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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』吉川英梨(宝島社文庫)

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『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻...
以前に、「刑事・警察」モノとして 『果断:隠蔽捜査2』(今野敏) の小説をコメントしました。
今回、その「刑事・警察」モノの小説として、新しいヒロインを見つけました。

女性刑事主人公としての小説は、<乃南アサ>の「音道貴子」、<黒崎視音>の「吉村爽子」、<横山秀夫>の「平野瑞穂」、<柴田よしき>の「村上緑子(RIKO)」、<誉田哲也>の「姫川玲子」と思いつきますが、今回の主人公「原麻希」も、鮮やかなデビュー作としての登場です。

推理小説ですので、あまり筋の話は書けませんが、過去の事件と絡み合って自分の子供が誘拐され、元カレの刑事と共同で事件を解決してゆきます。

回想シーンを含め、「うまい!」と言わしめる最後の終わり方で、女性作家の視点が生かされた主人公の活躍、十分にお値打ちの一冊です。
今後シリーズ化になればいいなと、期待しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『居酒屋の世界史』下田淳(講談社現代新書)

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『居酒屋の世界史』下田淳(講談...
赤提灯がぶら下がる立ち呑み屋さんや居酒屋にお世話になっている立場として、気になるタイトルの書籍が発売されていました。

<居酒屋を除くとヨーロッパ文明が見える>との副タイトルの帯が付いていますが、歴史的な流れを押さえ、居酒屋は本来銀行にして裁判所、売春宿にして病院と多機能の性格を持っていたのに、なぜ単なる酒を呑むだけの場所になったのかを分析をされています。

全十話からなる構成ですが、広く浅くの内容で、やや欲張りすぎた感じがしました。

「農村への貨幣経済の浸透」「居酒屋の多機能性」「専門分野への棲み分け」が著者の三大<キーワード>ですが、歴史分析の結果としての結論というよりも、初めに<キーワードありき>の感じが強く、学者の著述だなとの印象が残る一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『くまちゃん』角田光代(新潮文庫)

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『くまちゃん』角田光代(新潮文...
タイトルの『くまちゃん』を第一章として、本書には7話の短篇が収められています。

『くまちゃん』の登場するのは<古平苑子>23歳、大学時代のサークル「全国駅弁大会」にメンバーが集まる花見で、青いジャージにピンクの熊が描かれたトレーナーを着た<持田英之>と知り合い、その日のうちに同棲が始まりますが、煮え切らない総合アーティストを目指す<英之>をふってしまいます。

二作目から、ふられた<男・女>が次はふる役になるという連作短篇で、7話とも20代から30代にかけての失恋物語ですが、各短篇の登場人物たちは、相手が変わることにより別人のように様変わりする姿がコミカルに描かれています。

著者のたたみかけるような言葉が羅列する文章のリズム感が、失恋という重くなりがちなテーマを払拭する勢いを持ち、楽しく読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『なぜ90%の人が家づくりに失敗するのか?』市村博(祥伝社新書)

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『なぜ90%の人が家づくりに失...
職業に関する書籍は、どうしても読むのが後回しになるのですが、久しぶりに手にしてみました。

裁判所で、建築に係わるトラブルのお手伝いをしておりますが、住宅を中心に相変わらず工事業者との諍いは少なくありません。

同じ一軒の家が、不動産業界においては「いい物件」、ハウスメーカーでは「いい商品」、建築界では「いい作品」となる表現の違いを、おかしいなと感じている人がいるでしょうか。

欠陥住宅の施工会社を責めるのはたやすいことですが、「なぜそうなったか」は、消費者側にも問題があるというのを認識しなければいけません。
今議論している「TPP」の問題も関連しますが、常に「安い」モノをもとめているのは消費者です。

消費者も、設計監理は無料が当たり前と言う認識を改め、有能な建築士を求める人ばかりであれば、このような本も必要ないはずです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『果断:隠蔽捜査2』今野敏(新潮文庫)

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『果断:隠蔽捜査2』今野敏(新...
共に映画化されましたが、『半落ち』横山秀夫、『笑う警官』佐々木譲など、「刑事」を主人公とする両作家の作品は、どれも安心して読める小説です。
最近、この「刑事・警察」を主人公にした小説が多く発売されているようで、まったく違う職業分野として興味深く読んでいます。

『ストロベリーナイト』誉田哲也、『公安捜査』濱田文人、『刑事の十字架』西川司、『警視庁心理捜査官』黒崎視音等も、同一主人公を据えてのシリーズとして目が離せません。

今回の『果断:隠蔽捜査2』は、「山本周五郎賞」と「日本推理作家協会賞」をダブル受賞した作品で、本格警察小説として、一気に読みきりました。
主人公の警察署長を中心に、警察組織自体の考え方・行動を非常に上手くとらえています。

この本を含めてですが、なぜ「刑事・警察」モノに興味を引かれるのかと考えれば、ミステリーの要素は勿論大事な部分ですが、それぞれの登場人物の性格設定、人間性が緻密に計算された作品が多いのに気づきました。

刑事モノと分類するのは、音楽のジャンルを分けるのと同じ行為であまり意味がありません。
たまたま舞台が「警察」だということにすぎず、「心」に響くかどうかが大切なように思えます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ほのかなひかり』森浩美(角川文庫)

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『ほのかなひかり』森浩美(角川...
<家族小説短篇集シリーズ>として、「双葉文庫」から 『こちらの事情』・『家族の言い訳』 が出版されていますが、今回は「角川文庫」から刊行され、8話の短篇が納められています。

夫を交通事故で亡くし小学生の一人息子を育てている母、娘が嫁ぐときに撮りためておいたビデオを、パソコン教室に通い自主制作でDVDを作成する父親、若い部下の退社に悩む部長等、何気ない日常の出来事を通して人生の機微を描き出しています。

どの主人公たちも切実に人生を生きながら悩み、笑い、喜びといった喜怒哀楽の中に、ささやかな希望を見出してゆく姿に感動を覚えてしまいます。

ちいさな温もりやちいさな優しさは、他人のみならず家族にも出しにくいモノですが、著者は誰の心にもあり、<たとえそれが どんなに小さくて頼りのない光であっても 歩む先に見えるのなら 人は生きていけるのです>という巻頭の言葉が、表題の所以です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ビブリア古書堂の事件手帳<2>』三上延(メディアワークス文庫)

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『ビブリア古書堂の事件手帳<2...
本書は、前作の 『ビブリア古書堂の事件手帳 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』 に次ぐ2巻目になり、副題として「~栞子さんと謎めく日常~」が付けられています。

本書では、10年前に失踪した母から贈られた<坂口三千代>の『クララ日記』が、プロローグとエピローグに登場、古書堂の美人店主<篠川栞子>の過去に触れる構成です。

今回は3篇の物語が連作で語られ、第一話は前作で登場した<小菅奈緒>の妹<結衣>が書いた読書感想文に端を発して、早熟だった<栞子>の過去が明かされます。

第二話は<司馬遼太郎>の唯一の推理小説『豚と薔薇』が登場、本名の<福田定一>名義で書かれた『名言随筆 サラリーマン』が、父から娘への愛情だと見抜く<栞子>であり、第三話では漫画の分野にまで知識が及び、<藤子不二雄>のデビュー当時のペンネーム<足塚不二雄>名で書かれた『UTOPIA 最後の世界大戦』にまつわる<栞子>の母親の過去の出来事が綴られています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『大きな森の小さな密室』小林泰三(創元推理文庫)

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『大きな森の小さな密室』小林泰...
2008年に<創元クライム・クラブ>の一冊として刊行された時には『モザイク事件帳』というタイトルでした。これは<小林泰三(やすみ)>の初のミステリー短篇集で、本書は改題された文庫本です。

表題作の短篇を含めて、7話が収録されていますが、それぞれが特定の主題によって書かれています。

「密室事件」・「倒叙ミステリー」・「安楽椅子探偵」・「SFミステリー」等、単なる謎解きだけではなく、趣向を凝らした作品で読者を飽きさせません。

残念ながらミステリー作品ですので詳しいことはかけませんが、探偵役の登場人物たちも個性的で楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『紅染の雨』藤原緋沙子(文春文庫)

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『紅染の雨』藤原緋沙子(文春文...
<切り絵図屋清七>シリーズとして、第1巻目の 『ふたり静』 に次ぐ2巻目が本書です。

勘定組頭<長谷半左衛門>の妾の子として産まれた<清七郎>は、本妻や義理の兄との折り合いが悪く、22歳のときに家を飛び出し武士の身分を捨て<清七>と名を改め、今では絵双紙本屋「紀の字屋」の店主として、絵師の<与一郎>や<小平次<達と、江戸の地図を絵図として制作に勤しんでいます。

本書には3篇が納められていますが、「紀の字屋」の当主<藤兵衛>の経歴と<おゆり>との関係が明らかになり、<清七>は改めて<おゆり>に思いを走らせます。
また、父である<半左衛門>が刺客に襲われたところに遭遇、事なきを得ましたが、何やらよからぬことが起こりそうな予感を残しています。
また<与一郎>の石和の名主である父親がご神体である「夔の神」を江戸にて出開帳に出向き、側室の<お美津>に見せる前に何者かに「夔の神」を盗まれてしまい、<清七>たちは、探す羽目に関わります。

<滝沢馬琴>が亡くなった翌年の江戸を舞台に、<清七>たちの人情あふれる物語が語られていますが、父<半左衛門>のその後と、<おゆり>との今後が気になるところです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『鷺と雪』北村薫(文春文庫)

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『鷺と雪』北村薫(文春文庫)
昭和7年の東京、上流階級の<花村家>の令嬢<英子>の目線を中心に据え、当時としては珍しい彼女の付き人としての女性運転手<ベッキー>(こと別宮みつ子)を推理探偵役に据えた<ベッキー>シリーズは、『街の灯』 に始まり、『玻瑠の天』 に続く3巻目の本書で完結です。

本書は三篇からの構成ですが、最後の章のタイトルともなっている『鷺と雪』で、著者は第141回直木賞(2009年上半期)を受賞しています。

第1章の『不在の父』は、爵位の序列が<公・候・伯・子・男>とあり、そのような身分社会に耐え切れなくなった子爵の市井にて自由な精神での生活に接して、「わたし<英子>」は驚かされます。
第2章の『獅子と地下鉄』は、受験を控えた良家の小学生<巧>が夜の行動をあやしまれ補導されてしまいますが、<巧>は何も喋らず「わたし<英子>」はことの真相を探るために少年の行動を調べていきます。
第3章の『鷺と雪』でもって、「わたし<英子>」と<ベッキー>の3年半にわたる物語の〆となりますが、買ったばかりのカメラに、なぜか台湾に出張している<千枝子>の婚約者が自分の背後に写っている謎解きを依頼されてしまいます。

最終章では能の演目である「鷺」を伏線に、軍国主義に向かう暗雲とした雰囲気を匂わし、「二・二六事件」を絡め、3巻を通して見事に昭和初期の時代を検証しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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