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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(17)『ザ・万歩計』万城目学(文春文庫)

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今年の読書(17)『ザ・万歩計...
本書は大阪府出身で、『鴨川ホルモー』 ・ 『プリンセス・トヨトミ』 などの、実在の事物や日常の中に奇想天外な非日常性を持ち込むファンタジー小説で知られる<万城目学>(1976年2月27日 ~)の3冊刊行されているエッセイ集の第1冊目(2010年7月10日)になります。

エッセイ集ということで、紹介は難しいのですが、略歴は、清風南海高等学校卒業後、1浪ののち京都大学法学部に入学。卒業後は化学繊維会社へ就職、静岡の工場に配属され経理マンをしながら小説を書いていましたが、26歳の時東京本社への転勤を言い渡され、残業続きで書く時間がなくなることを危惧し、辞令が出る前に退社し東京へ移ります。このころの出来事が後の『バベル九朔』(2016年3月19日刊行)に活かされています。

2年で芽が出なければ社会復帰を決め投稿生活を送るも成果が出ず、資格の学校に通い再就職の準備をし始めた矢先、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し2009年映画化された『鴨川ホルモー』(2006年4月19日刊行)で作家デビュー。このあたりの予備知識を持って、本書を読めば、エッセイの背景がよくわかり、面白く楽しめると思います。

といっても、番外的な「ゴキブリ」噺や実家で飼っていた愛猫<ねね>のはなし、「モンゴル」での旅行記等、楽しめる話題に事欠きません。
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今年の読書(16)『王朝まやかし草子』諸田玲子(新潮文庫)

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今年の読書(16)『王朝まやか...
著者の小説は何冊かとりあげていますが、本書は、文庫本で537ページと読みごたえがありました。

解説文から引用させていただきますが、「猟奇的な殺人事件を描くミステリーであり、皇位継承をめぐって公家が暗闘を繰り広げる宮廷陰謀劇であり、絢爛豪華な宮廷文化を描く王朝文学の側面があるかと思えば、貴族に虐げられた庶民や政争に破れた敗者の怨念を描く伝記小説としても楽しめる」という、一冊です。

舞台は平安時代、宮廷勤めだった母<近江>の不審死に関する疑問を解くために<弥生>は、女房として宮廷に入り込みますが、周囲で次々と怪死事件が起こります。都で知り合った若者の<音羽丸>と知識人の<楽天爺>と協力して、東宮と契った女はモノノケに取りつかれるという噂の真相を探りだしていくなか、母<弥生>の真実と、それに伴い<音羽丸>の父の冤罪が晴れていくという、壮大な時代絵巻の世界が楽しめました。
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今年の読書(15)『蛮政の秋』堂場瞬一(集英社文庫)

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今年の読書(15)『蛮政の秋』...
本書は、新聞記者<南康祐>を主人公に据え、時代の荒波に翻弄され購買数を減らさざるを得ない新聞社「日本新報」を舞台とした小説です。 『警察(サツ)回りの夏』 ・ 『蛮政の秋』 ・ 『社長室の冬』と続く「メディア3部作」の二作目になります。

前作『警察回りの夏』では、入社6年目、甲府支局で警察回りをしていた<南康祐>は、東京本社社会部に移動し、遊軍記者となっています。甲府支局時代に情報の「ウラ」と取らずに「誤報記事」を書いてしまった<南>は、一発逆転のネタを追い求めていましたが、そんなおり、大手IT企業が政治家たちに献金している一覧表がメールで送られてきますが、送信者に心当たりはありません。

誤報を経験しているだけに特ダネを求める気持ちと板挟みになりながら「ウラ」を取ろうとうとするのですが、送信者は行方不明の状態。そんな折、夕刊紙が献金を匂わす記事を掲載します。

「メディア規制化」を目論む政治家たちの問題を新聞社としても見逃すわけにもいかず、<南>は懇意にしている政治家と行動を共にして真相を求めて取材を進めるのですが、「日本新報」の社長も絡んでいるようで、記事を書きあげるのに二の足を踏んでしまいます。

読者としては<南>の派手な立ち回りの山場を期待したのですが、大きな盛り上がりもなく、少し期待外れの終結でした。
三部作の締めくくりとして、これから文庫化されるだろう『社長室の冬』の発行を待ち望みたいと思います。
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今年の読書(14)『満願』米澤穂信(新潮文庫)

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今年の読書(14)『満願』米澤...
著者の作品としては、『儚いひつじたちの祝宴』 以来になります。

本書には表題作を含む6編の短篇(夜警・死人宿・柘榴・万灯・関守・満願)が納められており、どれも密度の濃い内容で、短編でありながら、長編小説にも勝る満足感が楽しめました。

それもそのはずで、本書は、第27回山本周五郎賞受賞。2014年の「ミステリが読みたい!」(早川書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)、「このミステリーがすごい!」(宝島社)において国内部門1位となり、史上初のミステリーランキング3冠に輝いたミステリー短篇集です。

6篇のうち、「夜警」・「万灯」・「満願」の3編がNHK総合テレビでミステリースペシャルとして2018年8月にテレビドラマ化されています。

切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件、入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックでもって、「妙味」という味わいが心に残る一冊でした。
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今年の読書(12)『プラチナデータ』東野圭吾(幻冬舎文庫)

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今年の読書(12)『プラチナデ...
ラブホテルで「電トリ(電気トリップ)」という脳に電気で刺激を与えトリップ体験ができる装置を使用中に、女子大生が殺害される事件が発せ。ホテルに残された毛髪、体毛を用い、DNA操作システムによりモンタージュ写真まで作成でき、犯人はあっけないほど簡単に検挙されました。

DNA捜査で検挙率は格段にあがりました、若い女性が頭部を銃で撃たれるという連続婦女暴行殺人事件が起き、残された精液によるDNAデータから、すぐに犯人は割り出されると思われたのでが、DNA検索システムは「NF(Not Found)13」という結果を示した。これは、類似する遺伝子が登録されていない13番目のケースでした

そんな折、新世紀大学病院の脳神経科の、厳重に警備された病室においてDNA操作のプログラムを作製した兄<耕作>と妹<早樹>が殺害されます。驚くべきことに、彼らを殺害するのに使用された拳銃は、NF13事件で使われたものと同一のものでした。現場に残された毛髪のDNA解析をした<神楽龍平>は、現れたDNAモンタージュが自分の顔にそっくりなので驚きます。<神楽>には<早樹>たちに会った際、空白の数時間がありました。彼は二重人格者で、新世紀大学病院の脳神経科の<水上>医師の治療を受け、もう一人の人格である<リュウ>との対話を進めていました。本当に自分の別人格が殺害したのか、確かめようとしますが、<リュウ>に確認することはなかなかできませんでした。

彼らを殺害した犯人と疑われて追われる身となった<神楽>は、<早樹>たちの残した最終プログラム「モーグル」が事件解決の鍵になるのではないかと、プログラムを探すために<早樹>たちの別荘に向かいます。

一方、連続暴行殺人事件を捜査していた<浅間>刑事は、捜査に協力的であったDNA捜査研究所の<志賀>たちが、急に捜査打ち切りのために動いていたことを知り、上司の<木場>と二人で背景に何かがあると察して動き出し ます。

ちなみにタイトルになっている「プラチナデータ」とは、法案として国民にDNAの登録を促しながら、政治家などの特定人物のDNAは検索されないようにされたデーターを意味しています。
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今年の読書(11)『ノワール 硝子の太陽』誉田哲也(中公文庫)

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今年の読書(11)『ノワール ...
<誉田哲也>ファンとして、前回読んだ 『月光』 は、あまり評価できませんでしたが、本書は誉田作品を読んできたファンとして楽しめる内容でした。

ただ、本書は登場人物と事件が過去の作品とリンクしていますので、『歌舞伎町セブン』 と 『ルージュ 硝子の太陽』、 できれば『ジウ』シリーズ (Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ) を読んでから読まれたほうが、登場人物たちの背景が分かり、より楽しめます。

沖縄の反米活動家の老人がが米軍の車で死亡する事故を契機に、反米軍基地反対のデモが各地で起こる中、左翼の親玉<矢吹近江>が公務執行妨害という別件で逮捕されますが、取り調べ中、沖縄問題を取材していたフリーライターの<上岡慎介>が覆面集団にめった刺しされ殺害されます。また彼は犯人は米兵ではないかとと思われる一家殺害事件を追っていました。

殺害された<上岡>は、闇の殺人集団「歌舞伎町セブン」のメンバーであり、首領の<陣内陽一>は、メンバーである<小川>刑事の情報により、仇討ちを図ります。

そんな折、日米安保条約を破棄させることを目的として、官房副長官の娘が誘拐される事件が発生、誘拐メンバーは、<上岡>殺害メンバーであり、<陣内>たちが立ち上がります。

日米間の政治性を含んだ作品ですが、沖縄で繰り返される日米地位協定の矛盾と不幸の歴史は、今回の犯罪グループでなくても義憤に駆られます。
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今年の読書(9)『白砂』鏑木蓮(双葉文庫)

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今年の読書(9)『白砂』鏑木蓮...
生まれ故郷の京都から大学進学を目指して東京の予備校に通う20歳の<高村小夜>が、自宅アパートで撲殺されているのが、発見されます。

コンビニでバイトしながらつつましい生活ぶりの彼女がなぜ被害者なのかと、違和感を感じる<目黒一馬>警部は、部下の<山名勘一>とともに捜査を始めます。

生まれ故郷の京都・美山を詠んだ短歌が短歌大賞を受賞している彼女ですが、祖母は<小夜>の遺骨引き取りをかたくなに拒んでいるのに違和感を覚えた<目黒>は京都に出向き、<小夜>の母親<小百合>の昔話に興味を持つのでした。

運命に翻弄された女たちの悲劇が、悲劇を招く事件、真実が分かり思わぬつながりに驚愕せざるを得ない、切ないミステリーでした。
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今年の読書(8)『ハピネス』桐野夏生(光文社文庫)

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今年の読書(8)『ハピネス』桐...
主人公の<岩見有紗>は33歳、広告代理店に勤めていた29歳の時に合コンで知り合った<岩見俊平>と「でき婚」、現在は東京のウォーターフロントに建つタワーマンションの29階に住んでいます。

3歳の娘<花絵>を通して4人の「ママ友」たちとのしがらみに満ちた付き合い、幼稚園入園を控え悩んでいますが、夫はアメリカへ単身赴任中で、離婚の申し出が言い渡されています。<有紗>は、夫と出会う前に離婚歴があり、実家のある新潟に再婚した夫のもとに10歳になる男の子がいます。

セレブな住環境の複雑な人間関が綴られていきますが、なんだか優柔不断な主婦<有紗>の行動には、納得できるところは見いだせず、同じく主婦を主人公にした作品として前回読んだ 『だから荒野』 と同様に、女性と男性の視点の違いがあるのでしょうが共感のできる内容ではありませんでした。
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今年の読書(7)『月光』誉田哲也(中公文庫)

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今年の読書(7)『月光』誉田哲...
著者の代表作ともいえる 『ストロベリーナイト』 で始まる<姫川玲子>シリーズの 『ルージュ 硝子の太陽』 に次ぐ最新刊『ノワール』の広告の横に本書が出ていました。未読(2013年4月25日文庫本刊行)ということで読んでみたのですが、「誉田哲也史上最大の”問題作”のコピー通り、私は、好きな内容ではなく、最後まで楽しむことはできませんでした。

高校の同級生の少年が運転するバイクで、自宅近辺とは関係ない遠方地で、轢かれ死亡した姉<涼子>の死の真相を探ろうと妹の<結花>は、姉と同じ高校に入学し同じ写真部に入部します。

やがて姉が音楽教師の<羽田>と不倫関係にあり、校内で現場を目撃された同級生の<菅井清彦>と<香川瞬>に口止めとして体を提供していた事実を知らされます。また<菅井>は盗んだバイクで姉をひき殺した人物でした。

私としては、優柔不断の音楽教師の<羽田>や、<涼子>をもてあそぶ<菅井>や<香川>の行動が胸糞悪く、文中<涼子>自身の性格描写が少なく人物像がつかめない展開で、妹の目線だけの姉の描写では、市の真相を読者に分からせるには無理があるように思え、エンタティメントとして楽しむことができませんでした。

たしかに小説としての構成自体の賛否両論というよりも、好き嫌いのが出る問題作だと思います。
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今年の読書(6)『影法師』百田桃尚樹(講談社文庫)

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今年の読書(6)『影法師』百田...
<百田尚樹>の作品は講談社文庫として、『永遠の0(ゼロ)』 ・ 『輝く夜』 ・ 『風の中のマリア』 と続き、第4巻目として本書『影法師』(2012年6月15日)が刊行されていますが、著者初めての時代小説になります。

時は江戸時代の茅島藩(架空な藩)8万石の下士の家に生まれ、幼い日に目の前で父親を切り捨てられた<戸田勘一>(後の名倉彰蔵)と その時に<勘一>をかくまった中士の磯貝家の次男に生まれ、剣も才も人並み外れて優れた<磯貝彦四郎>との士官するまでの交友を描き、将来を嘱望された<彦四郎>との思い出が綴られていきます。後に、沼の干拓で成功し藩の財政立て直した功績で、筆頭家老まで上り詰めた<彰蔵>は、<彦四郎>の不遇の死を知り、その死の真相を求めていきます。

二人の運命を変えた20年前の事件を契機に、なぜあえて剣の技量に優れながら「卑怯傷」まで背中に負い、自ら藩から姿を消したのか、武士とはなにか、真の男との生き様そのものの<彦四郎の>行動とともに、おもわぬ真実に涙する感動の一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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