生家から徒歩2分で、平野市場に行けました。子供の頃は「上の市場」と呼び、神戸市民の台所である東山商店街は、徒歩で20分程かかりますが、「下の市場」と呼んでいました。
祖母が「下の市場」に買い物に行く時には、よく付いて行きました。
帰りがけに「あめ湯」や「豆乳」を買ってくれるからです。
その東山商店街に、この椿油の屋台(リヤカー)が止まっています。
お父さんの商売を継がれた2代目さんですが、もう50余年の営業になります。
祖母がこのお店で、椿油の瓶詰を良く買っておりました。明治生まれの祖母としては、唯一の化粧品だったとおもいます。
圧搾機のレバーを引きますと、トボトボと薄黄色の液体が出てきます。面白がって、よく眺めていました。機械で絞れば早いのでしょうが、ツバキの状態を見て力加減を考えながらの作業は、職人技です。
おじさんの年齢も70なかば、週に2回ほどしか屋台を出しておりませんが、運よく元気なお顔が見れました。100グラム1500円、一本いかがでしょうか。
以前にはありませんでしたが、屋台の前に額入りの切り絵が、誇らしく飾ってありました。神戸市出身の切り絵作家<成田一徹>さんが、この屋台を題材にされた作品です。
第80回アカデミー賞において、作品、監督、脚色、助演男優の4部門で受賞した犯罪ドラマ『ノーカントリー』が、2008年3月15日より全国で公開されます。
1980年の米テキサスを舞台に、麻薬密売人の銃撃戦があった場所に残されていた大金を盗んだベトナム帰還兵「ブローリン」と殺し屋「バルデム」の追跡劇、そして2人を追う老保安官「ジョーンズ」の複雑な心情が描かれます。
原作はピュリッツァー賞作家<コーマック・マッカーシー>の『血と暴力の国』(扶桑社刊)。監督・脚色は『ファーゴ』(1996年) ・ 『ビッグ・リボウスキ』(1998年)の<ジョエル&イーサン・コーエン>が務めています。
柳筋、というのはソープランドで有名な「福原」にある通り名です。
全盛期には、有馬温泉の浴衣すがたで、タクシーで乗り付けてお客さんが遊びに来ておりました。
裏話ですが、高校野球の応援名目で全国から観光バスで甲子園まで来られますが、夜になるとそのバスが、福原まで来ておりました。
そんな柳筋の入口に12階建てのホテルが工事中です。
以前にも、神戸市内の大型のホテル事情を書きましたが、風俗街にまで、ホテルが進出してきたとは、驚きました。
当然需要を見込んでの建設でしょうから、門外漢は眺めているだけです。
周辺がどのような環境なのか、何も知らずに宿泊されたお客さんの気持ちをはばかると、複雑な気がいたしております。
スズメが2羽、パン屋さんの前で、パン屑をつついておりました。
真横のカウンターでは、数人の女子高生がパンを買っているんですが、逃げる気配はありません。
子供の頃は、お米屋さんの店先にたむろしていたスズメをよく見かけました。それでも、人が近付くと、飛び去っていったものです。
今は、スーパーでお米を買う時代で、お米屋さんも見かけなくなり、精米機の音なども遠い昔話です。
時代に合わせ、お米からパンの洋食に変化しながらスズメさんは、たくましく都会の中で、生きているんですね。
新開地本通を西に入る小路に、昔からのうどん屋さんがあります。
おばあちゃんが一人で、切り盛りされている、こじんまりとしたうどん屋さんです。
そのおばあちゃんが、毎日、店の前に小鳥の餌を出されています。
朝方には、ヒヨドリ達が食べに来るとか。
さすがに、昼食時分では小鳥たちはおりませんでした。
「あしたも、よっといで」と声を掛けるのが、長生きの秘訣だと、笑顔で話されておりました。
神戸地方裁判所に出向きましたら、1階のホールになにやら展示物がありましたので、近づいてみました。
「第2回神戸地方裁判所・新春小学生書き初めコンクール」とありました。
近づいている、国民の裁判員制度の啓蒙の意味があるのでしょう。
小学生の頃から、裁判制度に対する理解度を高めていこう、との流れだと思います。
お題も、1・2年生は「くに、ほう」とかのひらがな。3・4年生は、「公正、自由、司法、正義」といった用語。5・6年生は「国民参加、裁判員制度」と、難しい用語となるのが、ミソですね。
各所轄で裁判員制度の普及・啓蒙活動を色々とされていますが、あまり実感がわいてきません。
確実に、その日は、カウントダウンしているのですが。
宇治川商店街の入り口にあるケーキ屋さんですが、何げなく通りすぎようとしたときに、<メッセージボード>が目に入りました。
ボードには、お誕生日のケーキを予約された方の名前が書かれてありました。
さっちゃん、あきさん、YUMAちゃん、ひとしくん。
どのような形のバースデーケーキか分かりませんが、店の心づかいが伝わって来るようで、きっとお味も暖かい味わいがありそうです。
心に残るお誕生日会であればなと、感じました。
創業40年。お店の名前は、「エトワール神戸」です。
本書には7つの短篇が納められており、タイトルの『懐郷』は、ノスタルジーを感じさせる言葉ですが、時代に翻弄されながらも、力強く生き抜いている7人の女性たちの人世が反映されています。
各短篇の背景は1960年代、昭和30年代後半を背景に、東京オリンピックを迎えるべく日本全体が右肩上がりの世相の中で、東北を中心とする社会背景が見事に描かれていました。
島で海女として生きる<妙子>は、連れ子の娘<啓子>と共に再婚相手の<聡介>の元に嫁ぎますが、仕事中に命綱が絡む事故に遭遇しますが亡くなった先妻<琴子>の力なのか、海で生きる女の連帯感とたくましさを描き、三宅島経由で物販が運ばれてくる御蔵島にたくましく住む<オヨネン婆>75歳、都会から田舎に引っ越した<小夜子>の野狐を通じての心の変化、膝を炒めている<敦子>は、再起をかけて出羽三山の登山に挑戦、仙台市のX橋でアメリカ兵を相手に春を売る<淑子>、集団就職をさせた中学生の教え子<聡>を心配して、岩手県から東京に出てくる教師の<貴子>等、ひたむきに生きる彼女たちの生き様が心に響く一冊でした。
今年も2008〜2009年秋冬のパリコレクションが無事に閉会しました。
「コムデ・ギャルソン」のデザインを担当された川久保玲氏の言葉が、印象に残っています。
赤やピンクの強烈な色遣いに対して、「悪趣味と言われるものにも、強さがあり、価値があるということを示したかった」とコメントされています。
一時の流行として、また限られた空間だけの影響であるファションの分野ではゆるされるのでしょう。周辺環境に関連する住宅の場合は、あくまでもわたしの主観ですが、悪趣味の一言ですませるようなものではないと感じています。
昨年の夏頃、吉祥寺に建設される漫画家梅図かずお氏の新築工事が話題になりました。
イメージカラーの赤・白のストライプ模様の外壁に、近隣周辺の住民からクレームが付き、工事さし止めの仮処分申請と、裁判沙汰にまで発展いたしました。
個人の問題であると言われればそれまで、自由社会の日本ですから、法律に抵触しなければ、どのように作ろうと問題はないのでしょう。
写真は、わたしの住んでいる町内に建っている住宅です。
一時期、電化製品で赤や緑の冷蔵庫やトースターといった、統一された色合いでの製品が販売されていましたが、今では見かけません。
ご自分の住居内での色遣いは、自由にされたらと思いますが、周辺環境に対する配慮も大事なことではないでしょうか。
お好きな色なら、先ほど述べました電化製品のごとく、何事にでも「黄色」で徹底されればいいと思うのですが、なぜか自家用車は「グレー」なんです。
この家の前を通るたびに、お好きな色に統一されないそのアンバランスさが気になって仕方ありません。
暖かな日曜日でした。新開地本通を、山側にあがりますと、視界が開ける場所に出ます。そこが、「湊川公園」です。
1905年から旧湊川の付け替え工事が始まり、1911年に公園としての今の形が出来上がりました。「ええとこええとこ聚楽館」と呼ばれる建物が出来たのが、公園完成の翌年1912年です。
公園というよりは広場で、神戸祭りなどの会場や、陶器市、実りの祭典等のイベントに良く使われています。
その公園のあちらこちらで、オジサンたちが青空将棋に興じています。ベンチの机には、くぎ付けされた将棋盤が何枚かあり、駒を持ち寄り楽しまれています。
強い人では、アマ6段ぐらいの実力者がゴロゴロおられるみたいで、はたで見ている方も真剣そのもの。ちゃちゃを入れる人もおりません。
雨でも降らないかぎり、風が寒かろうが、どこからともなく出向いてきて勝負が始まります。
それをまた、じっと眺めている人もいる不思議さ。好きなことは、寒さなんか関係ないんでしょうね。
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