくと予測でき、また殺人犯は「村田」だと予測しながら、その通りの筋書きになっていきます。553ページという長編ですが、後半は、現場刑事の「鷺沼」たちと、「村田」側の警察上部陣営たちとの息を持つかせずの駆け引きで結末を迎えます。
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今年の読書(2)『インフォデミック 巡査長 真行寺弘道』榎本憲男(中公文庫)

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今年の読書(2)『インフォデミ...
あまり小説の分野を限定するのは好みではありませんが、<エド・マクベイン>の『87分署』シリーズや、<マイ・シューヴァル>と<ペール・ヴァールー>夫婦の『マルティン・ベック』シリーズに馴染んだ世代としては、刑事物には目がなく、新聞広告で「巡査長 真行寺弘道」のタイトルが目に飛び込み、文庫描き下ろしということでさっそく手にしてみました。

どうやらすでに既刊4冊が出ているシリーズのようで、主人公「真行寺弘道」は、警視庁捜査一課に所属、53歳で巡査長という警察官としては「超」ヒラ刑事です。そんなヒラ刑事が捜査一課にいること自体、異例中の異例で、自宅には、若い「森園みのる」というロックミュージシャンを居候させています。
そんな「真行寺」を、キャリアで警視庁刑事部捜査一課課長の「水野玲子」は、彼の捜査能力、事件の筋読みは他の刑事と比較にならないほど優秀ということで、一目置いているという設定のようです。

本書『インフォデミック』は、前回(1)<濱嘉之>の 『院内刑事 パンデミック』 と同様に新型コロナウイルスをタイムリーに扱っています。

「森園みのる」 の恋人「白石サラン」は、コロナ禍の中で伝説的なミュージシャンの「浅倉マリ」を中心とする、一大コンサートを企画します。「水野課長」は「真行寺」にコンサートの会場等を含めた詳細を探らせ、中止させるように命じますが、「浅倉マリ」はコロナに罹患して亡くなってしまうのですが、コンサートは続行されていきます。

登場する「浅倉マリ」は、<浅川マキ>をモデルにしているようで、懐かしさを感じながら読み進めました。既刊のシリーズが下地の描写も多々ありましたが、それなりに面白く読めましたが、主人公「真行寺」の刑事という設定に違和感を感じてしまいました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(1)『院内刑事 パンデミック』濱嘉之(講談社文庫)

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今年の読書(1)『院内刑事 パ...
今年最初の読書は、<濱嘉之>の「院内刑事(デカ)」シリーズとして、『『院内刑事 ブラックメディスン』『院内刑事 フェイク・レセプト』に続く4作目の『院内刑事 パンデミック』(2020年11月13日刊)です。

発行日を記載しましたのは、現在の新型コロナウイルス感染をタイムリーに話題として取り入れているので、いつも以上にはぅりょくある内容で楽しめましたし、改めて著者の力量に感心しました。

「院内刑事」として大規模病院「川崎殿町病院」の危機管理業務を引き受けている主人公「廣瀬知剛」は、横浜港に感染者がでたクルーズ船が寄港することにより、病院内にコロナ対策としての手配を始めていきます。

全7章からなる構成ですが、前半部は、お大規模病院内で起こる人事を含めた現実問題に対処してゆく「廣瀬」がえがかれていますが、第4章の『パンデミック』で、新型コロナの現状が、公安出身の経験を生かした内容と共に見事に描かれていました。

またその後は、大病院ならではの実情に沿った問題を、見事に解決、危機管理のスペシャリストとしての面目躍如といった内容で、年当初から読み応えのある一冊に当たりました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(108)『炎罪』鏑木蓮(講談社文庫)

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今年の読書(108)『炎罪』鏑...
本書『炎罪』は、京都府警下京署に所属する女性刑事「片岡真子」を主人公とする 『時限』 (この時は五条署勤務)以来になるシリーズ2冊目です。期待していた通り京都弁のはんなりした「片岡真子」の再登場です。

全焼した精神科クリニックを定年後開いていた自宅から、精神科医「山之内」の焼死体が発見されます。放火事件が続いていた地域だけに、自殺なのか他殺なのか、妻「和代」が不明のまま捜査が進められます。

元食品会社に勤める「長門繁」が、食品混入された商品がネットで炎上、責任を散る形で会社を首になった反動で放火事件を起こし、逮捕されます。「長門」は京都府警の顧問を務める「山之内」の弟子の精神科医である「新盛」の取り調べを受けた日に留置場で自殺を図ります。

「長門」が放火犯であり殺人犯なのか操作が行き詰る中、「片岡」は、同じ頃やはり「山之内」の弟子である仙台に住む「小津結花」がマンションから飛び降り自殺で亡くなっていることを知り、「自殺」を戒めていた「山之内」の弟子らしく無い行動を調べてゆくうちに、府警顧問の「新盛」に疑いの目を向けます。希有の才能の持ち主である精神科医の「新盛」には、隠された秘密がありました。

女性刑事ならではの観察眼が光る構成で、『時限』に登場していたキャリア組の「高藤」も登場していますので、さらなる「片岡」の個性が光る一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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