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神奈川県葉崎市の海岸先にある通称「猫島」には、30人ほどの住民と100匹以上の猫がのんびりと暮らしています。
海水浴客がおおくなる夏場だけぷれはぶの臨時派出所ができ、巡査の<七瀬晃>が詰めていますが、相棒は丸顔で目つきに悪いドラ猫<DC(Detective Cat)>です。
個性的な島民と問題のある観光客が引き起こす騒動で、<七瀬>はてんてこ舞いの毎日ですが、<DC>のさりげない行動に手助けされ事件を解決していきます。
四季を通じた9話が連作短篇として納められていますが、未解決の殺人事件などがあり、気になりながら読み進めていますと、ちゃんと結末が用意されており、<DC>の生い立ちも最後にわかるほのぼのとしたミステリー作品が楽しめました。
2007年の春までに、北半球から四分の一の<ミツバチ>が忽然と消えてしまいました。
本書はアメリカで2008年9月に出版された全訳に加え、2009年8月に日本に来日した著者が、当時の農林水産大臣<石破茂>への取材が、書き下ろしとして追加されています。
CCD(蜂群崩壊症候群)と呼ばれる大きな括りで著者は養蜂家や検査所を精力的に取材、<ミツバチ>たちに何が起こっているのかの現状を分析すると共に、<ミツバチ>の生い立ちから現状まで、幅広い目線で分析・報告されています。
生産性を高めるために農場にまかれる農薬の恐ろしさをわかりやすく、そしてそれに対抗するために<ミツバチ>に施される抗生物質の影響等、経済優先社会の怖さを改めて感じながらも、昆虫と植物の連帯関係も良くわかる解説書として、面白く読み終えれました。
蜜葉市の郵便局に勤める25歳の<平本秋宏>は、バイクで郵便物を届ける仕事をしています。
ひとつ違いの兄<春行>は、タレントとして活躍していますが、双子と間違えられるほど顔がよく似ていてますが、性格が落ち着いていますので兄の方だと間違われます。
本書には郵便物にまつわる8篇が連作短篇として組まれ、<秋宏>の目線を通して、日常的に起こる郵便物にまつわる出来事を中心に、住民とほのぼのとした人間関係が味わえる一冊です。
現在はメール全盛時代、82円で確実に届く郵便の素晴らしさを、改めて見なおすべきだと感じながら読み終えました。
喫茶店を舞台に安楽椅子探偵的に謎を解くのは、<岡崎琢磨>のバリスタ<切間美星>を主人公とした、『珈琲店タレーランの事件簿』 がありますが、本書も設定はよく似ています。
横浜元町にほど近い汐汲坂の途中にある喫茶店「カフェ・ルナール」は、24歳の美人店長<望月葛葉>のこだわりの紅茶が飲める店ですが、訪れる客の悩みを訊き、その謎を解くこととして有名でした。
横浜の大学に通うため、伯父<芦屋甚五郎>の紅茶専門店「薫」でアルバイトする<菱川春明>は、<甚五郎>と娘<蜜>も<葛葉>が知り合いだということで、自分の悩みを打ち明けに「カフェ・ルナール」に出向いていきます。
「ルナール」とはフランス語で「狐」と言う意味ですが、嘘か真か自ら「狐」と名乗る<葛葉>に<春明>は魅かれていきます。
なぜか店から出ることのない<葛葉>ですが、聞き及ぶ情報だけで謎を解く連作短篇が4篇納められていて、ウイットの効いたエピローグが印象的でした。
市役所の戸籍係に勤める<三谷恭子>は26歳、子供の頃の原体験により金にも物にも固執しない性格で、相手に対しても何も期待しない生活を送っています。
そんな彼女に、戸籍の売買を生業としているヤクザっぽい34歳の<梶原彰>、21歳の大学生<小倉弘樹>、市役所前の交番に詰めている33歳の<和田警部補>と三人の男が心惹かれ、やがて四角関係が露見、平穏な生活に乱れが生じてきます。
一人になりたいときに公園に出向く彼女は、昔の記憶は確かなのですが新しい記憶は一週間持たない「短期記憶障害」の老人と知り合い、元教授らしき彼から「人の生き方」を学んでいくのでした。
読み始めは<恭子>の生き方に疑問を感じていましたが、元教授の会話を通して「人の生き方」という難題に真っ向から取り込んでいく姿と、ヤクザっぽい<梶原>が「生き方」を変えていく場面は感動ものでした。
本好きとしては、古書店や書店に関するタイトルは気になるところで、恋愛物はあまり読みませんが気になり手にしてみました。
主人公は群馬県から上京、「シティライフブックス渋谷店」に勤める26歳の<今井翔子>、彼女は3年前から、将来は自分のレストランを持ちたいという夢を追いながらファミレスで働いている<水田大輔>と付き合っていますが、休日がなかなか重ならず、すれ違いが続いています。
渋谷店の店長が替わり、2階のチーフに抜擢された<翔子>は、自ら企画した<ケータイ小説>コーナーの売り上げが上がり、ベストセラー作家の一人<青木譲治>と知り合うことになります。本職が歯科医でもある<青木>は、<翔子>に対して積極的にアプローチを仕掛けてきます。
<翔子>の周辺の年頃の女性の恋愛観を散りばめ、書店という舞台をうまく使いながら、夢を追う<大輔>と、セレブな<青木>との間で揺れ動く<翔子>の心の成長を描いた一冊でした。
乱読の読み方を自負していますが、それでも何がしかの繋がりを感じることがあり、前回取り上げた <伊集院静> は妻<篠ひろ子>の出身地宮城県仙台市に住んでいますが、今回の<平谷美樹(よしき)>は岩手県金ヶ崎町在住で、東北地方在住の作家が続きました。
慶応3(1867)年の横浜外国人居留地を舞台として、その一角に「小倫敦(リトル・ロンドン)」と呼ばれ、英国人たちが多く住んでいる地域がありました。
事故(?)でメイドが亡くなった建物の空き家から、女の悲鳴が聞こえるという幽霊談の噂が広まり、横浜外国奉行所の同心<草間凌之介>はそのからくりを解き明かします。
攘夷派の跋扈が噂されるなか、一人の元薩摩藩士が殺され、その現場に落ちていた正体がわからない物体を<草間>は「英吉利(いぎりす)羊羹」と名付け調べ出しますが、皆目見当がつきません。
まだ科学捜査の手順もない時代ですが、温厚な<草間>には幅広い知識を持った仲間たちがおり、なぞの「英吉利羊羹」の実態が解明されていくミステリーとして楽しめた一冊でした。
『週刊文春』に連載れていた人生相談を中心にまとめら、深刻な問題から軽い悩み事を縦横無尽に切り、軽快でときには辛辣なコメントでまとめられています。
酒が強くなりたい22歳の若者に、<最初にまず飲む。次に吐く。そして倒れる・目を覚ましたら、また飲む。ふらふらしながら起き上り、さらに飲む。吐きながら倒れる。目が開いたら起きれなくても枕元でビールをストローで飲む。頭がクルクル回る。それでも辛抱して飲む。吐く。死にそうになる。死んでなかったらまた飲む。日時も、世紀も、自分の名前がわからなくても飲む。まぁそんな感じやね>と回答されているのには、笑ってしまいました。
今年は奇しくも二人目の妻<夏目雅子>(1985年9月11日没)が、27歳の若さで亡くなって30年目、時のたつ速さに驚かされます。
<警視庁科学特捜斑>シリーズとして第12冊目になる本書ですが、「エピソード0」とあるように、まだ科学捜査班に配属される前の主人公<菊川五郎>は35歳で、警視庁捜査一課一年目の新米刑事として本書は描かれています。
自宅から遠く離れた公園で、イベント企画会社を運営する<生田忠幸>が刺殺死体で発見される場面から物語は始まります。
新人の<菊川>は所轄のベテラン<滝下>とコンビを組みますが、癖のある人物ながら刑事魂はもぅて折、<菊川>はそれぞれの場面で刑事としての経験を積んでいきます。
捜査状に刺殺された<生田>に金を貸していたサラ金の社員<向井原>を犯人と決めつける検事<烏山>ですが、<菊川>たちは冤罪だと考え独断で捜査を進めていきます。
新米刑事とベテラン刑事が捜査を通じて気心を知り会う過程が小気味で、また強引な捜査方針の検事と刑事たちの対立関係も読み応えがあり、面白く楽しめた警察小説でした。
<組織犯罪対策課 八神瑛子>シリーズとして、『アウトバーン』 ・ 『アウトクラッシュ』 に次ぐ第3巻目が本書です。
主人公の<八神瑛子>は上野署に勤務する女刑事ですが、3年前に起こった暴力団高杉会の<芦屋>会長、並びに金庫番であった<島本>の自殺に不信を抱き、それを取材していた夫<雅也>も、奥多摩の山奥で川に飛び込んで自殺と処理された過去を背負っています。
所属の上野署以外にも<八神>は、刑事たち相手に高利貸しを行い、3年前の事件の真相を暴くべく子飼いを増やし警察内部の情報収集、執念で真相に迫っていきます。
本書にて一応のケリを付けた<八神>ですが、最終行は(第三話 了)の言葉で終り(完)でないだけに、これからも<八神>の活躍が楽しめるのか、気になる終わり方でした。
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