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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(56)『ダブルフォルト』新保裕一(集英社文庫)

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今年の読書(56)『ダブルフォ...
新米弁護士のイソ弁である<本條 務>は、ある日突然、所属事務所のボス<高階徹也>から殺人事件の担当を任される。弁護するのは町工場の経営者<戸三田宗介>。金銭トラブルから金融業の<成瀬隆二>をペーパーナイフで刺殺し、翌日自ら警察署に出頭して殺人容疑で逮捕された事件です。

逮捕後、<戸三田>は<成瀬>から脅迫があったと語ったため、本條は殺人ではなく傷害致死の可能性も考え、<本條>は裁判の準備を進め、<成瀬>の金融業者の評判や悪質な手口を次々に法廷での証人尋問で暴いていきますがが、傍聴していた被害者の娘<香菜>が、「殺された父さんが、どうして辱めを受けなきゃいけないのよ。おかしいじゃない!」と叫びだします。

やがて<本條>は、<香菜>の嫌がらせを受けながらも、事件の真相を追い求める<香菜>との行動を通して、事件に隠された意外な裏側を知ることになります。

殺人事件を扱う法廷ミステリーとしてはもちろんのこと、弁護士事務所の実情、新米弁護士の現状と苦悩と成長の物語、さらには恋愛要素と、楽しめる構成でした。
#文庫本 #読書

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今年の読書(54)『いのちの姿 完全版』宮本輝(集英社文庫)

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今年の読書(54)『いのちの姿...
本書は、短編39編、長編33編を書かれてきた<宮本輝>さんのエッセイ集です。作品の背景から大阪生まれだと思われがちですが、兵庫県神戸市生まれです。単行本刊行後の5編が加えられており「完全版」となっています。

著者が人生の折々に巡り合った忘れ得ぬ人々の面影が、円熟した筆致で描かれています。
いままで語られることの無かった異父兄との邂逅を描く「兄」、シルクロードへの旅にまつわる回想「星雲」、小説『優駿』執筆当時の不思議な経験を描く「殺し馬券」、子供のころ遊んだ奇妙なアパートを部隊とした「トンネル長屋」、ある老人の死に黙考する「消滅せず」など、単行本刊行後の5編が加えられ「完全版」として、滋味あふれる全14編が収録されています。

あとがきに、「私はある時期からエッセイを書くことをやめていた。懇意な編集者の熱心な依頼であっても、平謝りしてお断りさせていただいてきた。小説に専念したかったからだ」との宮本さんの言葉があります。そんな著者が今回あえて筆を執り、満を持して書かれた、大人のための随筆です。
#文庫本 #読書

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今年の読書(53)『東京近江寮食堂』渡辺淳子(光文社文庫)

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今年の読書(53)『東京近江寮...
B級グルメ派として、著者の作品は初めてになりますが、タイトルにひかれて読んでみました。

主人公<寺島妙子>は、病院勤めの定年を迎え、10年前に突然に失踪した料理人の亭主<秀一>から届いたはがきの消印を頼りに、有給を使い滋賀から東京に出向きますが、到着早々に財布を失くし途方にくれていましたが、谷中にある滋賀県人が格安で泊まれる施設「東京近江寮」の管理人<鈴木安江>に拾われ、行き先がないということで声をかけてくれます。

わけありで、滞在している常連の宿泊客たちの身上を絡めながら、料理上手な妙子は宿泊客に美味しいご飯を作り、食べることを通して、彼らの人生に関わりながら、生き方を変えていきます。

タイトル通り滋賀県(近江)の郷土料理<赤いこんにゃく・鮒ずし・イサザのジュンジュン(すき焼き)・丁字麩・焼き鯖そうめん>などがいいわき役として登場しています。

退職で一度滋賀に戻った<妙子>ですが、また近江寮に戻り一般の人向けにも食堂を解放、自立支援センターで頑張る夫<秀一>の帰りをけなげに待ち続けます。

#文庫本 #読書

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今年の読書(51)『安楽病棟』帚木蓬生(集英社文庫)

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今年の読書(51)『安楽病棟』...
解説を含め607ページ、非常に重たい気持ちで読み終えました。

前半は、認知症病棟に入居すべく訪れた人たちのそれぞれの人生が本人により語られ、その後認知症病棟勤務の看護師<城野>の目線から、40人の病棟内の日常の出来事語られていきます。

読み手には、認知症病棟のルポjルタージュを読んでいると思わせるほど悲しい現実が続け様にえがかれ、その背後にオランダにおける安楽死問題をすべりこませ、最後の章で、読者を驚愕の世界に落とし込みます。

長寿社会といわれてひさしいですが、痴呆を認知症と呼び換えても現実的に何も解決されていない日本の現状、老いてゆく身としては、色々と考えさせられる一冊でした。

#文庫本 #読書

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今年の読書(49)『七つの会議』池井戸潤(集英社文庫)

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今年の読書(49)『七つの会議...
2011年5月から2012年5月まで『日本経済新聞電子版』に連載され、単行本になる際に1話追加され、全8話の連作短篇集となって刊行されています。

「ソニック」の子会社「東京建電」を舞台として、売上至上主義のもとに起こった不祥事に巻き込まれてゆく肩書きや職務の違う社員たちを描いた群像小説です。

それぞれの不祥事に関わった社員たちの行動を描き、読み手に「仕事とは何か?」という根本的な命題を考えさせてくれます。

また登場人物たちの生い立ちから入社するまでの生い立ちや家庭環境を書き込み、仕事に対する思考を読み手に細かく伝えていく手法はリアル感を与えていました。
#文庫本 #読書

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今年の読書(48)『インデックス』誉田哲也(光文社文庫)

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今年の読書(48)『インデック...
『ストロベリーナイト』 に始まる<姫川玲子>警部補を主人公とする誉田哲也の代表作ともいえるシリーズの短篇集で全8話が収録されています。

本庁の捜査一課地ダウの「姫川班」解散後、池袋署に移動した<姫川>ですが、あいかわらず元気に動き回る<姫川>の姿が楽しめ、また「姫川班」としてかかわってきた懐かしい仲間たちの横顔も垣間見られル構成になっています。

表題作の『インデックス』は、無差別殺人事件の 『ブルーマーダー』 とからめて、<姫川>が、行方不明とされている暴力団組長の事件を、ささいな聞き込みから見事に解決してしまいます。

『ストロベリーナイト』で殉職した<大塚>巡査が印象的でしたが、本書においても、いい思い出として登場、<姫川玲子>シリーズのファンとして十分に楽しめました。
#文庫本 #読書

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今年の読書(47)『冬のフロスト(下)』R.D.ウィングフィールド(創元推理文庫)

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今年の読書(47)『冬のフロス...
のんびりとロクガシタサッカーの試合を見て夜勤を過ごそうと考えていた<フロスト>警部でしたが、多くの事件が重なり、てんてこ舞いの状況に陥った<フロスト>でした。

コンビニ強盗事件は、運よく解決させましたが、まだ、幼児誘拐事件と連続娼婦殺人事件のめどが立たない中、幼児誘拐事件の容疑者が、留置場内で自殺してしまい、窮地に立たされる<フロスト>警部です。

娼婦殺害事件には、婦人警官の囮捜査に踏みきりますが、なんとまた足を引っ張る「(タフィー)芋兄ちゃん」ことモーガン刑事が、囮捜査役の<リズ・モード>警部代行を見失うというヘマを起こし、最悪の事態を考え焦る<フロスト>です。

何時ものドタバタの末、事件を解決する<フロスト>警部ですが、自殺した容疑者の犯行を決定づける「トイレットペーパー」がいい小道具として使われているのは、秀逸で、ニヤリと笑ってしまいました。
#文庫本 #読書

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今年の読書(46)『冬のフロスト(上)』R.D.ウィングフィールド(創元推理文庫)

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今年の読書(46)『冬のフロス...
大好きな<フロスト>警部シリーズも第6作目の最終巻 『フロスト始末(上・下)』 が発行されていますので、今回は長年気にしていました第5作 『冬のフロスト』 です。

寒風が吹き荒れる1月、<フロスト>は、夜勤の間に経費の水増し作業を作り終えて、録画したサッカーの試合を楽しみにしていましたが、思い通りに事は運ぶことなく、幼い少女の行方不明事件に始まり、枕カバーに盗品を詰め込んで逃げる「枕カバー強盗」、売春婦の連続殺人事件、大騒ぎするフリーガンの一団事件とせわしく対応しなければならない状態で署内はてんてこ舞いです。

マレット署長が、点数稼ぎのため所員を他の署に貸し出しているため、<フロスト>一人に捜査が押し付けられてしまいます。残っている部下は<タッフィー兄ちゃん(芋兄ちゃん)>こと<モーガン>で、<フロスト>の足をひっぱる厄介者です。

厄介な事件の数々の詳細が(上)では語られ。どう解決するのか<フロスト>警部はと気になりながら読み終えた503ページです。

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今年の読書(44)『クラン Ⅴ』沢村鐡(中公文庫)

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今年の読書(44)『クラン Ⅴ...
警察組織を牛耳る裏組織の<神>と呼ばれる存在にあと一歩まで迫った場面で終わった 『クラン Ⅳ』 から。待ちに待った続編が7月25日に刊行されています。

裏組織根絶の為立ち上がったメンバー<クラン>ですが、渋谷スクランブル交差点で予定されていた<神>のテロを未然に終らせたことで、<クラン>の存在が相手方に分かり、<神>の組織は、<クラン>の主要メンバー<千徳>や<洞泉>たちの抹殺をはじめます。

あろうことか<神>組織は、都内でテロ行為を繰り出し、我々は<クラン>だと名乗り、メンバーの名前をテレビ放送を通じて明かし、指名手配とさせ、自由に行動できなくさせてしまいます。

身動きが取れなくなった<クラン>メンバーですが、あらかじめ手配されていた<千徳>の機転で首相との面談ができ、総理自ら警察の指揮を執る行動を起こし、<クラン>の指名手配を取り下げる約束を得た場面で第5巻は終了。次巻に引き継がれていきます。
#文庫本 #読書

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今年の読書(43)『荒神』宮部みゆき(新潮文庫)

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今年の読書(43)『荒神』宮部...
関ヶ原の戦いから100年。太平の世の東北の寒村の山村に隣り合う二藩があり、片方の村に怪物は突然現れ、村人を殺し村を焼き尽くした。

<朱音(あかね)>の住む村に、怪物に襲われて傷だらけになった少年<蓑吉>が逃げてきます。迫りくる怪物の恐怖。<朱音>は、浪人<榊田宗栄>、絵師<菊地圓秀>とともに、村を守るため、知恵と勇気をふりしぼって怪物との戦いに挑んでいきます。

一方、朱音の兄で藩の重臣<曽谷弾正>は、怪物を自ら操ろうと企む。怪物との戦いの蔭で繰り広げられる愛憎劇。やがて明らかになる怪物誕生の意外な真相。そこに浮かび上がるのは、罪深い人間の業だった。朱音たちと怪物との戦いの行方は?

怪物はなぜ現れたのか?どうすれば倒すことができるのか?怪物と人間たちの死闘を描いたエンターテインメント時代劇です。

理不尽な藩の圧政にもめげず、自然の中で暮らしている農民たちの力強さを感じさせてくれる一冊でした。
#文庫本 #読書

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