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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(49)『夢を売る男』百田尚樹(幻冬舎文庫)

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今年の読書(49)『夢を売る男...
2013年2月「太田出版」から単行本として出版された『夢を売る男』が、(幻冬舎文庫)として2015年5月1日に発行されています。

読書離れ、本離れが言われて久しいですが、その実態をベースにした物語が展開していきます。

主人公は、「丸栄社」の編集部長を務めている大手出版社の編集部勤務の経験がある「牛河原勘治」45歳です。

現代人のいびつな個人での出版欲望を逆手にとり、彼らの欲望を満足させることでベストセラー作家としての「夢を売り」、印刷代と称して金を稼ぐ裏面の出版業界が、コメfディータッチで描かれていきます。

大物になることを夢見ている27歳のフリーター、自分の教育論を世に問いたい教育ママの主婦、自分史を残したい団塊世代の男たち等が、登場してきます。

「小説を書く奴なんて、たいてい頭がおかしい」、また、「テレビ屋(著者は元放送作家・『探偵!ナイトスクープ』のチーフライターを25年以上務めた)の百田何某みたいに毎日違うメニューを出す作家も問題だ」と「牛河原」に語らせていますのには、笑いました。
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今年の読書(48)『首折り男のための協奏曲』伊坂幸太郎(新潮文庫)

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今年の読書(48)『首折り男の...
<伊坂幸太郎>の『首折り男のための協奏曲』は、2014年(平成26年)1月に単行本が刊行され、2016年(平成28年)12月1日に文庫本化されている、全7篇からなる短編集ですが、これまた単なる読み切り短編集ではなくて、短篇の登場人物たちや出来事が、各短篇に相互に絡み合う、『残り全部バケーション』 や 『アイネクライムナハトムジーク』 などでお馴染みの≪伊坂ワールド≫が展開される構成でした。

ということで、複雑な物語を説明するのは単純ではありません。主人公「首折り男」は、一瞬にして相手の首を降り死に至らしめる殺人者良して登場しています。

隣人の老夫婦は、隣に住む男がテレビで報道されている殺人鬼の「首折り男」ではないかと疑う章から始まります。

また、「少年のいじめ」や「大人との約束」をキーワードに物語が展開、探偵の「黒澤」までが登場、27歳の若者たちの合コン話と場面は目真古しく変わってゆくのですが、5年間に発表された7篇のつながりに驚きながら知らぬ間に読み終えていた一冊でした。
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今年の読書(44)『女副署長』松嶋智左(新潮文庫)

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今年の読書(44)『女副署長』...
女性署長の登場としては、<安東能明>の 『出署せず』『広域指定』などの<阪元真紀>警視がいますし、<堂場瞬一>の 『錯迷』 には、不審死を遂げた<桜場里佳子>署長が登場していますが、副所長という立場での主人公は初めてではないでしょうか。

階級順位と何期生なのかが幅を利かす縦社会の警察組織において、副署長という微妙な立場が見事に生かされてました。著者の<松嶋智左>は、元女性白バイ隊員という経歴の持ち主だけあって、男社会といわれる警察組織と警察署をうまく舞台として描き切っています。

主人公の<田添杏美>警視は、美人とは言い難い容姿で、独身です。33年間警察官として勤務し、とある県の小さな日見阪署に副所長として赴任して半年ほどの夏の日に台風が直撃するという夜に、警察署内の敷地内で、地域課の「鈴木」係長がナイフでの刺殺体として発見されます。

大雨に打たれた現場では証拠の採集も期待できない中、犯人はまだ署内にいる警察官と思われ、「田添」は、所轄の名誉にかけて本庁の手を煩わせることなく、殺人捜査のベテランである刑事課長の「花野」と対立しながらも犯人を挙げることに奔走します。

署内の殺人事件を柱として、台風の夜に起こる、警察署としての救助活動や、留置場内での不祥事、所内でのトラブルなどが絡み合い。複雑な群像劇が展開して行きます。犯人として警察官が逮捕されるのですが、著者はさらなる展開を見せつけ、台風一過の嵐の夜の一夜を巡る濃厚なミステリーを描きます。続編を期待したい、出来ばえでした。
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今年の読書(42)『京都北嵯峨シニガミ貸本屋』桔梗楓(双葉文庫)

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今年の読書(42)『京都北嵯峨...
いまどき「貸本屋」があるのかなと興味を引いた<桔梗楓>のタイトル『京都北嵯峨シニガミ貸本屋』(2020年5月17日刊)です。わたしが子供のの頃、生家に近い神戸市兵庫区下三条町にありました貸本屋「山田書店」さんには漫画本を含めてよくお世話になりました。いまだ古書店として営業されているのでしょうか、懐かしく思い出します。

本書の舞台となる「貸本屋」は、「生」の未練を斬る場所として存在し、自分の人生を書き表した本の一行だけを修正することが出来、思い残すことなく黄泉の国へt旅立つことが出来ます。

主人公の高校生の「穂波晶」は、東京から祖母の住む京都北嵯峨に夏休みを利用して訪れた際に、死人しか見えない貸本屋「宵道」になぜか迷い込みます。そこには、三途の川の番人と称する和服姿のイケメン店主「比良坂」と「シニガミ」という名の白い猫がいました。本棚には人の人生をつづった本が並んでいます。

「晶」は、「比良坂」や「シニガミ」と一緒になって、成仏できない亡者の悩みを見つけ出し、修正個所を手助けしていきます。

なぜ「晶」が、死者しか見えない貸本屋「宵道」に訪れることが出来たのかは、ネタばれになりますすので、割愛させていただきます。人生が二度あればということを感じさせてくれるハートフルファンタジードラマが楽しめた肩の張らない一冊でした。
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今年の読書(41)『歴史はバーで作られる』鯨統一郎(双葉文庫)

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今年の読書(41)『歴史はバー...
バー好きで、歴史に興味もあり、著者<鯨統一郎>の 『ニナイカナイの語り部』『哲学探偵』 などが気に入っていましたので、本書『歴史はバーで作られる』を手にしてみましたが、正直。期待外れの内容でした。タイトルを皮肉るわけではありませんが、酒の場の雑学ネタとしてはいいのでしょうが、構えて読む一冊の書物の内容としてはどうかなぁというお気軽な内容でした。

新鋭気鋭の歴史学者の「喜多川猛」とその教え子の帝桜大学史学科3年生の「安田学」たちが、ぶらりと入店したバー<シベール>は、歴史研究家と名乗る80歳前後の老人が先客として一人だけいる、美人の女性バーテンダーの店でした。

酒の会話として、歴史談義に花が咲く4人でしたが、ブラリと寄った初日には、「源義経は、スパイだった」と老人が唱えるとんでもない新説を巡って歴史推理合戦が始まります。「喜多川」と「安田」たちは、日曜日ごとにバー<シベール>を訪れ、「アマゾネス葉卑弥呼の子孫」や「八百屋お七は日本のジャンヌダルク」とかの話題で盛り上がります。

美人バーテンダーと老人の関係が気になる「安田」ですが、バーテンダーの繰り出す歴史の解釈を覆せない「喜多川」と「安田」たちでした。
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今年の読書(40)『花の鎖』湊かなえ(文春文庫)

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今年の読書(40)『花の鎖』湊...
本書『花の鎖』の単行本は2011年3月に刊行、文庫本としては2013年9月10日に発行されています。
趣味の「登山」経験を生かした 『山女日記』 が単行本として2014年7月10日に刊行される前に、本書も「登山」を伏線として大きな意味を持つ構成でした。やはり、同一著者の作品は時系列に読むのが、いいようです。

毎年届く謎の花束は、差出人「K」としか書かれていません。 両親を亡くし、愛する祖母もガンで入院中、さらに講師として働いていた英会話スクールが破綻し金銭的に困っている27歳の「梨花」を中心として物語は始まります。 建設会社で働いていましたが、伯父夫婦のすすめで営業職の「和弥」と結婚しましたが、子供が出来ずに悩む「美雪」。 公民館で水彩画教室の講師をしつつ、和菓子屋でバイトをしている「紗月」。 そして、「雪」「月」「花」の字を名前に持つ3人の女性3人の人生にからみつき影を落とす謎の人物「K」。

舞台は、東京から新幹線で一時間以上かかる地方都市から、さらに在来線で三〇分ほど行った田舎町での出来事が、町の中心の「アカシア商店街」のキンツバで有名な「梅花堂」が関連してきます。渓谷を有した風光明媚な土地柄として、画家の「香西路夫」の美術館の設計コンペが伏線として登場してきますので、同業者として業界ネタとして楽しめました、
第一章から第六章まで、「花」「雪」「月」の節に分かれ、それぞれのヒロインの出来事が紡がれ、女性3人の物語が語られていきます。

設計士を夢見ていた「和弥」が、「美雪」のいとこ「陽介」が立ち上げた建築事務所に転職することになりますが、任せられたのはまたしても営業職でした。

大学時代、山岳部に所属していたイラストレーターの「紗月」は、当時の仲間「希美子」から白血病の夫「浩一」のドナーとして助けて欲しいと頼まれます。大学時代「浩一」とはかつて互いに想い合っていましたが、理由があって離別していました。「希美子」の願いをきくべきかどうか葛藤する「紗月」は、水彩画教室を開く公民館の職員「前田」に誘われ、過去の因縁を断ち切るために八ヶ岳に登る決意をします。

複雑な人間関係が、最後に紐解かれたとき、驚きの事実が胸を打つ、感動の人間ドラマとしてのミステリーでした。
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今年の読書(39)『銀の猫』朝井まかて(文春文庫)

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今年の読書(39)『銀の猫』朝...
本書『銀の猫』は、「文藝春秋」より、単行本として2017年1月に刊行され、2020年3月10日に文庫本となっています。

<朝井まかて>は、江戸の庭師一家を扱った『ちゃんちゃら』を読み始めとして、江戸時代を舞台とするお気に入りの作家のひとりで、江戸の青物問屋を舞台とする『すかたん』・植物学者<シーボルト>を主人公に据えた『先生のお庭番』・江戸娘三人の「お伊勢参り」を描いた『ぬけまいる』など面白く読んできました。

今回の『銀の猫』は、江戸の町を舞台として、妾奉公を職業とする母「佐和」がこしらえた借金が原因で離縁された25歳の「お咲」が、元夫に借金を返済するために高齢者の介護をする介抱人としての務めを通して江戸に生きる人間模様を描いています。

現代社会にも通じる老人介護の問題を、「五郎蔵」と「お徳」夫婦が切り盛りする介抱人の口入屋「鳩屋」と「お咲」の住む甚平長屋を舞台として、手助けの必要な老人の日常を描きながら、「お咲」の成長が描かれています。

表題にある「銀の猫」は、離縁された夫の義父から譲り受けた根付が「銀の猫」であり、介抱人として働く「お咲」の心の支えになっているとともに、長屋に出入りする「猫」が物語の伏線としていい味わいを出していました、
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今年の読書(38)『ヘイ・ジュード』小路幸也(集英社文庫)

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今年の読書(38)『ヘイ・ジュ...
〈東京バンドワゴン〉シリーズも、『ラブ・ミー・テンダー』 に次ぎ本書で十三作目の『ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン』になりました。 前々作である 『ザ・ロング・アンド・ワインディングロード 東京バンドワゴン』 のすぐ何日か後からの堀田家の四季の出来事を追う一年が描かれています。

前作『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』は、4年に一度の番外編でした。本シリーズは「堀田家の今」を描く「本編」が三作続き、「主に過去の時代の堀田家」を描く「番外編」を一作品挟むという形で今まで続いています。

「本編」はいつもビートルズの曲名がタイトルで、二作目である『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』以降は、その曲が物語全体のイメージでありテーマになったりもしています。
今回のタイトルである名曲『ヘイ・ジュード』の歌詞の内容は、大人の男が若い男性を励ますようなものになっています。ネタバレになりますが、本書では、ガンで余命があまりない「我南人」のバンドメンバーの「ボン」が病室で息子の前で演奏する場面に登場、なるほどとホロットさせられました。

いつも通り、古本屋「東京バンドワギン」の堀田家の家族を中心とした〈ホームドラマとして総勢50名近い登場人物が織りなす日常が、亡くなった「サチ」の語り口で描かれています。どこかにいてくれたら楽しい家族と、そこに集う人たちの、ちょっと愉快な日々を描くだけの物語なのですが、なぜか文庫本の新作が出ますと手に取ってしまうシリーズになりました。

本書の解説文を書かれている<浦田麻理>さんは、「ジュンク堂書店神戸さんちか店」勤務の方でした。
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今年の読書(37)『ラブ・ミー・テンダー』小路幸也(集英社文庫)

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今年の読書(37)『ラブ・ミー...
新聞広告で、「東京バンドワゴン」シリーズの第13作目『ヘイ・ジュード』の文庫本発行を知ったのですが、前回に11作目の 『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』 以後の12作目の本書を抜かしていることに気が付きましたので、遅まきながら13作目の『ヘイ・ジュード』と一緒に購入してきました。

さて、十二年経って十二支が一巡りした今回の新刊のタイトルは『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』です。  いつも通りに、前作のすぐ何日か後からの「堀田」家の四季の出来事を追う〈本編〉ではなく、オリンピックの様に四年に一度回ってくる〈番外編〉でした。

今まで、終戦直後の若き「勘一」と「サチ」の出逢いを描いた4作目『マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン』、いろんな時代の「堀田」家と常連の皆の語りでそれぞれの日々を描いた8作目『フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン』と、〈番外編〉がありました。
今回12作目は、時代は昭和四十年代です。まだ二十代の若者だった「堀田我南人」と、その最愛の妻であった「堀田秋実」の出逢いを描いた物語になりますが「秋実」さんはまだ高校生です。

本編のタイトルはいつも〈ビートルズ〉の曲名ですが、番外編に関しては除外されているようです。今回、<エルヴィス・プレスリー>の名曲である『ラブ・ミー・テンダー』なのは、ロックミュージシャンである「我南人」のルーツは「ビートルズ」だけではなく、それ以前のロックンロールミュージックにもあるからです。 『マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン』で描かれたた「勘一」と「サチ」が親しみ演奏したジャズやブルースから来た音楽の流れがロックになりポップスになり、「我南人」に、そして孫である「研人」へと受け継がれています。

ライブの帰り、「我南人」はチンピラに絡まれている女の子を見つけます。彼女の名は「秋実」。歌手として活躍する親友を窮地から救うため、東京に来たといいます。「我南人」と「東亰バンドワゴン」の一同は、彼女のために一肌脱ぐのですが、思わぬ大騒動に発展してしまいます。いつも通りに「堀田」家とそこに集う人たち騒動が、昭和四十年代を背景に描かれています。
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今年の読書(36)『アイネクライムナハトムジーク』伊坂幸太郎(幻冬舎文庫)

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今年の読書(36)『アイネクラ...
2014年9月に幻冬舎より単行本として刊行され、2017年(平成29年)8月5日に文庫本化されています<伊坂幸太郎>の『アイネクライムナハトムジーク』です。

本書は、6つの短篇が納められており、登場人物と時代背景の設定が変わってゆくのですが、それぞれの短篇の登場人物が密接にかかわりあってゆくという複雑な構成で、ミステリーで言うところの「伏線」を人間で表現しているという、<伊坂幸太郎>らしさが十分に楽しめました。

ただ、最終的に主人公「僕」=「佐藤」が知り合った名前も登場していないガードマンの彼女との関係はどうなったのかと、気になる終わり方でした。

<今泉力哉>監督の映画 『アイネクライムナハトムジーク』 (2019年)では、原作と違い「佐藤」が、ガードマンの彼女「紗季」にプロポーズするように変更されていましたが、本書の冒頭の1章からの流れ的には、結末らしい変更だと思います。
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