著者初めてのエッセイ集で、38歳にして初めて「恐怖」の飛行機に乗ってイギリスとアイルランドに出向いた初紀行文でもあります。
本書は4章から成り立ち、第1章が「イギリス・アイルランド」、第2章が「麒麟麦酒横浜工場」、第3章が「札幌落雪注意」、第4章が「オリオンは新年、東の空から昇る」の構成です。
第1章には、読書家らしい著者らしく文中には多数の書籍や映画の話題が散りばめられ、「イギリスとアイルランド」の歴史的考察も楽しめました。
著者ファンなら大のビール党と言うことを知っていますので、番外編は「キリンビール」・「サッポロビール」・「オリオンビール」のことだと察しが付くと思いますが、同じビール党としてこれまた楽しく読み終えました。
イギリス積みのレンガ塀が、5メートルばかりの長さで残されています。
ここはもと「橘小学校」の跡地の一角。跡地は、神戸市男女共同参画センターと水道局の中部センターの建物が建っております。
少子化の影響で、神戸市内も随分と小学校が閉校しています。
思い出の学び舎といえども寿命があるのは自明の事ですが、卒業生にとって校舎も何もないでは寂しいことだと思います。
幸いといううか、当時のレンガ塀の一部だけですが残されており、わずかでも歴史の生き証人としての役目を果たしているんでしょうね。
お昼間は開いていません。夕方からの開店ですが、これまた何時からか分かりません。
夜中の12時頃から朝方にかけてが、本格的なこの店の営業時間です。「また、午前様になるかな・・・」
お好み焼き屋として、グルメ雑誌に載ることはないと思います。鉄板の上でお客さんのお好みを焼いている時には、常連さんは追加注文を控えております。
注文でもしようものなら、焼いているお好み焼きはそのままで、新しい注文の材料の仕込みに裏方の台所に姿が消えてしまいます。
あわれお好み焼きは、焦げ出しはじめます。
ビールも勝手に取ってくれというようなお店に、どうして立ち寄るんだと思われますでしょう?
鹿児島出身の80歳を超えたおばちゃんですが、日本の軍歌を全部歌えます。おみ足の方は少し悪いんですが、お声は元気なおばちゃん。
「知らない軍歌はない」と言い切るほどの自信家で、お好みを焼きながら聞かせてくれます。
NHKも取材に来て、歌の録音依頼がありましたが、相手にもしません。
正調な歌詞ばかりではなく、猥褻な替え唄を朗々と聞かされますと、おばちゃんならではの芸当だなぁーと、聞き惚れてしまいます。
夜中を過ぎますと、水商売を終わったお姉さん方が顔出しされ、ヤンヤの状態と相成ります。
注文するタイミングを逃しますと、ビールと軍歌だけの世界に浸ることになる、恐ろしきお好み焼き屋さんです。
二年半ほど前、兵庫県相生市の、歩道のアスファルトの隙間から顔をを出して大きくなった「ど根性ダイコン」が有名になりました。
心もとない人に折られてしまいましたが、現在のバイオの技術で、子孫が栽培されていると聞き及んでおります。
写真の【クスノキ】も、なかなか根性があると思いませんか?
安定を保つために、精一杯根を石垣の隙間に喰い込ませながら、空に向かって伸びようとしています。
地面から5メートル程の高さの石垣の上部の為、間引きされることもなかったんでしょうね。
どこまで大きく育ってくれるのか、これからが楽しみです。
ある建築物の、裏通り側の顔です。どの配管が先で、どういう順番に施工されたのか、見ながら考え込んでしまいました。
各設備業者さんは施工図面で確認されているとはいえ、やりづらい工事だったと思います。
建築物は、建物そのものだけで、機能するものではありません。
雨樋にはじまり、電気・ガス・冷暖房・給排水と、多岐に亘り配管が建物に付いて回ります。
一般の方は、建築物の形だけを見て、デザインを判断される方が多いと思いますが、隠れた部分までもが行き届いているのは、バランスの取れた建物だと言っていいでしょう。
冒頭は、モーテルの浴室で男をナイフで刺殺する場面から始まりますが、これが本書の伏線として生きてくる場面でした。
寝ている男<冬樹>と一緒のベッドから目覚めた<私>は、自分が何者かの記憶を一切なくしていますが、男に恐怖を覚えた<私>は部屋から飛び出しますが、外は雪が降るクリスマスイブでした。
行先のない<私>は、仕方なしに<冬樹>の部屋に戻り、彼が「前向性健忘症」で、記憶をすぐに失くしてしまうことを知り、なんとか自分のことを探り出し、<辻好江>だということは突き止めていきますが、彼女自身も浴室の殺人場面と二人の男にレイプされる記憶と、子供<淳>の記憶とが交差、心因性による「解離性障害」を起こしていました。
<冬樹>との会話から、暴力団関係とのトラブルを抱えているのが分かり、真相を突き詰めていくのですが、複雑な<辻好江>の巡り合わせが読者を迷路に導いていきます。
記憶障害をテーマに、二転三転する<辻好江>の伏線が絡み合い、最後に<冬樹>の手記だとわかる回想録と合わせ、目まぐるしく展開するミステリーでした。
前回は、まだ笑えるバランスの報告でしたが、今回は笑えるバランスではありません。
長田区のある駐車場の石垣です。高さ約6メートルで、写真のごとく3段重ねの擁壁です。明らかな違法の造成工事です。
長屋の解体の職人さんは、拍手ものですが、この石垣の構成は技術面もさることながら、安全を無視した工事で、ゆるしがたい気分になりました。
この上の駐車場や下側に停められている乗用車の持主達が、怖くもなく利用されていることが信じられません。
町中を散歩いたしておりますと、いろんな場面に遭遇いたします。車での移動では、気が付かないものが発見できますので、散歩は止められませんね。
本来は、右側の酒屋さんが目的でしたが、微妙なバランスで、笑ってしまいました。
これぞまさしく「もちつもたれつ」の関係でしょう。
3軒長屋の真ん中で、梁や母屋を切り落としますとバランスが崩れて、共倒れになるんでしょうね。
解体された職人さんも、ヒヤヒヤものの作業だったと思います。
さてこの先、この長屋の運命はどうなるのか、今後の楽しみが一つ増えました。
いわゆる「業界物」の範疇に入ると思いますが、小さな工務店を舞台に繰り広げられる経済小説でもあり、建築士や職人たちの世界を鮮明に描き、また恋愛小説としても楽しめる内容でした。
主人公<山根梨央>は30歳、人材募集の出版社に勤めていましたが、編集長との不倫にも行き詰まり、ある日酔っぱらって工事現場に侵入、足場に登ったのはいいのですが降りることができずにとび職の<田所徹男>に助けられます。
<徹男>に一目ぼれした<梨央>は、夢を持てない出版社を退社、<徹男>の紹介で<鍵山工務店>に就職しますが、そこは離婚してやむなく社長になった<姫>こと47歳の<鍵山郷子>が分からない工務店の世界で奮闘していました。
建築設計を生業としているわたしとして、工務店の実情がわかるだけに、著者の取材に基づく細かい描写が手に取るようにわかるだけに、とても面白く読めた一冊でした。
本日は私も所属しておりました神戸青年会議所(神戸JC)の創立50周年の記念式典日です。役職の高い方には、楽しい式典でしょうが、私はあえて出席しようとは思っておりません。
ご存知でしょうか、青年会議所(JC)を?
多くの方は、商工会議所の青年部会みたいな感じを持たれておりますが、独立した青年経済人の集まりです。
ジャリンコクラブなどと揶揄されて、2代目のボンの団体とみられる方も多いみたいですが、あえて否定はいたしません。
「青年として、英知と勇気と情熱をもって明るいゆたかな社会を築きあげよう」との綱領のもと、社会活動を続けて来ております。
私の入会の頃は25歳から40歳でした。
現在は、会員数の減少も影響しているのか、20歳からの入会が認められているようです。
12年間お世話になり、一番の思い出は、淡路・阪神大震災の前年に行われた世界会議です。多くの裏方を束ねる委員長をしておりました。
総合案内所の責任者、同時通訳、ボランティアの指導、会議室の采配、雨天対策、神戸クイーンの対応・・・。
1週間、神戸ポートピアホテルを貸し切りましたが、部屋に戻るのは着替えとシャワーだけ。
一度もベッドを使うことなく、走り回っておりました。
警備員さんからは、「わしがおらんでも、大丈夫やな」とからかわれておりました。
賑やかな式典、豪華な食事などに接することもなく、ただただ問題が起こらないかのチェックで、大変でした。
そんなわたしにも、嬉しいことがありました。
毎日総合案内所で、レシーバー片手に指示を出していましたから、各国のJCマンからは信頼され、会議の終了時にお礼の言葉と共にお国のバッチをいただきました。
それが写真のバッチです。
はでなパーティーは経験できませんでしたが、何よりの思い出です。
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