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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(73)『小暮写真館(上)』宮部みゆき(講談社文庫)

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今年の読書(73)『小暮写真館...
<宮部みゆき>の『小暮写真館』は、2010年に講談社が企画しました「創業100周年記念出版描き下ろし100冊」の中の一冊として同年5月15日に単行本(720ページ)で刊行され、2013年10月16日に文庫本(上・下)として発行されています。

(上巻)には、二話が納められており、第一話は、タイトルにもなっています「小暮写真館」のいわれを背景にミステリアスな話が進みます。

主人公の高校一年生で長男「英一」をはじめとする花菱一家は、父・秀夫の気まぐれでかつて「小暮写眞館」を営んでいた築30年の古屋に引っ越すことになります。しばらくして「英一」の元に女子高生からフリーマーケットで購入した中に一枚の心霊写真が入っていて、封筒にかかれていた「小暮写真館」の名前から店に持ち込まれます。それは、不自然な場所に女性の顔が映りこむ不可解な写真でした。「小暮写眞館」を斡旋したST不動産屋の愛想のない事務員「垣本順子」に見せたところ、その女性は泣いている様に見えるといいます。「英一」は写真の謎を解明するために調査を行い、女性の正体をつきとめていきます。

第二話は、第一話の話を聞きつけた女子バレー部の「田部」から、心霊写真探偵と呼ばれる「英一」に、写真の調査依頼がきます。バレー部の河合先輩一家の縁側で親子3人を娘・公恵の婚約者・足立文彦が撮影したものですが、なぜか泣いている3人の姿が二重で映っていました。「英一」は初詣で偶然出会った同級生の「コゲパン」こと「寺内千春」の協力を得て、元婚約者の「足立」を探し出し解決します。

文庫本の帯に「最高の青春小説」とありましたので、上巻さいごで、「コゲパン」との経緯がでてきますので、てっきりこの「寺内千春」との恋愛話と心霊写真のミステリー構成で進んでいくのかなと435ページの上巻を読み終えましたが、さすが<宮部みゆき>は、もっと壮大な結末を下巻に用意しており、大きな感動と共に唸らせてくれます。
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今年の読書(72)『この世の春(下)』宮部みゆき(新潮文庫)

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今年の読書(72)『この世の春...
<宮部みゆき>の作家生活30周年記念作品 『この世の春(上)』 ・ 『この世の春(中)』 に続く、いよいよ最終巻の『この世の春(下)』です。

元藩主「重興」の病状が、幼少のころの父とそのそばめの女と関係があると考えた藩医「白田」たちはその時代を知る江戸下屋敷の責任者であった「岩井一之助」と「重興」の母「美福院」の話を聞きに江戸へと出向き、また「多紀」は、「重興」がいまだ思い続けている離縁した妻「由衣」を訪ねます。

「岩井」から「明野領」にまつわる覚書書である〈蔓署〉にまつわる話を聞き出し、女狭間「桐葉」とその父「九蛇=五郎助」の関係が判明、行方不明の男の子たちの意味合いも解き明かされ、「重興」の心の呪縛も解け、「重興」と「多紀」は夫婦になり物語は終わります。

読み手側としては、終盤に近づきほぼ結末が読める展開が進むなか、なぜか、「重興」と「多紀」の関係が唐突感があり、なじめませんでした。流れ的に「多紀」は熱血漢溢れる従兄の「田島十郎」と縁づくものと推測していたのは私だけでしょうか。
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今年の読書(70)『この世の春(上)』宮部みゆき(新潮文庫)

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今年の読書(70)『この世の春...
本書『この世の春』は、著者<宮部みゆき>の作家生活30周年を記念した作品で、江戸時代を舞台とした時代小説として、2017年(平成29年)8月に(上・下)2巻として刊行され、2019年(令和元年)12月1日に(上・中・下)の3分冊として文庫本化されています。

宝永7年の5月、長尾村の元下野北見藩・作事方「各務数右衛門」の隠居所に、「伊藤十郎兵衛成孝の乳母と嫡男「一之助」が逃げ込んでくるところから物語は始まります。応対した長女の「多紀」は、一度嫁いだことのある22歳ですが、六代目藩主「重興」の御用人の「伊藤成孝」が父「各務数右衛門」を、なぜ頼ってきたのか分からないまま、二人を筆頭家老「脇坂勝隆」の遠縁にあたる住職がいる円光寺へと連れて行きます。

北見藩内では、6代目藩主「重興」が心の病で「押込」(強制的な隠居)扱いになり、「伊藤成孝」は切腹させられたとの噂が流れる中、「多紀」の父「数右衛門」が、53歳で亡くなり、従兄の19歳の「田島半十郎」が「多紀」を、かって「重興」の別邸であった「五香苑」へと連れて行きます。

「五香苑」では、「重興」の座敷牢が作事されており、「多紀」は切腹したと噂のあった「伊藤成孝」が岩牢に綴じ込まれていきているのを知り、やがて彼の口から自分の出生の背景を知ることになります。なぜ「成孝」が藩主「重興」に近づいたのか、「亡くなった人の霊魂を呼び寄せる<みたまくり「御霊繰」>であった「多紀」の母との関わりもあり、理由も知らされます。

「重興」は、<みたまくり>たちが住む出土村を焼き払ったために3人の亡霊が乗り移っているとされ、「五香苑」において、かって江戸家老であった「石野織部」を館主として、「多紀」たちの「重興」の看護が始まるのでした。
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今年の読書(69)『ランニング・ワイルド』堂場瞬一(文春文庫)

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今年の読書(69)『ランニング...
<堂場瞬一>による本書)『ランニング・ワイルド』は、2017年8月、文藝春秋社から単行本が刊行され、2020年7月10日に文庫本で発行されています。数ある著者の得意分野であるスポーツ分野を扱った作品です。

瀬戸内とびしま海道での「アドベンチャーレース」に一組4名のチームとして参加した警視庁機動隊勤務の「和倉賢治」は、スタート直前に、携帯電話に「妻と娘を拉致した」との連絡があり、レース中にある物の回収を指示されます。レースを棄権することも考えましたが、チーム仲間の先輩「重盛康太」の引退記念レースということもあり、無事に回収、犯人に手渡せば、家族は開放されるということで、24時間のレースに参加します。

いつもなら冷静なコース取りの判断をする「わくら」ですが、回収場所に早く着きたいという焦る気持ちがコース選択を誤ることが随所にあらわれ、チーム仲間の不協和音が流れ始めます。

オリエンテーリングとトライアスロンをい組み合わせた24時間の「アドヴェンチャーレース」ということで、冗長とも思える観光案内的なコース説明が続きますが、これも初出が月刊誌『オール讀物』の連載作品ですので、さもありなんという気分で読み進めました。

文庫本の残りページ数が少なくなるのに合わせ、結末が気になる構成でしたが、何事もなく事件が解決するのには、『バビロンの秘文字(上・下)』にも感じた結末として、肩透かしをされた感が残る一冊でした。

やはり<堂場瞬一>は、『刑事 鳴沢了』シリーズ、『警視庁失踪課 高城賢吾』シリーズ、 『警視庁追跡捜査課』シリーズ、 『捜査一課 澤村慶司』シリーズなどといった刑事シリーズが、はずれがないようです。
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今年の読書(67)『骨を弔う』宇佐美まこと(小学館文庫)

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今年の読書(67)『骨を弔う』...
本書『骨を弔う』は、2018年6月に単行本として刊行され、2020年6月10日に文庫本が発行されています。

著者<宇佐美まこと>の作品として初めて手にしましたが、ち密な物語の構成と作品中にたびたび登場する著者名<宇佐美まこと>が物語の伏線に使われているというサービス精神に圧倒されました。

物語は、四国で家具職人を営む「本多豊」を主人公に据え、近くの川べりで謎の骨格標本が発掘された新聞記事を読み、30年前の小学生時代に5人の仲間で山中に骨格標本を埋めたことを思い出し、あれは本当に骨格標本だったのかの疑問を抱いた「豊」は、東京で広告代理店に勤める「大澤哲平」に会いに出向きます。

当時小学生時代を過ごした村での記憶を頼りに、県会議員の妻になっている「水野京香」、東日本大震災で家族を亡くした「田口正一」へと真相を求めて会いに出向くのですが、首謀者だった「佐藤真美子」が亡くなっているのでは真相がつかめない中、4人は昔、骨格標本を埋めたと思われる埋めた場所へと出向きます。

辺鄙な村での複雑な人間関係を底辺として、30年ぶりに真実が明かされ、登場人物たちが織りなす思わぬ場面展開で、なるほどとうならせてくれる一冊でした。私にとっては、今年の読書〈ベスト3〉の力作です。
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今年の読書(66)『悪寒』伊岡瞬(集英社文庫)

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今年の読書(66)『悪寒』伊岡...
本書『悪寒』は、2017年7月集英社より単行本として刊行され、2019年8月に文庫化されています。

東京本社の大手製薬会社に勤めていた「藤井賢一」は、上司が起こした政治家へのリベート問題で責任を取らされる形で、系列の山形県酒田市にある置き薬販売店の支店に飛ばされてしまいます。
いずれ上司の言葉通り本社に戻れることを夢見て、置き薬の販売に励んでいますが、成績はあがらず、支店長に叱責される日々が続いていました。

そんなおり、東京で娘「香純」と暮らす妻の「倫子」から、不可解なメールが届き、その後、「倫子」が本社の常務を「藤井」の自宅マンションで殺害したという警察からの連絡を受けます。
自分が単身赴任中に、妻がどうして本社の常務とかかわったのかわからないまま、認知症の母「智代」や不登校の娘「香純」の心配も重なり、「賢一」の苦悩は高まるばかりでした。

二転三転する殺人事件の真相究明に、読者をサラリーマンとしての男の弱さを感じさせる主人公「賢一」の心情に沿わせながら、著者の世界に引きずり込まれた疲労感と共に、安堵感の広がる結末にミステリーの醍醐味の余韻に浸れる一冊でした。
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今年の読書(65)『捌き屋 行って来い』浜田文人(幻冬舎文庫)

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今年の読書(65)『捌き屋 行...
本書)『捌き屋 行って来い』は 『捌き屋』 に始まるシリーズとして、9作目になるようですが、久しぶりに手にしました。

「捌き屋」とは、後ろ盾もなく組織にも属さず、一匹狼の裏稼業で、ゼネコンの建設工事の受注を巡る企業交渉人を指しています。

大きな仕事で一段落している捌き屋「鶴谷康」に盟友 花房組の「白岩」 から大坂万博工事に絡む新たな案件が依頼されます。依頼人は「鶴谷」が駆け出しの頃世話になった南港建設の「茶野」で、大和建工の一方的な契約解除を改めさせてほしいというものでした。

その原因は「鶴谷」が先の案件で捌いた恨みが絡んでいるようで、「鶴谷」は、元公安部の刑事「木村」の信用調査事務所の馴染みの面々と裏事情の情報調査乗り出します。

いつもながらの大阪弁の歯切れの良さと建設業界の裏事情が絡み合い、楽しめた一冊でした。
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今年の読書(64)『十三階の神』吉川英梨(双葉文庫)

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今年の読書(64)『十三階の神...
本書『十三階の神(メシア)』は、すでに2018年7月に単行本として刊行されていますが、警視庁公安部特別諜報員「黒江律子」を主人公とする 「十三階の女』 の続編になります。

国家を守るためには、非合法な操作も体を提供することも厭わない女捜査員「黒江律子」の所属する公安部5人の秘密組織は警視庁の13階にあることにより「十三階の女」と呼ばれています。

今回の新たな任務は、「オウム真理教」を彷彿させるかって地下鉄テロを起こした「カイラス蓮昇会」の教祖の死刑執行が迫る中、分派した「輪芽」教団に教祖の子供と名乗る「九真飛翔」が君臨し、テロ活動を起こすのではないかという危惧から、上司の「黒江」が不在の中、「律子」が動き出します。

すでに「律子」の母が「輪芽」教団に入信しており、「律子」は妹を潜入捜査させる決心をします。

公安部内の裏切りと仕組まれた教団との絡み、後半は読者を二転三転させる展開が待ち受けています。

シリーズ3作目として『十三階の血』が、すで2019年11月に刊行されていますが、これまた文庫化を待ちたいと思います。
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今年の読書(63)『棲月』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(63)『棲月』今野...
本書は『隠蔽捜査』シリーズとして、8作目になる『去就』(隠蔽捜査6)に続く9作目『棲月(せいげつ)』(隠蔽捜査7)になりますが、警察庁のキャリアでありながら息子<邦彦>の不祥事で降格、大森署の署長として左遷された主人公<竜崎信也>も、本作でいよいよ大森署を去ることになります。

大森署管内を通る私鉄のシステムと都市銀行のシステムが次々にダウン。社会インフラを揺るがす事態を不審に思った大森署署長<竜崎>は、いち早く原因を究明すべく署員を現場に向かわせますが、管轄外の行動で、すぐに中止するように警視庁の生安部長から横槍が入ります。

さらに、管内で非行少年「玉井」のリンチ殺人事件が発生。二件の大きな事件の指揮を執る中、同期の「伊丹」本部長から「異動の噂が出ている」と告げられた<竜崎>は、公務員として移動・転勤は当たり前という考えでしたが、これまでになく動揺する自分に戸惑っていました。

リンチ殺人事件の被害者「玉井」の捜査を進めていく中で、「玉井」の非行グループのメンバーが何かにおびえていることを不審に感じた「竜崎」たちは、以前に「玉井」たちににいじめられ引きこもりになっている高校1年生の「芦田雅人」に目を付けます。

コンピューターに頼り切っている現代社会を背景に復讐を果たす伝説のハッカー「芦田」と「竜崎」の駆け引きが圧巻だっただけに、今回で大森署の個性ある刑事「戸高」や「根岸」たちともお別れだということが薄れてしまいました。

次作から<竜崎信也>は栄転となり、神奈川県警刑事部長として登場するようですが、すでに第10作目として単行本『清明』(隠蔽捜査8)が2020年1月20日に刊行されていますが、文庫化されるのを我慢して楽しみに待ちたいと思います。
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今年の読書(62)『殺意・鬼哭(新装版)』乃南アサ(双葉文庫)

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今年の読書(62)『殺意・鬼哭...
双葉文庫35周年を紀念して、(2000年5月)に文庫版で刊行された『殺意・鬼哭』の新装版として(2019年9月)に刊行されたのが本書で、8月19日は著者<乃南アサ>のお誕生日ですので、未読ということもあり、手にしてみました。

ナイフで相手を刺し殺した殺人事件を扱った二部構成で、前半「殺意」は、殺人を起こした「真垣徹」(36歳)の独白が語られ、後半「鬼哭」は、殺された「的場直弘」(40歳)の独白が語られていきます。
「的場」と「真垣」は、高校入試に際し「的場」が家庭教師を務めて以降の付き合いという人間関係でした。

「真垣」は殺人の動機に関して、殺意の発生や動機などを語ることなく、「なぜ?」そんなことが大事なのかと、読み手側として冗長的に思える長さで回想していきますので、かなり疲れる内容でした。後半も「真垣」のナイフで刺され倒れてからの「的場」の回想が始まります。

乃南ファンとしても、事件の当事者の心理を深く掘り下げるためでしょうか、「くどい」とも思われる心理描写が続き一つの事件が語られていきます。

殺人に「なぜ?」という動機の究明が「なぜ?」必要なのか、また「なぜ?」それが役に立つのかという問題を示した一冊だと思います。
#ブログ #文庫本 #読書

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